阿佐ヶ谷スパイダース「綺麗」
＠駅前劇場 (1999/10/6-11 8ステージ) 全自由前売り2300 当日2500
作・演出：長塚圭史 照明：千田実（CHIDA OFFICE） 照明操作：阿部由紀子
音響：加藤温 衣裳：岡麻生子、山仲美佳 小道具：青木智美、小林光葉
メイク：関裕子 舞台監督：望月章宏 舞台美術：松浦孝行
舞台装置：池田真紀子、松木美砂子、浅野春奈、花輪佳代、中西竜也、芳賀晶
酋廣奏、大鹿智子、鈴木伸行、黒澤奨平
宣伝美術：松浦孝行 制作：長屋教子、小松桃子
出演：
中山祐一朗[元・iOJO!] ：リョウ
長塚圭史 ：ジュン （リョウの弟）
対馬よう子[東京オレンジ] ：ミチル （リョウの婚約者）
大坪裕美 ：八重 （ジュンの妻）
富岡晃一郎 ：山田 （兄弟らの友人、ストーカーが趣味）
小林愛[HIGHLEG JEJUS] ：篠原 （兄弟友人。兄弟に密かに思われてる）
伊達暁 ：ヤザワ （山田のストーカー相手かすみの恋人）
谷映志 ：管理人 （山小屋の）
成田さほ子[拙者ムニエル] ：電話の声で出演（かすみの友人）
？ ：ハリケーン
1999/10/11(月振休)晴れ 6:10-8:00PM(1'50) 中段より 客席超満員(170？人)
客層：20才代中心、学生っぽい。男女半々。
客入れ：整理券配布時で40人列。間もなく当日券完売、キャンセル待ちのみに。
適時アナウンス、場内もがんばって客入れ。テキパキした制作○。事前の荷物
預かり担当は漫然とうろつくだけで△（声出してね）。折り込みパンフに必要十分
情報。
初見のユニット。早稲田系の劇団関係者が主宰。Ｐ公演形式で上演してるらしい。
舞台。マンションの一室。フローリングの床、白い壁のアーチを描いた収納部分に
たんす、ステレオ。上手にガラス窓つき収納棚に玩具人形とか。後半、一転して
ログハウス室内に転換。
お話。兄の結婚資金を調達がため、弟と友人は空き巣協力。友達がしてるストーカー
相手の女性宅へ。呑気に遊びながら盗み、そこにTEL。どうも件の女性の彼氏は
ヤクザ、合いかぎをもっている、いつ入ってきてもおかしくないらしい。TELで
処分勧告の薬と血まみれ包丁もみつけちゃうし。薬の取引で一儲けしてね、と兄
を残して、みんなさよなら。結局、その男が狂言やくざとわかって形勢逆転。
勝つあげして資金稼ぎをする酷い兄。場面転換、山小屋。兄夫婦の奇妙な結婚儀式
に付き合わされる友人と弟夫婦。なんか怪我人でてるのに、山小屋をでると婚姻の
契りは反古と下山を許さない、怖い兄婚約者。場面は過去と行きつ戻りつ、
フラッシュバック。モザイクが無くなるように見えてくる、兄弟が共に横恋慕する若い
女性・篠原とのダブル三角関係。女性板ばさみで、頭一杯の兄が問題解消のため
篠原を殺した事実。兄の婚約者が麻薬常習者、手段のために殺人も辞さない性格
なこと。物語は、謎の兄夫婦を中心に、ど壺にはまった彼らの死、自殺をもって
おしまい。
むしろ古典なミステリーを、捻らずにいられない設定、演出で彩り。正反対の受け
答えをわざとしたりとか。なに考えてるか？な変な対話。ギャグなんだか？。
場面毎に挿入の無表情ダンス（振り）、擬人ハリケーンの突然登場とか。
そんな奇天烈さがたがが外れている兄夫婦の奇妙さ、異質加減の背景をして
不気味さを醸し。過去と行き来しながら、真相を明らかにする展開がミステリーの
謎解きの面白さあり。全体、間抜けさと怖さ、不条理と日常が同居した、捕らえ
どころがない怪作印象。次回もみたい気になるユニットなり。
役者。まず、女優３人が美人。可愛さ、怖さをどちらも表して○。イノセンス（かな）
な兄役、中山祐一朗。無自覚な悪意所業を、平凡顔で演じてるのが怖し。
［月間一覧］
|