＠横浜 神奈川芸術劇場・大スタジオ（2015/5/21-30 10ステージ）
http://www.kaat.jp/
全自由 早割一般3000円学生2500円当日3500円 一般3500円学生3000円当日3800円
高校生以下 無料 リピーター1500円
作：多田淳之介[東京デスロック] 演出：岩井秀人[ハイバイ]
プロデュース：北川陽子 舞台監督：河内崇 照明：中山奈美 音響：高橋真衣
音響オペレーション：櫻内憧海 舞台美術：佐々木文美 衣装：藤谷香子
振付：野上絹代 記録：加藤和也 宣伝イラスト：久保ミツロウ
宣伝美術：廣岡孝弥 制作：河村美帆香 小原光洋 主催：快快
提携：KAAT神奈川芸術劇場
出演：
大道寺梨乃、野上絹代、山崎皓司（以上、FAIFAI）
天野史朗、後藤剛範[国分寺大人倶楽部]、テンテンコ（ex.BiS）、中林舞
2015/5/25(月)晴 7:36-9:09PM(1'32)中段前方 客席満員(180人）
客層：学生、20−30才代中心に中年層も結構。女性7，8割。
客入れ:三方囲み、スタジアム客席。正面6，サイド4列。やや引いた方が見易し。
折り込みチラシ厚め。パンフ A4 3ページ。物販。劇団、出演者関連。
カーテンコール2回1分。2回目で中林さん居らず(翌日降板発表）
多田淳之介の傑作・異色戯曲を好きにして上演。
舞台。内と外、日常と儀礼が同居した不思議素敵装置。下手に果樹ミックスの立木。
手前に二人掛け焦げ茶ソファ。ど真ん中に岩石。上手にシースルー棚。中央後方に
大きな縄のれん状のしきり。植物が絡んでます。その左右にすごく高く階段状書架。
マンガから小説、ムックまでいろいろと主張。
構成。コスプレした若者たちがダンスパーティ。女性崇拝、疎外とか関係性が兆す
けど、基本踊りまくり。これを原作通り、再生（そっくりリピート）する。ラストは
みてのお楽しみ。
恐ろしい演劇も装い経由人となり帰着して、「素」「晴らしい」。まっこと天晴れ
な、今まで観た内で最高の成果と思うねこ。美術、衣装、そして音楽のとりどり
ぶっこみ感◎。鍛えられた身体と自由な感性をもつパフォーマー達の恐れを知らない
子供のような舞台。まずは興味津々と、ついで心身に沸き立つものがある高揚感が
なんともいい。原作は演劇そのもの＝精密な繰り返しだけど、これによく応える
だけでなく、パフォーマの個性が否応なくたち現れるのが同文。久々にリピート
したいと思った舞台なり。
パフォーマ。初舞台という、テンテンコ女子がそまず、キュートにたち振る舞って
◎。皆、限界まで追い詰められてなお（こそ）キラキラと輝いてて、花束をあげたい
ねこ。
アフタートーク 9:16−9:44PM（28）
九龍ジョー（ライター、編集者）、岩井秀人、北川陽子
九龍 無茶面白い、叫びたい。二週目からこみ上げる。昔から思っているが、快快は
ギャートルズに似ている。毎回朝〜と言う。再生のオリジナルはゾンビ化していくが
、山崎のボディペイントが剥がれていくとか、人間になっていくなと。
演劇は普通誰かを演じるものだけど、快快の俳優は最近巧くなっているけど、
繰り返していくと私はここにいる！！と現れて矛盾している。誰にでも成れるのに
私に引っ張られる。
岩井 初演は部屋にちゃぶ台があって、呑んで歌って盛り上がって、三周目で薬を
飲んで吐血して死ぬ。繰り返しが物語になっているのを無くす、素になっていくのが
、命そのものが成った方がいい。
九龍 快快のこれまでが結晶化したものに見えた。
岩井 メンバーに1周目の最初をつくりたまえといったらできなくて、快快なら
できるだろうとと思っていたのが、意外なことでできなかった。演出は多田さんが
やったので。僕なら美術はこうはならない。僕じゃないので良かった。
（本や小道具のことにふれて）話すことが広すぎて、この人達はいつまとめている
のかという。
九龍 深夜パーティの午前3時過ぎにテキーラ飲んでる感がでてた。芝浜のじゃない、
パーティの夢なのだとリアルな現実感がよくでていた。
岩井 快快は阿修羅（だっけ？）をつっこんだ時の方が評価が高いよね。
九龍 演出家多田の発明の数々がすごいという話。
岩井 多田さんはエクセルで書いていると思う、台本ではないキューシート。
僕なりにキューシートはつくった、イベントの大小をどう描くか決めるため。
九龍 てんてんこさんがかつての快快感をよくだしていた。
北川 快快は皆年を取ったが今がベストという話。今回はみな故障がある話。
岩井（黒くてごつい男性）プロレス体型でもともとああいう芝居をする人です。
小さな女の子がロボットのように後ろで動かしているよな。
質問コーナー
Ｑ１もう一回やったら本物。
九龍 残酷。
岩井 初演を徳○京子さんが観たとき同じことをいった、でも彼女は遅刻してて、
最初の1回分みていないんだよね。
九龍 自分のためにと、すごいね。
Ｑ２選曲は。
もちよりです。多田さんもそうだけど、いろんなジャンルが入っている。
Ｑ３ 3回目の最後に暗転するのはなぜ？。
わからない？。最初は音楽より、後はどんどん剥がしていって、俳優の体に興味が
いくように。暗転の中ブレスだけが聞こえるのはそのため。
Ｑ４てんてんこさんがまったく同じ方向にお皿を投げるので驚いた。
岩井 訓練してるから。ちゃんとやっているか、よく観てるお客さんですね。
Ｑ５再生の意味。
岩井 初演は意味のある文字だな位でみていたが、多田さんはちゃんと「リバース」
と添えていた。すげえなと。今回多田さんは観にきていない。Twitterに凄いことに
なっていると書き込んでるだけ。びびっているようだ。
北川 辞書で「再生」と引けば全部の意味が入っている。
九龍 人は疲れていくけど音楽は劣化しない。でも、ロボットのようについていって
いた。
岩井 明日からついていかれないようにしたい。
Ｑ６てんてんこさんがいい。
岩井 これが初舞台というのは酷いけど、むしろ彼女らしいともいえる。
Ｑ７自分が出演したくなった。
岩井 やりたくないでしょ。気持ちはわかるが。本棚の脇の隙間でずっと死んでいる
役とかならやってみたい。
Ｑ８ ３周目で音が止むのは。
息づかいとか、人のいる気配とかに意識が行くようにするため。１周目でしだいに
音を引いてゆく演出を試したが、これはダメだった。
Ｑ９危ないことは。
バナナの皮を床に落とすと滑って危ないし、それよりネタになってしまってキケン。
体は観てもらいたいのに、バナナの皮に集中してしまう。プリンを昨日落としてた
ので厳しく注意した。ともかくやったことは繰り返すことにしているので、
落としたら繰り返さないといけない。
Ｑ１０ブランコは。
岩井 快快はなんでもつっこんでくる。ブランコはよかった。正面でセクシャルなシーンも
すごくいい。俺はなにも言っていないし、本能的にやっていて凄い選択をしている。
営みにみえてくる。観た人がいろいろな見方をしている。
九龍 １周目は意味を見つけようとするが、人を見るようになる。
岩井 俳優として虚しいけど、でも人ってそう生きているしと思わされる。
九龍 ピュアな快快的なものをつくるとは…。どんな演出をしたのか。
岩井 放置したんですよ。メンバーがラインでやり取りをしていて、とんでもない
美術家の提案を誰も止めない。皆でいいねといっている。僕の劇団なら直ぐ止め
させる。
九龍 儀式ですよ一個の。
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