＠下北沢 本多劇場(2012/3/16-4/15 36ステージ)
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全指定 前売6500円 ヤング券3800円
＠大阪 シアター・ドラマシティ 4/18-22 7ステージ
作・演出：松尾スズキ 舞台監督:舛田勝敏 照明;佐藤啓 音響:藤田赤目
映像:ムーチョ村松 舞台美術:伊藤雅子 衣裳:戸田京子 ヘアメイク:大和田一美
音楽・歌唱指導:益田トツシュ 演出助手:大堀光威、佐藤涼子
舞台監督助手:武藤晃司、庭野瑛子 照明操作:石井宏之、永井笑莉子
音響操作:水谷雄治 衣裳助手:伊澤潤子、梅田和加子 現場ヘアメイク:綿貫尚美
映像操作:大竹麻莉子 映像助手:石田肇、吉田りえ、手代木梓
映像イラスト:高野華生瑠 歌唱指導助手:TOPPO 英訳:アナンダ・ジェイコブズ、
SAKURA、中井道子 ドイツ語訳：戸村由香 通訳:デイヴィット・ディヒーリ、
アンドリューズ・ウィリアム 宣伝写真:田中亜紀 宣伝美術:山下リサ(niwanoniwa)
宣伝イラスト:しりあがり寿 宣伝衣裳:Chiyo 大道具:CCOM(唐崎修)
小道具製作:SHINKENKEN 衣裳製作:金子道代、窪田由紀 美粧協力:6RICEFORCE
制作助手:河端ナツキ、北條智子、赤堀あつさ、能美山しの 制作:長坂まき子
企画・製作:大人計画、モチロン
出演：
アナンダ・ジェイコブズ：エイドリアン・コーエン(アメリカ人 日本で牛頭を探す)
少路勇介 ：牛頭（ごず）
阿部サダヲ：早乙女太郎(体育教師)、ゲリラ1
田村たがめ：早乙女トメ(太郎の母)
宮藤官九郎：蒲生昭三(タクシー運転手)
荒川良々 ：弁慶(ホストクラブ店長)、ゲッベルス
松尾スズキ：黒田五郎、酋長
池津祥子 ：黒田アカネ(スナックのママ)
宮崎吐夢 ：黒田文治(スナック従業員）、ゲリラ2
村杉蝉之介：バルさん(謎の老人)、弘樹、男、ヒトラー
伊勢志摩 ：ミヤコ（ホストクラブに入り浸る女）、エヴァ
近藤公園 ：朝丸（ホスト）、モノノベ
平岩紙 ：白石恵（女子高生）
菅井菜穂（研究生）：詠美（女子高生 運慶の娘）
皆川猿時 ：運慶(暴力団員)
顔田顔彦 ：ビンチャック・シェットワージャック・コーンチャーワン・ワーガイローン
井上尚（研究生） ：生徒・会田、親衛隊員
矢本悠馬（研究生）：生徒・大麻
青山祥子（研究生） ：生徒・草間
宍戸美和公：梅図幸子(スーパーの副店長)
萬田久子、ケラリーノ・サンドロヴィッチ：ナレーション
2012/3/16（金）晴 7:05-10:04PM（97/休15/67）中段下手 客席超満員（380人）
客層：20-30歳代中心、中年層3割、女性7，8割。
客入れ：当日券 前方通路16席、横通路にはなし。ロビーはお花一杯。女子トイレ待ちは
階段上まで長蛇の列。外へも誘導。開演前に星野源から諸注意の唄。
折り込みチラシ厚め。折り込みパンフ A4 1枚。物販。パンフ B5 111ページ 1500円
インタビューたっぷり。戯曲本1990円。 カーテンコール1回。
「イケニエの人」2004年＠本多劇場 以来のフルキャスト新作公演。猫背椿の休演が
ちと寂しいけど、復活は嬉しいねこ。
舞台。薄く玉虫色のベニヤ壁。引き戸を開けると各部屋、各場面。スクリーンを
兼ねて、ＣＧコラージュとか、和装なナレーターイメージとか投影。
お話。9.11アメリカ同時多発テロに巻き込まれそうになった、アメリカ人女性は
日本人留学生・牛頭に救われ、その後メールでのやり取りを重ねる。ところが、
3.11大震災以降、ぷっつりと音信不通。思いあまって、日本の彼が住む町に訪ねて
くる。そこで出逢った人達は、クズと人でなしばかり。牛頭と出会うこともまま
ならず翻弄、そして流転することになってしまう。牛頭と出逢うことができるのか
そもそも彼は無事でいるのか。
ペラペラで荒涼、不条理な日本、キレイに装う嘘なく、猥雑さでみごとに相対化する
今回。こんな町に住みたくないな、アナーキーで暴力的、またはコンプレックスに
囚われた住民ばかり。荒くれた面白行状も、実に懸命で哀しくなる妙味はいつも
ながら。アメリカ人主役の仕掛けで卑屈さあるいは卑怯さが判りやすく、一層感。
役者は言わずもがなの濃厚キャラ、これが唯一無二の松尾スズキの奇天烈ギャグめき
台詞を思う存分に放つ。もう好きすぎてラブイズブラインド、面白すぎてくらくらと
恍惚状態になるねこ。
物語はとつぜんの飛躍はあっても、今回は全体すっきりとわかりやすい。役者の個々
語りが長めのせいもあって、ゆったりとした流れで見ることができ。松尾スズキの
親切さをいつになく感じるねこ。急転する終盤は駆け足だけど､想像力を信じた体
かな。とはいえ、毒舌の鋭さは変わらず。演劇部を借りての小劇場演劇（ラップ演劇
とか）への苦言には、ほよよねこ。
役者。それぞれの事情にちょい足し設定でより旨く感じさせる今回。概ねビッチ、
すべからく痛く切なく。男子、大人しめ（従来比）。池津祥子様、超女優ぶりが
素敵､延々と放つ演技には既視感（ゲロじゃないよ）。平岩紙さん、アナンダと並ぶ
準主人公でわ、ハングリーで薄ぺらくも、遂には逞しい女ぶりで魅了。
伊勢志摩さん、根拠ない強弁ぶりが素敵。彼女とも顔田顔彦さん、宍戸美和公さんが
いる、大人計画はなんかほっとするねこ。
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