いるかHotel〈下北沢演劇祭'99〉 「破稿（やぶれこう）銀河鉄道の夜」
＠下北沢・駅前劇場 (1999/2/9-11 4ステージ) 全自由前売り2400当日
※うべんの会「オーブン」との共通券4200円(問合せ先のみ)あり。
作：水野陽子（高校演劇Selection'98 晩成書房） 原案・監修・演出：谷省吾
照明：三浦あさ子 音響：中田摩利子 美術：岡一代 舞台監督：篠垣雅男
宣伝美術：桶本尚子 演出助手：阿部文 制作：あべじゅんこ
出演：
三谷恭子[売込隊ビーム] ：カナエ
松本知佐[宝塚北高校・演劇科２年生]：トウコ
宇仁菅綾[神戸高校演劇部ＯＢ] ：サキ
1999/2/11(木)雪 2:05ｰ3:15PM(1'10) 最前列より 客席超満員(160？人)
客層：20才代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：公演前、前売りは90枚しか売れてなかったそう。好評の神戸公演の口コミ
か連日満員のよう。階段は待ち列でいっぱい。適時誘導。荷物預かりもあり。前売
りで若い番号とってたねこも、どうせ桟敷最前列（全4？列桟敷、後方椅子席）なん
で意味なし。嗚咽を堪えながら、唇をきっと結んでの健気ながんばり演技。間近で
お兄さんもらい泣きしちゃいましたよ、な意味で○な桟敷。
開演前に「ホテル支配人」谷さんの前説あり。ギャグの自己チャック、自分を知っ
ている人調査、カンフー技で客いじり、などをいれて場内を和ませながら諸注意。
舞台。演劇部部室。ごちゃごちゃながら整理されな、ペンキは剥がれてな。中央奧
戸板に演劇チラシ。脇にサリンジャー選集やらが束ねられ。ラジカセおいたカラー
ボックスにはナルニア国物語、文庫本。上手、公園ベンチ奧に小道具とか書かれた
ダンボールが山積み。横に衣装ラック、小道具。転じて下手。市大会まであと６日
と書かれたボード、ちゃぶ台、麦わら帽子、小道具。前面に机とバケツ。
お話。秋の日の放課後。高三のカナエは進路面談をさぼり、引退した演劇部室で自
主トレ。同じ三年で演劇部のサキはそんな彼女が心配でならない。いろいろと言わ
れるがカナエ上の空。サキが面談にいき、カナエは銀鉄（想稿・銀河鉄道の夜」の
台本を読み始める。とそこに親友で演劇部の仲間のトウコが現れる。演劇部の思い
出を楽しく語り始める2人。それはカナエへのトウコから別れのための思い出話し
でもあった。トウコは震災で命を失い、カナエはトウコと共演した舞台と決別する
ことが・上演後台本を破り捨てるという演劇部の伝統を守れずにいた。ジョバンニ
とカンパネルラの想い・逝ってしまったカンパネルラはだれの内にもあるという台
詞を現実のものとして受けていくカナエ。別れの後、サキと神戸の夜景をみるカナ
エ。街も自分もまだ癒えてはいないが、もう大丈夫。２人が帰った部室。置き去った
ままのラジカセからは想い出の、新しい出会いを歌う、ゴダイゴの銀河鉄道９９９の
テーマがながれるのだった。
素直な気持ちで拍手したねこ。想い出のテープやら伏線がきっちりはられた展開、
生な震災の苦しみを、普遍な想いとして銀鉄で昇華させるメタファーの使い方とか
短い時間ながら巧くまとめられてて○。役者は拙い部分も感じさせながらも、懸命
にがんばる好演ぶり。素直に泣き、笑う、瑞々しさ。心洗われる、おやじねこ。破
稿に込められた悲しみがストレートに胸を打つ。たまにはこういうのも○。
演出は奇をてらわず。すなおに彼女たちの演技をひきだしてて好感。神戸弁もなん
か等身大でいい感じ。９９９もはまってたけど、これも会話にあった「ニューシネ
マパラダイス」のテーマ曲を別れのクライマックスで使用。くると思ったけど、決
別のイメージに自然涙腺開放されちゃうねこ。ちょっとあの曲はずるいところで
はあり。
役者。三谷さん。よく動く、無垢な素直さ○。他の舞台もみたくなったねこ。なんと
現役高校生・松本さん。ちと卑怯なキャスティング。それは冗談として、ナチュラル
で堂々、ほ〜ねこ。宇仁さん。素朴なさまも初々しく○。
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