音楽座ミュージカル「メトロに乗って」
＠ル テアトル銀座 (2000/10/21-11/8 24ステージ)
S席11,550円（WEB会員8,400円）A席9,450円（7,350円）Ｂ席7,350円（5,250円）
原作：浅田次郎 脚本・演出：ワームホールプロジェクト 音楽監督：高田浩
作曲：井上ヨシマサ 音楽：船山基紀 編曲：田中詞崇、金子浩介
演出協力：遠藤吉博 歌唱指導：桑原英明 振付：野坂公夫 美術：朝倉摂
照明：笠原俊幸 音響：実吉英一 ヘアメイク：林裕子 舞台監督：北条孝
大道具：俳優座劇場舞台美術部 小道具：高津装飾美術
企画：ヒューマンデザイン 主催・製作：ヒューマンデザインほか
出演：
毬谷友子 ：軽部みち子（衣装商社デザイナー。真次の恋人）
石川禅 ：小沼真次 （衣装商社・中年営業。実父は財界の大立者も長年反目）
伊藤彰 ：アムール（闇市の頭目）
福麻むつ美：お時 （アムールの愛人）
今津朋子 ：小沼貞子（真次の母親）
すまけい ：野平先生（真次らの担当だった教師）
三谷六九 ：岡村 （衣装商社・社長）
佐藤伸行 ：村松千年（小沼家に勤めていた運転手）
渋谷玲子 ：おケイ （お時の仲間）
宮内理恵 ：トラ役ほか
小野佳寿子：おヨウ役ほか
浜崎真美 ：小沼節子（真次の妻）
照井悠也 ：小沼昭一（真次の兄。長男）
西原純 ：小沼圭三（真次の弟。三男）
田澤啓明 ：ハチ公（脱走兵）ほか
五十嵐進 ：老人役ほか 小笠原家光：巡査 近藤佑子 ：少女役
小原和彦 ：バーテンダー他 川島豊 ：亀吉役 清水梨央 ：肉鍋屋の女役
坪井美奈子：パンパン役ほか 中村陽子：アールヌボ−の女役ほか
森藤規子：アールヌボ−の女役ほか 江部珠代 ：アールヌボ−の女役
俵和也 ：真次少年役ほか 橋本久美：闇市の女役ほか
丹宗立峰：予科錬役ほか 萩原弘雄：社員役ほか 安田栄徳：社員役ほか
白澤文晴、千代将太：佐吉少年役
2000/10/21(土)晴れ 6:35-9:25PM(105/休15/65) BOX席より 客席満員(770人)
客層：子供連れ〜初老夫婦までの老若男女。全体年齢層高。
客入れ：当日券。３Ｆ劇場入口で開演1時間前から。Ｓ４枚、Ａ４枚と少なすぎ。
初日のせい？。キャンセルは不明。ホームページで会員登録し、窓口でIDとパス
ワードを提示すると３割引で購入可。直前でも登録してから、劇場に向うべし。
また、前日予約もＨＰでできるので利用した方が○。パンフ。前回同様、1500円
相当のもの全員配布。リピータにはよけいな親切、その分チケット代を引くとか
考えてほしいところ。その他過去パンフも販売中。上手ＢＯＸ席に初めて座った
ねこ。端前方の芝居が多いので、見切れに困り。
音楽座解散後、初の新作。浅田次郎の初期作品をミュージカル化。
舞台。端に緩い斜面、もう一端に階段をもつ半回廊が、廻り舞台上。前後半で分割
したり連らなったりして展開。駅の壁、ガード、歩道となったり、ちゃきちゃきと
配置替え。上空には、看板や鉄橋の骨組みが吊り降ろされて、それぽく。
お話。 地下鉄ストアにある衣料品店の中年営業マン・小沼真次。長年、独裁的な
父親と反目、今は別れて母親、妻子と暮らしている。その父親が危篤の夜、偶然
にも自殺した兄の命日に昭和３９年のその日にタイムスリップしてしまう。父親
との口論のすえ、自殺した兄。なんとかくいとめられないかと考えるも、出会う間
もなく、現実に帰ってしまい、がっかり。不思議な出来事はそれに止まらず、
真次の恋人・みち子も同じ体験を。やがて、真次は父親の真の姿を、みち子は長年
探していた両親を知ることとなるが…。
ドラマティックな物語に市井な慎ましい思いが浮かび、しみじみねこ。廻り舞台を
使い、速いテンポのちゃきちゃき展開。回廊の動きがアナログ時計を思わせたり、
なるほろ。モブやダンスシーンの賑やかさは活気に満ちた時代を追体験させ。
音楽はアレンジ、構成とか凝っててグレードアップ。毬谷の切々、石川の朗々、
福麻のちゃきちゃきと、歌はそれぞれに聞かせて○。ドラマはタイトルロール級の
役者が揃い、確かな好演。と、バランスよく完成度高い舞台と思うねこ。
でも、素朴な味わい、慎ましく美しい歌がすっと沁みてくる感触が以前より少ない
印象。懐かしくも淋しいねこ。
役者。毬谷さん。思慕の念、その強さに時を越える。ファンタジーにリアリティを
与える、切々たる存在感◎。ラストの選択は究極の愛、母性を体現して、哀しくも
素敵。石川さん。親しみの自然体演技○。福麻さん。鉄火なキャラをすっと演じて
心地よし。すまけいさん。人生について語る、その味わいにしみじみとするねこ。
今津さん、佐藤さん。真摯好演。でも、客演の影に隠れたキャラでちょっと淋しい
ねこ。
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