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＠下北沢 ザ・スズナリ(2012/7/4-9 8ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定 前売・当日共4200円 シードチケット(学生割引)3000円
作・演出：前川麻子 プロデューサー：綿貫凜
美術・袴田長武(八カマ団) 照明:阿部康子 照明操作:三井昭典
音響:原島正治(騨組) 音響操作:大塚重之 衣裳:花田絵美 演出助手:小形知巳
舞台監督助手:鈴木照子 映像:成田生 衣裳製作:アトリエK 宣伝美術:宇野奈津子
パンフデザイン:小早川真澄 制作:井上恵子、岩井加奈
主催:(有)オフィスコットーネ
出演：
伊佐山ひろ子：谷口こずえ(国語教師)
明星真由美 ：柴田今日子(美術教師)
松永玲子[ナイロン100℃]：佐藤恵美子(英語教師)
有薗芳記 ：林タカシ(生物教師)
白井圭太 ：本山広太(物理教師)
十貫寺梅軒 ：柴田雄次(柴田今日子の夫)
2012/7/5(木)晴 7:35-9:00PM(1'25)前方中央 客席ほぼ満員(120人)
客層：中年層過半数の大人客席。男性過半数。
客入れ：桟敷1、椅子平床2、ひな壇8列。誘導随時。折り込みチラシそれなり。
パンフ A4 3ページ。挨拶、「作品のこと」、配役、スタッフ。次回公演。
2013/3 新作 作：大森寿美男 演出：扇田拓也 物販なし。
カーテンコール1回
作演出と役者ともに出自の異なる巧者、というか曲者をそろえ、演劇好きにお楽しみ
な座組公演。
舞台。すっぴんのスズナリにオブジェ装置。客入れ時は人型オブジェが中央起立。
エゴンシーレかと思いました。後方、上手下手に作業台、仕切の天井高さバー列。
下手にはマネキン2体。転じて、上手壁際にお茶コーナー。後方と下手の劇場搬入口を
常時解放。地階の飲み会の声やらまる聞こえという、意地の悪い仕掛けあり。
お話。美貌の美術教師が新任。一目おかれてるお局国語教師が急接近。主宰する先生
達の文芸サロンへ招待。そこで美術教師の不満解消日記を手に入れ、大層気に入った
様子。そんな頃から美術教師の周囲に悪い噂が流れ始まる。先生達の不倫、三角関係
らポルノグラフィなスキャンダルを敷いて、正体不明な国語教師が引き起こすサイコ
ホラーへと…。
件の役者競演がなによりのごちそう。前川さん提供のスキャンダラスで残酷な脚本、
その黒の魅力を増長させて面白いこと。物語は面倒くさい、割り切れない大人の恋愛
沙汰とエゴ横溢。我慢のしどころと、たがが外れていく顛末をＳＭとダブルで
楽しめ。役者には当て書き。染まらず、歪んだ自然体の美術教師役に明星さん。
何を考えているか判らない真顔が怖い、ファムファタール役に伊佐山さん。
ほかも言わずもがな、流すことのないリアクションで面白く。総じて、手玉に
とられて、突き落とされる男優達の惨め顔（特に有園さんとか）が巧すぎて嫌みに
素敵。
アフタートーク 9:08-9:48PM(40)
清水宏、明星真由美、前川麻子
記憶とメモによるので、抜け多数、不正確なことをお断りします。
前川 （失礼しますとタバコに火をつけて）清水さん紹介。
清水 ショックだったのは丁寧に誘ってきた有園が、トークを聞かずに飲みにいって
しまったこと。（クールだよね）
清水（男には解りにくい芝居だったかも）男には痛い芝居、もう泣き笑い。
仕方がないなりになんとなくおかれている気がする（大人の芝居）。
清水（明星さんは後輩）劇研時だから後輩という気がしなくて、さん付け。
インプロで互いの演技を巡って、対立した話をしばらく（明星さんが清水さんへ、
インプロ(演劇）へカタルシスをもとめているのかと切りつけた。受けた清水さんが
またキレた話。次の舞台で明星さんを汚してやると望んだが、察した演出が直接対決
を避けさせたとか）。男が自分の居場所をみつけようとするそんな芝居だった。
白井さんのような現代的な芝居は自分はできないなあ。（伊佐山さんに横恋慕して、
三行半を突きつけられる役）有園さん演じる男が巧い、役者としての有園さんは
尊敬する。
明星（よくトークにでてくれた。松永さんは終演後はでたくないと言っていたし。）
トークで何をいっていいかわからない。清水さんとの喧嘩話のことについて。
清水 負けるしかないというテーマでしょ。映画でみているのを、タイトルは忘れた
が思い出した。
前川 （当て書きをしてるのか）伊佐山さんに気に入ってくれた。でも、当て書き
だといったら、私はあんなじゃないという（清水 面倒くさい女だなあ。でもそんな
面倒なところが好きなんでしょ。）
清水 愚かさを吐露する動きをさせている。スズナリを裸で使う。（下手の搬入口は
常時開放）外で酔っぱらいの声が筒抜けで耳に入ってくる。娯楽としての演劇の
無力感を感じた。小さな聞こえない声とか、高度な演劇をやっている。
前川 人知れず高級なことをやっている。床は裸で（立ち位置を示す）蓄光を貼って
いない。有園さんはそれでも完璧な芝居をやる。立ち位置とか演出を変えると
口うるさくて細やかで、いらだってやっていた。
清水 オープニングで急に始まって、白井さんがなにげなく入ってくる。その後、
（展示物をそれぞれみる）芝居をしない場面になるが、あそこは役者の力量が
問われれるので、恐ろしい。明星さんはシンプルで美しかった。
（ここで、コルセット予告編をやってと突然のリクエストに応えて、清水宏・
即興一人芝居「コルセット予告編」。
明星 （最後の場面でセックスが好きとか言い放って、どうでもいいやと引っ込むが
どういう気持ちで演じているのか）言葉の意味と距離感を考えて、どーこーするか
とか話。
前川 （役者がみんなできるから）あれやってこれやっての演出はいらない。
立ち位置はこう、重心をどっちにかけるかだけ。シチュエーションをつくると、
あとは役者がつくってできてしまう。声のトーンのことは女優には言っていた。
清水 面白い楽器をそろえて、弾き手がいい感じ。
前川 （清水 演劇は好きですか）演劇は好きではない、演劇をしている役者が
好き。
清水 自分は演劇が好き。演劇の武器をつかっているなと。こそこそ話をしている
男を椅子に座って追いかけて聞き耳を立てる場面とか、あれこれ事例。
前川 面白いと思っていないと提供できない。役者が好き、役者がみせたい。
動物園の珍獣をみせたい。あと、格好悪いのが嫌。蓄光もいらないとやめた。
お客さんにやっている役者が一番面白そうだといわれて、がっかりした。
明星 演劇は好きではない、観に行かないし。（難しい場面）冒頭でチクチク嫌みを
いう場面。私の生理にない言葉ばかりなので大変。
清水 最後の最後に、伊佐山さんが有園さんへ、愛なんていらないとかいう場面。
あそこで大笑いしてるお客さんがいた。もうあれこれもやもや理不尽なことが積もり
積もった末にあれかよと、笑いでリリースしたんでしょう。自分もそういうところが
ある。酷い話ですね。
前川 大抵のお客さんはぽかーんとしちゃう。中に勘違いして泣く人がいる。
明星さんはあだ名で呼ばれることがあるのか、でもさん付けだよねとか、話が戻る。
質問もなく、おしまい。
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