ピナ･パウシュ芸術監督就任25周年特別企画
ピナ･バウシュ＆ヴッパタール舞踊団 「ダンソン」 全１募
＠与野本町・彩の国さいたま芸術劇場大ホール (1999/6/10-13 4ステージ）
全指定 S15000 A12000 B9000
演出・振付：ピナ･バウシュ 美術：ベーター・パブスト
衣裳：マリオン・スィトー 音楽協力：マティアス・フルケルト
出演ほか下記：
1999/6/12(土)晴れ 3:08-4:55PM(1'47) １Ｆ後方より 客席ほぼ満員(700人)
客層：20-30才代男女と中年男女。女性過半数。
客入れ：前売り完売。当日券なし。キャンセル放出のみ。販売時で１０枚ほど（両
脇側席）A,B席キャンセルはなし。販売時で丁度人数程度の待ち数、楽チンでとれた
ねこ。この後の発券状況は不明。パンフ(1500)。厚い、写真と文章一杯でお得。
30年ほど前ピナのポスター三種販売。
４プロもあったのに、やっとこ最後にみられたねこ。ピナ自身が踊る、で注目の
最終プロ。1995年5月初演作。ねこは「カフェミューラー」('86＠国立劇場)以来見る
ピナソロなり（おぼろにしか憶えてないんですけど・・）。
舞台。広い素舞台。後方の壁や中頃に降ろしたスクリーンに桜、森、岩肌やら風景
を投影。幕内に裸体の男女を透かし見せたり、自然の中を演出したり。上方にキャ
ットウォーク。あとはバスタブ、椅子、干し草、土くれ、客席から老婆とあれこれ。
囚われのない自在な表現がすばらしい。次はなにがくるかとわくわくねこ。自然
（映像や土など）との戯れ（追いかけっこ、キャンプ）、快楽にある人々にちゃちゃを
いれる悪戯おやじな赤ん坊、調和ダンスにいびきノイズ男、オレンジでキスの練習、
耳ぴく男、座ってライターを消す椅子ダンス、女性を寝かせて反復運動で蹂躙、
悲鳴が上がる絶望ダンス、伏した男性が女性を仰ぎ見る、隷属？椅子ダンス、
きっちり踊るダンサーに「物覚えがいい」とシニカルコメント、「なんだってやってや
る」と息巻くお姉さん、小話二題など。いつ「ダンス」が始まるのかと思うほど、
多彩な表現てんこもり。服に頭を入れて巨乳！とか、正装男の足指ダンス？とか、
お馬鹿なのも沢山。笑っちゃうねこ、前半とくに。
登場キャラは徹頭徹尾一貫。舞台世界で生きてて、ただのありげな記号ではなし。
それぞれのありよう、係わり合いに興味津々な面白さあり。無邪気な悪意を発する
赤ん坊など毒のちりばめも、どこかしら笑い忘れず、嫌味をなくす匠の技あり。
自由な表現には舞台で行われることへの醒めた視点、と共に遊び心、愛情みたいな
暖かさ感じたねこ。通過した者がもつ達悦というか。
ラスト近くにピナソロ。大きな背景一面に美しい「熱帯魚」動画。手を中心にした黒衣
のピナ。哀切なファドに乗るその優美さに、ほへーと見ほれるねこ。その微妙な
ひんやりした感触が心地よくも感じられたりして。
出演：ルース・アマランチ、アンドレイ・ベレツイン、ラファエル・ドゥロネ、
メヒティルド・グロスマン、パルバラ・ハンベル、タフニス・コッキノス、
マリジア・マジピント、ドミニク・メルシー、ヤン・ミナリク、
クリスティァーナ・モルガンティ、アイダ・ヴァイニエリ、フェルナンド・スエルス
音楽：フランチェスコ・テレア、ウンベルトジョルダーノ、グスタフ・マーラーの
歌曲。ヘンリー・バーセル、サン・サーンスの作品。メキシコ、アルゼンチン、
ギリシャ、ポルトガルのポピュラー・ソング。ペン・ウェブスター、
ジョニー・ホッジスによるジャズ、アメリカ、日本のポピュラー音楽
［月間一覧］
|