極東演劇研究所「気まずいピクニック」
＠新宿・タイニイアリス (1999/1/21-24 6ステージ)全自由前売り2500当日2800
作：乾緑郎 演出：常田万蔵 照明：相川正明 音響：原朋子
舞台監督：島洋三郎 制作：極東演劇研究所
出演：
平井賢治 （インタビューしたがる男）
古橋芳浩 （雑貨屋、店主・兄）
森山米次 （その弟 掃除が趣味）
島田美菜月（店主の出ていった妻）
笠松真知子（万引きする女）
松屋テレ （食器コレクター）
鈴木浩司 （客）
1999/1/24(日)雨 2:00-3:30PM(1'30) 前方より 客席７割(70人)
客層：とりどりの年齢層がまんべんなく揃った老若男女。男女半々。
客入れ：雨の日の受けつけは外でなく、ビル内にしてほしかったねこ。チラシと
キャスト表なし（上記は怪しいところあり。）
作家にねこ知見なし。演出は劇団主宰の元・状況劇場役者・常田万蔵。松屋テレ
って、昨年のルナパークミラージュ公演にでていた子ね。
舞台。山小屋風な雑貨屋、古びてはいても清潔感漂い、味わいな。下手に古風な
手回しレジを置いたカウンター、背後と横にはさまざか生活雑貨。手間にだるまス
トーブとやかん。正面窓は引き上げ式、となりに入口ドア。上手にも商品棚、写真
集など本や置物など、適度な隙間で置かれ。手前にソファとテーブル。これもちと
くたびれた感じで。
お話。目当ての鉱物も期待外れの試掘惑星。地球に帰る金がなかったりで、移民も
また取り残され。仕事中に立ち寄ったりの雑貨屋が舞台。惑星史を作り、ライター
として立身しようと、誰彼かまわずインタビュー男。煙たがる周囲、新たに聞く者も
いないとくさっているところに、奇妙な万引き女が。なんでも店主のおやじの代から
行為を続け、黙認するのがお約束、あとでお金は徴収しているという。好奇心から
インタビューしようとする男に驚く女を店主は庇う。それをきっかけにそれまで言葉
をかわしたことがない、幼馴染のような2人は会話をはじめる。惑星にはイナゴの
ような先住民がいて、彼らの言葉は解読されていない。しかし、女は店主の父親から
聞いた、事故から命を助けた先住民の言葉が判った話しをし、自分もまた判り
そうに思えるときがあると告げる。荒唐無稽と笑うインタビュー男。しかし店主は笑
うことができない。家を出、地球に帰還した妻が同じような話しをしていたのを思
い出したからだ。淋しい気持ちをよせる妻に、つっけんどんに対した自分。先住民
の声が聞こえたという、その時の妻の孤独を判ってあげられなかった後悔に一人
苦しむ店主。しかし、いまは一人ではない。互いの孤独を知り合った店主と女は、
ぽつぽつとまた会話をはじめるのだった。
中年男女のシャイによりそう姿、物語ることでの癒しなお話し。しみじみねこ。
音楽なし、淡々とゆったり流れる時間と丁寧な会話の往来、時たま若者の騒がしい
ちゃちゃのアクセント。飾らないストレートプレイにまったりするねこ。店主をはじめ
、温いとこに睡魔おぼえたりしつつ。たまにはこういうのも、いいかな。
役者。ねこが密かに好きな、島田美菜月さん。ラスト近くのワンシーンにだけ登場。
気弱げな申し訳無さそうな存在感がなんとも○。
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