原サチコ･ソロプロジェクトVol.2「鳥と人形〜私が愛に濡れるとき」
＠渋谷 ギャラリー ル・デコ (1999/12/21-30 10ステージ)
全自由前売り2800 当日3000
・Ｐerformance
Perfomer：原サチコ 音楽：池上英樹 照明：相川正明、永野貴成 衣装：渡邊昌子
人形制作：清水真理
・Gallery Cafe
空間美術：宮田和 写真:志賀伸子 映像:清水真理 カフェガール：サノトモ、
古川まり、星野ロカ、シノ 宣伝美術:廣瀬良二[Out Of Style］
1999/12/28(火)晴れ 8:10-9:10PM(1'00) 下手より 客席ほぼ満員(45人）
客層：老若男女。10代からご老人まで。ファッションや造作もとりどり。
客入れ：２Ｆのギャラリーに集合。整理番号５番毎にエレベーターで５Ｆの会場。
会場にロビーがないための配慮。荷物預かりがあったか不明。パンフ。スタッフ
クレジットと簡単な挨拶文のみ。座席。コンクリート床に小座布団の桟敷が20ほど。
後方、壁際にパイプ椅子15ほど。上手にソファセットあれど、柱で見切れがあると
制作の断り。終演後、出演者と歓談する場あり。ほとんどの人は残ったみたいね
（ねこは帰宅）。
活動停止中のロマンチカ、原サチコ。昨年に続くソロ公演。
会場。真っ黒壁の隠れ家雰囲気。客席側の壁に原さんの白黒ポートレート大小。
目アップや裸身の一部、顔写真とか。下手壁のは、鳥が羽を広げた格好で、赤い糸
を写真上に張って配置。ぼんぼり型天井ライト。カラスの羽根で覆ったような、
もさもさのも吊り下げ。もさもさはパイプ椅子のクッション替わりにも使用。
舞台。客席と地続きでオープン空間（８畳ほど）。中央、低く大きめの丸テーブル。
隣に水を張ったたらい、その脇に天井から赤い紐。上手壁際にマリンバ。
進行。光沢ある赤銅色のドレス、胸元を紐で編んだので原サチコ登場、花火を
掲げて。床と壁を引っかいたり、体当たりしたり、激しい動き。客の手をとり見下し、
またまたがり、テーブルに上がって眺め渡す、と落ちつかない。たらいに排泄？して、
太股を露に、しかし誰にみせるでもなく。やにわに（柱に掛けたゴム輪に体を
くぐらせ、前進しては引っ張り戻される）逃れようとするかのようなじたばた。
床に倒れ伏し、無防備な格好。羽根なしミニ扇風機を床に置き、じーじーと
蠢めかす。テーブルに仰向け、痙攣。両生類のような顔と動き〜挑発するような
大股びらき。しわくちゃ顔のロングコートを羽織った人形を片手にほおずり。突然
悲鳴をあげ、人形のマントを取り去ったちび人形を投げつけ、蹴り飛ばし。首に紐を
掛け吊た後、水をたっぷりと顔に。テーブルに立ち、頭から水をかぶり。床でじた
ばたともがき、テーブルに水を塗り、体押しつけ、濡れねずみ。放心。
原サチコの動きに即興で音楽。マリンバほか、床や壁までパーカッションとして、
種々の音を提供。
囚われ、明るくはなさそうな未来の無限地獄。人形は女性の子供＝愛？、ずぶぬれ
は出産場面（赤銅色ドレスは、濡れると乾いた血の色）。それを回顧の逆廻し展開
ともとれたねこ。どうかしらね。体を張った演技とパーカッシブな音楽は緊迫感
高め。テーブル、人形、引っかけゴムなどを趣向が興味を繋ぐ。内省と恐怖感に
終始するので、中盤やや単調な感じあり。でも、高慢で脆弱、エロで清廉、美しく
時に醜い、原サチコのアンビバレントな魅力がそこここに。好奇心尽きず、雰囲気
してる美術とともに楽しめたねこ。
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