＠下北沢 本多劇場(2005/2/17-3/2 19ステージ)
http://www.honda-geki.com/honda.html
全指定 前売5000円 当日5500円
＠大阪 シアター・ドラマシティ(2005/3/5-6 3ステージ)
＠札幌 道新ホール 3/10-12 4ステージ
＠仙台 電力ホール 3/15 1ステージ
＠名古屋 名古屋市民会館中ホール 3/18 1ステージ
＠福岡 福岡国際会議場メインホール 3/21 1ステージ
＠広島 アステールプラザ大ホール 3/23 1ステージ
作・演出：長塚圭史
舞台美術：加藤ちか 照明：佐藤啓 音響：加藤温、山本能久、内藤勝博
衣装：木村猛志[衣匠也] ヘアメイク：綿貫尚美 特殊メイク：直井雄一
映像：上田大樹[iNSTANT WiFE]、新見文[iNSTANT WiFE]
舞台監督：福澤諭志＋至福団 演出助手：山田美紀
宣伝美術：Coa Graphics（藤枝憲、高橋有紀子、河野舞）
制作：伊藤達哉、岡麻生子
平成16年度文化庁芸術団体人材育成支援事業 第15回下北沢演劇祭参加
主催：（社）日本劇団協議会・創作劇奨励公演、 TOKYO FM
製作：阿佐ヶ谷スパイダース
出演：
吉田鋼太郎[ＡＵＮ] ：山本壱朗（洋館の新家主）
伊勢志摩[大人計画] ：山本愛子（その妻）
小島 聖 ：牧田サヤ（ご近所）
長塚圭史 ：牧田 眞（その夫）
池田鉄洋[猫のホテル]]：朝倉紀行（山本愛子の実弟）
伊達 暁 ：鏡石二等兵
山内圭哉[piper]：平山上等兵
中山祐一朗 ：立花伍長
2005/2/20(日)曇 1:07-3:39PM(2'32) 中段より 客席超満員(380人)
客層：20-30歳代中心、女性6,7割。おじさん、ちらほら。
客入れ：当日券あり、詳細不明。前通路に補助いす、階段に座椅子(グレードアッ
プ!?）。座椅子はほとんど空席。折り込みパンフ。B5 3ページ。配役、たくさん
のスタッフ、役者予定、パンフ内容掲載。次回公演は来年2月。その間PARCOプロ
デュースにて、長塚さん作演出など、いろいろあり。物販。パンフ(B5 110ページ
＝7mm厚 2000円)戯曲収録の力こぶ内容。トランプ1000円。ほかいろいろ。
カーテンコール1回のみ。あと、途中休憩はないので、トイレ関係留意方。
「はたらくおとこ」岸田戯曲賞最終ノミネート、日舞台芸術賞を受賞、トップラン
ナー出演、外部依頼も目白押しの長塚圭史。10ヶ月ぶりの自身Ｐユニット公演。
舞台。ステンドグラスのアーチ窓をもつ、吹き抜け洋館ロビー。正面、二股の階段は
2階戸外バルコニーと上手部屋２つに通じ。踊り場上にアーチ窓、舞台天井近くに
外の屋根と明かり取り窓もみせ。１階正面に大きめの両開きドア。下手壁に戸外の
木立がみえる同アーチ窓が並び。調度はぞんざいにおかれたラタンのベンチ、椅子
、ＴＶ。転じて、上手壁際。椅子と物置のドア、奥側は台所など繋がる設定。
お話。夫の浮気が元で精神を病んでしまった妻は、療養目的の山里の新居でも荒れ
狂う。あけすけな責め言葉、不通ぶりにみもだえる夫。無頓着に訪ねてくる近所の
若い女は、連れ合いのとがめる声にも馬耳東風、狂った女に頼み事をする。
結果、蘇る戦時中なさけな戦死した兵士たち。通わない二組の夫婦、すれ違う男女
、犬死した兵士たち、の絶望の果ての物語。
ガツンとくる、長塚圭史の本気印。戦争と浮気、相異なるものを出会わせる妙技。
理不尽な仕打ちの苦しみと怒り、希求する望みなど共感から、両者を接触。戦争と
人間、国家と国民の悲哀、絶望の中の希望を胸に落ちるものとして、確かに描き出し。
現代の男と戦死した兵士、そして兵士たちの飾らない想いと言葉は、率直で力強く。
また、過去と現在の会話から、今の状況を巧みに浮かばせもし。
見下ろすのでなく、側で友達のように見守る視点も、救いはないとしても、優しい。
なんか諸々、感慨深くもぐっと泣かされちったねこ。
「君が代」の斉唱は舞台で初めてみたかも。信仰となってしまった軍国主義下では、
押しつけられた唄。タイトルに思いめぐらし、鳥肌が立つ思いがするねこ。
正面から戦争をテーマした舞台を、アサスパな世代でみられたことも、意義深いと
思うねこ。
と直球、重量級なんらけど、悪戯に沈ませない笑い(悲喜劇）など配慮あり、親切。
転居夫婦の会話で冒頭からトップギアで一気牽引。あけすけで酷すぎなのがヒステ
リックな笑いを誘い、観客の目覚ましとし。怖くて笑っちゃう特殊メイクと、意志は
強力なのにめちゃ虚弱なゾンビ兵士を中心に、バカ悲しい泣き笑いをちりばめ。
とか。
役者。浮気夫役・吉田鋼太郎。近年の居丈夫演技からすると、異色の等身大中年男
ぶり。元・東京壱組な面が久々みられ。全身情けな感漂い、ラストの泣き笑い顔
とか◎。思われ人兵士役・中山祐一朗。ぽつりと吐く本音台詞に味わい。
けっこういい奴な兵士役・山内圭哉。いつも役作りを感じさせない彼だけど、今回
は、実はいい人ぶりがすっとはまって○。報われない夫役・長塚圭史。しらっと
して壊れていく様が怖し。姉思いの弟役・池田鉄洋。一番地味だというのが驚き。
まじめな兵士役・伊達暁。無表情も感情がにじむ声が○。
愛情一直線な女性役・小島聖。美人が冷たい台詞を放って酷さ千万。そこが痺れる
魅力とＭ男状態ねこ。狂った妻役・伊勢志摩。いつものクールさと違い、ハイテン
ション芝居継続。お疲れさまです。
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