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＠銀座 博品館劇場 (2000/2/23-3/5 11ステージ)
全指定 前売り当日共5,500円
原作：「源氏物語」瀬戸内寂聴訳 演出：竹邑類 美術：斎藤浩樹
照明：勝柴次朗 音響：松山典弘 舞台監督：鈴木孝宏 企画：草刈清子
制作：樋口正太、草刈清子 企画・制作：博品館劇場、インターナショナル・
カルチャー 主催：ニッポン放送
・第一部トーク：草乃しずか（日本刺繍作家） 司会：小野田知永子
・第２部朗読 出演[朗読内容](日程)：
有馬稲子[葵]（2/23,24）、水谷八重子[夕顔]（2/25）、羽野晶紀[若紫]（2/26,27）
平野啓子[若菜]（2/29,3/1）、 藤村志保[藤壺]（3/2,3）、
池田理代子[末摘花]（3/4,5）
2000/2/27(日)晴れ 2:00-4:00pm(40/休15/60) 前方より 客席７割？(300人)
客層：おばさま大多数。上品な物腰の方も。他、２０才代男性もちらほら。
客入れ：ロビーに草乃しずかさんの創作刺繍・着物展示。紫色がきれい。パンフ
(A4 1,000円) 巻頭に寂聴さんのあいさつ。他、出演者略歴、一言、朗読内容
あらすじ掲載。
昨年５月に行われた朗読会を出演者を替えて再上演（前回は瀬近美津子、
秋吉久美子、黛まどか、有馬稲子、山本陽子、平野啓子）。
羽野の朗読は、じんのひろあき「ファンレター」（作家役・長野里美に迫る
女性ストーカー役）以来。単独の朗読は今回初めてとのこと。
・一部トーク。舞台。上手上のれん、川面に三日月、しだれ桜な。ソファとテーブル
前説の後、日本刺繍作家・草乃しずかさんのお話。着物。グレー地に雀と梅、
名残雪の図案。古着に刺繍を加えたものと解説。経歴。フランス刺繍が趣味、
自分の子供の服にしたり。長じるにつれ、男の子なので刺繍をいやがられように。
自分でももったいなく、徳川家のお姫様のお抱えだった刺繍家に弟子入り。創作
するとはなにか学んだ。家庭では帰りの遅い夫の待つ間、刺繍で充実。夫が深夜
帰宅しても、優しく迎える妻の役を楽しんでる。家庭は舞台、役をぱっと切り替え
られることがとてもいい。先だっての個展のこと。物語性と日本の文様を重んじた。
着物は、まだ四季折々の事柄を取り入れることができる分野。
糸を捩ったり（口に一端をきりりとくわえたり、艶っぽい仕草）の実演をまじえてお話。
生活感をまじえて、さらりとユーモラスな語り口に好感ねこ。
後半は、羽野を加えてトーク。入門編として、羽野から物語のポイントを解説。
１０才の美少女・若紫を源氏さんがさらっちゃう。タイムリーなお話と場内の
笑い誘い。新潟の事件と違い、当時はむしろ喜ばれた。男性の通い婚、一夫多妻
の仕組みのこと。そんな背景がわかると、たまにぶっ飛んだ内容もあるし、はま
っちゃう物語。なによりさまざまな女性の心理を細やかに描いてすごい、という
羽野の言葉をうけて、草乃さん「女性のための人生読本」であると。あと、華々しい
今公演の制作発表会のこと。羽野は舞台準備のため、引っ込み。次回の個展の
話しとか。
・第２部朗読。舞台。背もたれが非常に高い、角張ったシンプルな椅子が円弧状に
５脚。源氏の処替わり毎に椅子を転々とする演出。状況描写に薄曇りに月な照明
またその月を掲げたり。
衣装。紫のトータルカラー。濃い紫色のロングドレス。アイシャドー、頬紅は
ほんのりとバイオレット。胸元にはさらりと銀らめ。長い髪を後ろで結びおろし
リボンは紫の帯、腰位置まで垂らして。
お話。18才の源氏。病に倒れ、加持祈祷をうけるため北山へ。とある僧都の庵を
のぞくと美少女が。少女は恋しく思う藤壺の姪・若紫。少女に藤壺の姿を重ねみた
源氏。僧都を説得して、強引に自分の屋敷に連れ帰ってしまう。そして、父親
替わりとして育て、後に正妻として迎えるのだった。
くっきりとさわやか、口跡のよい朗読が心地よいねこ。丁寧な朗読に言葉大切の
思いが感じられ。可憐な声と表情。とりわけ、僧都や女房の京言葉での柔和な
響き◎。時折みせる源氏などの悪戯っぽい笑顔も素敵。子供な若紫が似合うと
いうより、心優しい人々のありようが似合うというのがふさわしいかも。
演出。開演前からお香の香り。前方だと強めだけど、すぐなれ。春霞な月夜雰囲
気の照明。月も上方に投影。ラストでは、下手上に大きな紅い三日月を掲げ、
後真白に転じる。若紫の不安と幸せのメタファーなんね。ＳＥで風音。音楽は
心情変化などに合わせ、場面を終える毎挿入。ヒーリング系のシンセ曲やピアノ
曲多し。なんか、まったりしちゃったねこ。
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