こまつ座「雨」
＠紀伊國屋ホール (1996/9/5-17 15ステージ) 全指定席4120
作：井上ひさし 演出：木村光一
出演：辻萬長、三田和代、たかお鷹、風間舞子、溝口舜亮、山崎清介
他
1996/9/7(土)小雨 1:30-4:50PM（休憩15） 前方より 客席超満員(440人)
客層：壮年率６割位 おじさん多め。あとは20〜30才代おねえさんかな。
客入：こまつ座のはっぴ姿ではきはき。当日券待ち客に椅子準備は親切。
当日券：開演1時間前から。30席ほど。空きはあったよう。
'94の再演なそう。初見。舞台。幕がすだれ状で雨を模してる。橋の下、商家、
墓場などあれこれ。装置ぽい感じは、歌舞伎舞台みたい。そいえば、演技や鳴物
にもぽいのあり。
お話。江戸、屑拾いの男。自分が行方不明の豪商にうりふたつ、おまけに女房が
超美人と聞いて邪心むらり。豪商家ある山形について、記憶喪失装う。おっかな
びっくりピンチやり過ごすが・・・。
お上、大儀に翻弄されることの酷さとか、名や肩書きを失ったとき、自分ってもの
はどこにあるの？のとか。笑いの影でいろいろ問い掛けるシニカルドラマ。
どんでん返しを、お客になんとなくほのめかす。唯一知らずの主人公、泥沼な
じたばたが空しい。意外さはないけど、判るぶん、哀しみつのる。ラストに効果な
伏線○。最初、偽者が実は本物、記憶喪失は真実で、2回位どんでん返し期待
してたねこ。それじゃ、サイコドラマかあ。ちがいました。
悪人に為りきれない主人公の情けなさも好演、辻萬長さん○。
前半うとうとねこ。ひょうきんな笑いや歌たくさん。なんかべたで退屈。こなれた
口当たりの良さ、もひとつ。具体的に言えずごめん。山形弁のやわらかさは○。
何いってるか、わかんないとこあるけど。後半、殺人に手を染めるくだりから、
ピカレスクものでスリリング。目が覚めるねこ。
こまみたいにも感じる登場人物の中、豪商・妻のキャラに興味。主人公の嘘を
知りつつ、無邪気親切。その訳知れず、面白い。仕事人間で他に女つくってた、
本物主人より、自分だけに眼を向けてくれる偽者が○？。悲惨な運命知っての
哀れみ？。それとも、でかい一物もつ偽者とのｓｅｘ○？。あれこれ勘ぐらせて
くれる謎めきあってグー。
役者。辻萬長さん。早変わりを声色と姿使い分けて。巧くやってて面白い。山崎
清介さん。主人公を査問する、怪しい学者役。奇声あげたり、眼を見開いた顔が
恐かったり。浮いてたけど、お客に一番受ける。
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