＠下北沢 下北沢「劇」小劇場(2009/1/14-18 8ステージ)
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全自由 前売当日3500円 ハイリンド賛助会員2500円 平日マチネ 前売当日3000円
作：シャロン・ポーロック 翻訳：吉原豊司 演出：藤本剛
舞台監督：井関景太[るうと工房] 照明：石島奈津子[東京舞台照明]
音響：高橋秀雄[SoundCube] 舞台美術：向井登子 衣裳：山本亜季
宣伝美術：西山昭彦 スチール：夏生かれん 撮影ヘアメイク：田沢麻利子
制作：石川はるか http://www.hylind.net/
出演：
はざまみゆき ：ミス・リッヅィー・ボーデン（ボールデン家次女）
枝元萌 ：女優（リッヅィーを演じる）
池田ヒトシ ：アンドリュー・ボーデン （父親）
松永麻里[The 30's]：アビゲイル・ボーデン （継母）
江間直子[無名塾] ：エンマ・ボーデン （長女）
伊原農 ：ハリー・ウィンゲート （アビゲイル弟）
多根周作 ：ドクター・パトリック、弁護士
2009/01/16(金)晴 7:40-9:28PM(1'48)下手中段 客席超満員(80人)
客層：年齢層高めに幅広く、男女半々。
客入れ：整理番号なし？。ベンチ１ひな壇に椅子4、ベンチ1。1階満員につき、2階
客席も使用。中途に通路無く、退場が難しいのでトイレなど留意。足下が寒いことは
なし。装置は上手よりだけど、全体を使うので下手客席でも大丈夫。後方で見た方が
見易し。折り込みチラシそれなり。アンケートは鉛筆と下敷き付。
パンフ。B5 4ページ。配役、スタッフ、挨拶、次回公演 11/18-23 中野成樹演出
＠赤坂RED/THEATER 物販。パンフ A5 10ページ 300円。作品背景など詳細掲載。
トートバック1500円。公演DVD。カーテンコール1回。
作品毎に演出、客演を変え、高水準の舞台を提供、定評があるハイリンド。ねこ初見。
舞台。中央にブラウンの木製テーブルと椅子４、簡素なシャンデリア。上手に2階へ
の階段、両袖の紗幕越しに待機役者用の椅子を置き。下手端に鶏小屋、ミニチュアの
椅子がいくつか吊られ。
お話。19世紀アメリカの殺人事件をもとにした舞台。一家の主とその後妻が惨殺され
た。一家には家族や農場の相続を巡って、争いが絶えなかった。当日、家にいた次女
に容疑がかかるが確たる証拠はなく、無罪。それから十数年後。女優は友である次女
に事件の謎を問いかける。これに次女は彼女自身を演じさせ、当時を追想するゲーム
を提案する。
緊密な演技の交感、重層する劇的なしかけの巧み。芝居好きにはごちそうな一幕。
一糸乱れず、緊迫感を保ちながら駈け抜けて見事。明晰な台詞回しに、細やかな目線
や仕草で言葉にならない情感を綿密に折り込み。役者芝居を存分に楽しませてくれ。
演出は演劇的もわかりやすく。お茶を飲むなど日常ぶりがマイム、効果音まで加える
凝り性。前半、待機の役者を紗幕ごしに見せて、一切が芝居であることを明喩。籠の
鳥が椅子＝家に縛られている主人公自身を暗喩。時空の切り替えを鮮やかな演技と
明暗照明で切り替え、など。
多義、重層もわかりやすく、意味深にあれこれ。「血」は愛憎の両面、束縛でもあり
、自律を支えるものでもあること。せめぎ合いに悶絶する主人公によく現れ。
「殺人者」は誰でも成りうること。「わたし」が女優によって演じられることや、
幕切れに姉を通した客席への呼びかけなどで、刺激的に仕掛けられ。虚実が交錯する
不明、謎めきを含めて、興味深くみるねこ。まるでガラス細工のようにかちっと造られて
て見事だけど、そこらに好き嫌いはあるかも。
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