＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場（2012/3/24-26 3ステージ）
http://www.komaba-agora.com/
脚色・演出：：ウォーリー木下［sunday］
ほか、「グレープフルーツ・ムーン」レポート参照
出演：
七味まゆ味［柿喰う客］
石原正一[石原正一ショー]
2012/3/26(月)晴 8:02-9:10PM（67）裏側前方 客席8割（35？人）
客層：20-30才代と中年層。男女半々。単独客多め。
客入れ：四方囲み舞台。正面3列、サイド1列、裏側2列。開場時20人ほど。
カーテンコール1回1分。
石原正一企画、二人芝居シリーズの東京出張版。大阪も囲みだったのかしらん、
会場が小さいからステージも相似形で小さかったとかと。今回は二回りは拡張と
推定。
舞台。緋毛氈の床にはとりどりの帽子。ほか衣裳や鞄など。帽子は役を演じることの
メタファーとして使われ、まさに劇場舞台であることが示され美術。中空にとりどり
の色電球。
お話。ゴドー待ちを潤色。待つことで囚われている2人の物語を拡張。夢想の中、
女を監禁する男、そこでの逆転ＳＭごっこ、さまざま役を演じ=縛られ続ける俳優、
本舞台での石原と七味両人の素のつぶやき、さらに観客の参加など。
体験型で楽しくよくわかるゴドー待ち。不自由な私たちを、自由な趣向で描いて
逆説にうなずけ。さまざまな緊縛ショーケース芝居が展開、さらに観客巻き込みで
手と口をだしてもらうに始まり、装置な「木」となり、影役者として舞台に上げて
演じてもらったり。離れてはゴドー待ちの物語に戻って、また離れてのループも
また緊縛。そんな転調をしながら、テーマが重層するという演劇・小劇場演劇なら
ではの面白さ満載。ラッキーの踊りだけでなく、ダンスめく2人の身体ぶりをちりばめ。
帽子ら衣裳小道具、照明、音楽をカラフルに添えて、ポップさ横溢。演出家・
ウォーリー木下さんの表現能力が冴えわたる舞台となり。
演じる２人は、素（の演技）も含めて楽しめ。とりわけて七味まゆ味さんがミラクル。
くるくるくりんと、幼気な羊飼いから、パンク女王様ポッツォまで演じ分け。
楽しながら真摯に演じているのが感じられて微笑みねこ。石原さんもまた正反対な
役柄を往還、いずれも熱い演技スタイルでして、らしくて○。
[月間一覧］