弘前劇場「夏の匂い」
＠下北沢 ザ･スズナリ （1998/7/31-8/2 4ステージ) 全自由前売り2800当日3000
作・演出：長谷川孝治 照明：岩城保 美術：三浦孝治
出演：福士賢治、後藤伸也、森内美由紀、畑澤聖悟、高橋聡子、山田竜大、
佐藤誠、藤本一喜、永井浩仁、杉原文子、長谷川等、佐藤てるみ
1998/8/1(日)梅雨明け夏空 3:05-4:40PM 最前列より 客席満員(150人)
客席。老若男女。中年齢層がやや多し。
周辺。青年団の方々が制作お手伝い。当日券は、開演30分前から整理番号順に発売
今回は30人ほどか。列ばせた上でやや遅れた発券△。台本発売あり。買い忘れた△
ねこ。
穏やかさにのぞく修羅な深淵。群像とわいえ、核が？。手応えもひとつねこ。
津軽弁の高速、高密度会話と丁々発止な存在感ありありの役者。賑やかに知的に今
の世界を描く弘前劇場。'94年「秋の隣」リメイク作。元作品は未見ねこ。この後、
３都市ツアーの最終、初？の大阪公演(8/7-9＠AI･HALL）あり。
ベット３、前側テーブルに椅子２の病室。プレハブ？。上手の廊下ベニヤ板張り。
病室壁は黒色ベニヤに曇った鏡板を固定、上方をキャンバス布でぐるり。弔事の幕
みたい。とすると、部屋に接する下手口が闇、上手口が明なんは、過去と未来、死
と生メタファー？とか勘ぐりねこ。
古参の入院患者・秋山（後藤）の病室に、元気はつらつの同級生・大野（畑澤）が
入院。大野は寂しがり屋か、なんでも記憶する特技あり。がなんかかまってもらえ
ない。すぐ行方不明になるおじさん患者・高木（長谷川）を妻（佐藤）は探すも×
職業不明の一丁田（福士）と一局碁を打ったりなど時間つぶし。とか何にもなさそ
な午後に、何でもなげな人達の土砂降りな気持ちがのぞいてく。
楽しい無駄話、ほほえみと気の良さをもったやり取り。取り繕いあるいは癒しのた
めのよなお約束の中、かいま見せる一瞬の修羅。死をも決意させるほどの遺恨、ど
うしようもない目前の死、負けられない定め・・。生きたままの死と文字通りの死
絶壁に近づきながら生きる逞しさと凄み、あるいは弱さ。とかいろいろ感慨にみて
たねこ。それらを体現する役者はさすが。野生と知性の共存、畑澤さん。憤りのほ
どをドラムスティックにこめる〜（夕立）〜ベットで放心(?)のダイナミックレン
ジのひろさはシーン演出共◎。福士さん、後藤さんはいわずとも◎。特に後藤さん
の怪演が印象にのこったねこ。あと、佐藤さんのいたずらな強気な目も印象的。
と水準は高なれど、弘前劇場としては△つうか手応えが？ねこ。主人公らしい秋山
の心象は賑やかさの影に隠れ、むしろ妻（森内）を通して伺えたり。他の登場人物
も上記の凄みはあれど、表向きはほとんど淡々としてつかみどころないし。なんか
全体の核がもひとつ見えない印象。トーンもちと沈み気味。いっそ、めちゃに遊ん
でくれた方が○じゃ、とか思ったねこ。
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