極東演劇研究所 島田美菜月 一人芝居「ひまわり」「ルピスカ物語」
＠新宿・タイニイアリス(1997/11/3-5 3ステージ) 全自由前売り当日2500
作・出演：島田美菜月 演出：常田万蔵
1997/11/3(月)晴れ 7:10?-8:50pm(休憩5分×2） 前方より 客席４割(40人)
客層：年齢層高めでとりどりな。 客入れ：特記無し。ゆったりと埋まる客席。
島田さんの一人語り芝居の前にコンサートを配した構成。昨年初演の「ひまわり」
再演と、「ルピスカ物語」４度目の再演。
・みだれ髪コンサート
素肌に前をはだけたシャツ、五分狩りのおにいさんの絶叫型フォーク。絞るように
唄う声。息苦しいねこ。サックスの若いにいさんが終始俯き、淡々と演奏するのと
対照的に攻撃的に。急緩しぐさの演出には計算があるよう。客席の気に入った女性
に悶絶、その子の目の前で服を脱ぎだす。その間に淡々おにいさんは淡々と退場。
いつもそう？。島田さんに乱行を謝り引っ込む。そんななら最初からしなさんな。
・「ひまわり」(30分ほど）
お話。気のよさそうな男にも逃げられ、アロエが窓外で生い茂るアパートもでよか
と思いながら、とぼとぼダンキ。ここはさしずめN.Y.のと広がる妄想は妄想を生み
広がる世界。N.Y.。シチリア。中国。それでも気がつけばアパートの前。電車で男
と出会った伊豆へ。そこでイカの目玉を焼きながら・・・。
・「ルピスカ物語」(30分ほど）
お話。つくる料理みんな不味い、それでも大根下ろしは旨い。と誉めてくれた優し
い男にも逃げられ、夜汽車。直江津の市でたこ焼きとカルピスを何故か買い、その
日の内に踊り子。それも３日でやめるといったら支配人に感謝され、戻った東京、
川崎に流れて・・・。
なんか屋台のおでんって好き、どこか淋しくてぼちぼち賑やかで、おやじはコップ
酒を大事に飲んで微笑んで。奮い立たされ熱く感動させられるじゃなく、なんかと
ぼとぼと彷徨って誘われてぬくもるよな。孤独で恵まれなくて、破天荒で危うい、
でもどっか飄々としたおかしさがある主人公の放浪記。か細い声、鳥がらみたいな
体で淡々と語る、不思議な島田さん。彼女が語る果てしのない物語は淋しくて、で
もそんなおでんなぬくもりがあって、いい感じにしんみりしちゃう。来年もまた再
演を、と密やかに願うねこ。
|