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 シアターコクーン・オンレパートリー2013+阿佐ヶ谷スパイダース
 「あかいくらやみ 〜天狗党幻譚〜」

 @渋谷 Bunkamura シアターコクーン(2013/05/05-26 26ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
 全指定 S9000円 A7000円 コクーンシート3500円
  @大阪 森ノ宮ピロティホール 5/30-6/2 6ステージ

 原作:山田風太郎「魔群の通過」 作・演出:長塚圭史[阿佐ヶ谷スパイダース]
 美術:二村周作 照明:小川幾雄 人物デザイン監修:柘植伊佐夫
 音響:加藤温 劇中歌作曲:荻野清子 殺陣:川原正嗣 振付:関かおり
 衣裳進行:畑久美子 衣裳製作:東宝コスチューム 竹林正人
 ヘアメイク:須田理恵(NU YARD) かつら:奥松かつら 特殊造形:石野大雅
 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 チーフ・プロデューサー:加藤真規
 プロデューサー:伊藤達哉 宣伝美術:Coa Graphics
 登場人物及び配役(台本順)
 小栗旬  :大一郎
 原田夏希 :奈生子(お登世(市川の娘)/おうめ/篠島の妻)

 古舘寛治[青年団/サンプル]:葛河梨池(作家)(市川三左衛門(討伐側・諸生党 ))
 長塚圭史 :野口(編集者)

 小日向文世:老人、実ハ、武田金次郎(天狗党 さいみ党)
 白石加代子:老婆、実ハ、おゆん(田沼の妾)

 中村まこと[猫のホテル]:武田耕雲斎(天狗党 金次郎の祖父)
 小野武彦 [文学座]:山国兵部(天狗党)
 駒木根隆介[劇団赤堤ビンケ]:田丸稲之衛門(天狗党)
 小松和重[サモアリナンズ]:藤田小四郎(天狗党)
 武田浩二 :武田彦右衛門(金次郎の父)
 福田転球[転球劇場]:全海入道(天狗党)
 木下あかり:野村丑之助(天狗党)
 後藤海春 :おゆんの土人形

 中山祐一朗[阿佐ヶ谷スパイダース]:田中愿蔵(天狗党 過激派)
 横田栄司[文学座]:田中平八(天狗党)

 伊達暁[阿佐ヶ谷スパイダース]:内藤弥三郎(天狗党 さいみ党)
 後田真欧[文学座]:篠島左太郎(討伐側・諸生党 )

 大鷹明良 :田沼玄蕃頭(討伐側・幕府役人)

 斉藤直樹 :天狗
 六本木康弘:天狗

 2013/05/08(水)晴 7:05-9:31PM(2'23)2F下手 客席ほぼ満員(740人)
 客層:20-30才代女性9割超、男性は中年多し。
 客入れ:当日券詳細不明。立ち見は6人。折り込みチラシそれなり。パンフ A4 1枚
 配役、スタッフ。物販。パンフ A4横 51ページ 1800円。三分割座談会。横尾忠則との
 対談収録。休憩なし。 カーテンコール2回2分。

 舞台。中央に二重の円形ステージ。左右と後方から桟橋がかかり、それぞれサブ
 ステージに接続。演技は円形ステージ下外周を含め。今と過去、生者と死者らの
 居場所と越境をそれぞれの位置で表し。

 お話。幕末の水戸天狗党の乱による。尊皇攘夷派と佐幕派の対立激しい水戸藩で
 内線勃発。旗頭を失った攘夷派は賊軍の汚名着せられ、追いつめられる。
 南無三宝と旧主君の弟・橋慶喜へ本分を伝えんと京へ隠密旅。苦難の果てにしかし
 幕府軍に捉えられ、生き地獄の沙汰。舞台はその後官軍に転じた天狗党の復讐劇から
 幕を開ける。

 維新の内戦、太平洋戦争、現在のプチ・ナショナリズムも射程に、義の妄念に
 とりつかれた国家・国民の悲劇を重ね描く。がつんと重量級のテーマを、時空を
 越えた、入れ子構造の「追想劇」で演出。重いわ、込み入っているわだけど、
 小劇場演劇好きには逆に面白い、わかりやすいものとなり。寝物語の周囲客のなか、
 にやにやと眺めるねこ。記憶の物語として、都合よくつくられた妄念だから
 いいねんな破天荒さ。破れながらも、変えられない過去、運命への諦観、その
 繰り返しが哀しくも沁み。いい味だしてます、おでんで熱燗な夕べするねこ。
 ネタ…じゃなく、役者は地味も豪華。白石加代子の(言葉の)操り手としての魔力も
 堪能するねこ。

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