Ｉ･Ｏ･Ｈ（アイオー）「硝子の天井−人は幸せな時、なかなか幸せに気付かないもの
らしい・・・。」
＠下北沢・OFFOFFシアター (1998/2/4-11 11ステージ) 全自由前売り3000当日3200
作・演出：林 邦應 出演：名和利志子、小野ヨシミ、磯部 弘、今井久美子、
農塚誓志、安室満樹子、山本正之、菊川淳、川端雅美
1998/2/8（日）曇｜雨 6:35-8:35PM 前方ベンチ席から 客席ほぼ満員(100人)
客層：老若男女。年齢層高し。女性過半数。客入れ：開演１時間半前から受付。
当日券は開演１５分前入場、席は最前列桟敷とベンチ。今回まだ空きあり。待ち時
間がもうちと少だと○。誘導と前説が何回もあり。丁寧過ぎなほど。
初見。東京キッドブラザーズＯＢの劇団。名和さん、磯部さん、それと今井さんは
どこぞで観たような。今後、旧作品の再演するそう。見過ごした人には○な企画。
舞台。妙に落ちつく、生活感あるお茶の間。時を止めたように小津してる日本家屋
（美術：松村明彦＋ZEST）中央、絨毯に２人用テーブル。奧、背が低い硝子窓ある
食器入れ。には小さな郷土人形達。横にまあ火鉢が。上、5:33で停まったままの鳩
時計。隣、椅子兼用の籐製衣装入れ。窓際に電話と赤べこなど人形。横壁に商店街
カレンダ。上手端、総菜屋店舗への戸。二重、これも古びて色あせた。手前、籐篭
に観葉植物。転じて下手、奥への戸口、長い藍色のれん。壁には色あせた引き戸。
手前にくずかご、手箒。
お話。家族を３年前に亡くした、総菜屋のおかみさん（名和）。の家には幼なじみ
の不動産屋社長（農塚）がいりびたり。でも踏み切れない不倫未満？。社長家族に
はもち内緒。節分に遊ぶ二人の処に頼りの専務（小野）が。相手を任されてる間に
てんやわんや。お客に社長の奥方が。しらずに仲良しおかみさん、大慌ての専務。
眼鏡忘れ不明な奥方にこれ幸いと一計を・・。寄る辺なき、孤独な者達のふれあい
と再起の物語。
綾なす関係性と勘違い、のおかしみ、機微があふれまくりな前半。てんぷく小劇場
回想。そのお茶の間笑いは緩く、過剰。お客さんは大喜び。ねこは苦手で苦笑。好
みはおいても、ちと長すぎやりすぎじゃ？。後半の暗転への演出なのはわかるけど
浮かれた中も、伏線と真摯な思いを交差させ○。それぞれの人の切なさを浮かばせる
、いいお話に。切な系ピアノ音楽を多用、それも盛り上げ演出。うーん、いつも
こうなのかしら。否応なく涙腺に来て困るねこは、パブロフの犬状態。
後半〜ラストは幸せ家族ゲームの反動、幸せを経て知る今の不幸せ。微笑み絶や
さぬ、おかみさんの健気さがとりわけ哀しい。そんな現実直視後も涙に沈ませず、
今を生きようとする姿を描く。つうか登場人物の背中を押してあげてるよう。作家は
厳しくも優しい。亡くした婚約者との真の別れ、家族への帰還、そして孤独な者達
の再起とか。豆まきでお互いを確かめ合う、ひとりぼっちだったおかみさんと専務
の二人。彼らの頭上で溶暗に消える、停まった鳩時計はきっとまた時を刻み始めて
いるはず。そんな希望の予感を感じさせるラストに微笑みねこ。
役者。いいとこ魅せて出過ぎない、アンサンブル○。名和さんが飲み友達になる、
つうかおかみさんだといいお店な、かわいらしさあって○。
［月間一覧］
|