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＠下北沢 シアター711(2022/03/11-21 14ステージ)
全指定 一般4500円 シード(U25歳)3000円
作:大竹野正典[くじら企画] 演出:松本祐子[文学座] プロデューサー:綿貫 凜
美術:袴田長武+鴉屋 照明:上川真由美 音響:原島正治(囃組) 衣裳:竹内陽子
舞台監督:西廣 奏 演出助手:日沖和嘉子 宣伝美術：郡司龍彦 Web製作：木村友彦
制作:河本三咲 制作協力:J-Stage Navi 制作デスク:津吹由美子
主催：（有）オフィスコットーネ
出演：
池下重大：男
深澤嵐：少年
小野健太郎[Studio Life]：ガードマン
本間剛：タクシー運転手1
吉田テツタ：タクシー運転手2
辻親八：夜警
清水直子[劇団俳優座]：女1
水野あや：女2
2022/03/21(月祝)晴 2:03-4:11PM(1'33/32）前方下手 客席満員(80人)
客層：大人より2世代、男女半々。
客入れ：感染対策。検温、手指消毒、セルフもぎり。当日パンフ A4 5ページ。
物販。戯曲本、関連書籍。カーテンコール2回後、アナザーストーリー母編、姉編を
上演。規制退場あり。
2002年くじら企画初演、2005年再演。実在の連続殺人犯・永山則夫の物語。
舞台。床、上手手前から下手に斜に枝状白線。正面壁下に4本の平行白線。
底上げの舞台の下手傾斜路、上手袖から役者は忽然と出捌け。下手手前に
ローテーブル1。
お話。貧困、差別から脱しようともがきながら、孤独のまま帰る場所なく彷徨う
少年が手にしたピストル。彼は初めて友を得た思いを抱くのだった。死刑執行の
前夜、彼と犠牲者達の会話から起こす、怒りに満ちた無知で孤独な少年の追想劇。
研ぎ澄まされた演出、劇画タッチの絵面でキリキリと描く。いつも夜なほの暗い
照明、影と闇は少年の心を映すかのよう。大竹野正典作品の持ち味、はまる音楽
使いは 小室等「雨が空から降れば」のみ。Ｇ線上のアリア等クラシック曲はカット
されたのが残念。役者陣のハードボイルドな演技で演出に応え、もう少しゆるさや
臭味があってもと思うほど。
アナザーストーリー「母編」1971年逮捕から2年後。訪ねた記者の取材に答える母親。
ろくでなしの夫への憎悪が息子則夫と重なり。冷たくしたたかも弱々しいありさまが
とても人間的。「姉編」1952年長女は大学生と恋愛真っ最中。ろくでなしの父親の
強奪行為、自身の妊娠、堕胎で心を病んでしまう。幸福と悲劇、切なく痛ましい。