＠下北沢 本多劇場(2012/2/3-12 11ステージ)
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全指定 前売5500円 当日5800円
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作：福田恆存(初演：1952年文学座)
演出： ケラリーノ・サンドロヴィッチ[ナイロン100℃] 美術：中根聡子
舞台監督：榎太郎 照明：宮野和夫 音響：高塩顕 衣裳：三大寺志保美
衣裳助手：山本有子 演出助手：大堀光威 ヘアメィク：大和田一美
制作デスク：大島さつき 制作&プロデューサー：大矢亜由美
宣伝美術：坂本志保 宣伝イラスト：木村タカヒロ
出演：
山崎一 ：家則(精神病医)
広岡由里子：和子(その妻)
赤堀雅秋 ：秀夫(和子の実弟)
大鷹明良： 綱夫(劇作家)
緒川たまき：蘭子(舞台女優)
猪俣三四郎：第一の男(異常心理学会創立準備委員)
佐藤銀平 ：第二の男(同)
田原正治 ：警官
2012/2/4(土)快晴 2:06-4:27PM(79/休17/44)前方中央 客席9割（340人）
客層：20-30才台〜中年層まで幅広く。女性過半数。
客入れ：当日券あり、最後尾付近に空席。折り込み散らしそれなり。
パンフ A4 1枚 挨拶、配役。物販。ポスター 500円。 カーテンコール1回1分。
先月の東京乾電池「ハムレット」訳本に続き、福田恆存の手がかかった作品(戯曲)
をみるねこ。
舞台。テラス直結の広いリビング、寝室をシースルーで配置。リビングはあるじの
仕事部屋も兼ね、下手に机がおかれ。異様なのは天井△に覆う、温室然とした
ガラス天窓。マッピング映像をここと、正面は紗幕スクリーンを降ろして投影。
どんがらがっしゃんな光景を大がかりにみせ。
お話。精神病医の佐田家則の家。精神を病んだ母親と妻、無職のその弟と四人暮らし。
正月の挨拶に訪ねてきたのは劇作家と舞台女優。居候の弟は女優と煮え切らない交際
を続けており、劇作家は妻に気があることを隠さない。女優は家則とどうも訳ありで
そんな風に全員に事情がある。
病気当然、我が強い人ばかりでメロドラマ。面白怖い会話劇。唯一まっとうそうな
家則の周囲は、狂気と正気のタイトロープを歩く人ばかり。彼らの心境変化や
きざしを写す鏡として、山崎一の盤石の演技力が冴え。赤堀雅秋の気持ち悪さも
持ち味発揮。揺れっぱなしの展開にじれじれ、イライラと苦笑いしつつ、精神的屋台
崩しとなってしまう終盤には驚かされ。一寸先は闇、紙一重という言葉が浮かんで、
震撼させられ。こんな過激な作品を文学座よくやったなり。
演出はコントロールしながら、愚かで哀しく、滑稽なさまを引き出し。マッピング
映像の迫力と、不協和音の転換音楽が醸すムードなかなか。
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