かもねぎショット「夢十夜 シリーズ第九夜 霧」
＠中野 ザ・ポケット(2001/8/8-13 9ステージ)
全指定 前売り3500円 当日3700円
作・演出：高見 亮子 舞台美術：加藤ちか 照明：中川隆一 音響：藤田赤目
舞台監督：藤井伸彦［バックステージ］ 演出助手：矢野靖人
照明操作：森田三郎 音響操作：佐野香代子 宣伝美術：森下仁
制作：かもねぎショット＋オフィスコットーネ 企画製作：かもねぎショット
出演：
多田慶子［かもねぎショット］：女１
大草理乙子［ラッパ屋］ ：女２
笠久美 [PROJECTジョカ ］：女２の姪（姉）
栗栖千尋［かもねぎショット］：女２の姪（妹）
高見亮子［かもねぎショット］：霧に住む女
山本光洋：霧に住む男
2001/8/11(土)曇 7:00-8:35PM(1'35) 最前列より 客席6割(100？人)
客層：老若男女。中年層多め。女性過半数。
客入れ：Ｃ席最前列。後方空席あり。折り込みパンフ。スタッフ、配役、予定掲載。
次回公演。来年2月 夢十夜最終夜＠シアタートップス。物販。戯曲(1000円)
シリーズ9作目。ラッパ屋、プロジェクトジョカから客演を迎えての今回。
舞台。黒一色の床と壁。上手に彩り、青いギンガム・丸テーブル、白と黒の椅子。
頭上に黒い椅子４脚、傾いで吊られ。不安な不思議な。椅子は下手、正面奥にも
あり。下手奥、バス停標識、汚れて読めず。
お話。山鹿の里。女２の住まいにたびたび姪はやってくる。その姉が叔母である
女２の一人住まいを心配してのものらしい。女２のもとに同年代らしい女１が突然
訪問してくる。町で見かけ、あなたは「私」だと思ったと言う。頭、おかしい？。
話をきいてみれば、確かに私と同じ記憶をもっている。しかし、別の人生を歩んで
いる。女１は旅をし、記憶にある人々と再会をしているという。霧中に現れる彼ら
学校の先生、一緒に遊んだ友達達、思いがけず親切してくれた女性…。
人生にちょっと失敗、やばめに崖っぷちにある二人の「私」。霧中に見えないこと
に甘え、晴れて喜ばしくも辛い。痛みの記憶は消えることはない。だから沢山の
いいことを記憶していく。いろいろ片づけると、新しい風が通る。女２は旅にでる
ことに。ともかく前に、霧中な中も歩きだそうと。
ユーモラスにほろ苦く優しい、大人な共感を呼ぶ芝居。年とるほどに曖昧となる
記憶、そのメタファーを霧に。記憶との再会は往事の再生に止まらず、大人な今の
心証が重なり切ない。遊びの時間を無慈悲にぶちこわす男＝阻害、孤独の陰が
侵入。「私」との会話は懐かしくて、自己嫌悪とともにとても嫌らしい。とか。そんな
苦楽を感じながら、「私」は語り合うことで癒されていく。
異なる時空を併走したり、演劇な仕掛けでの自分探し。なれど、とっても日常な
心情から描いて、うふふーん。平易な言葉ながら、示唆に富んだ会話。女性らしい
細やかな演出。簡素な装置。達者な役者芝居。滑稽、不可思議なマイム。無邪気な
ごっこ遊び、寓話。しっかり地に足をつけながら、遊びの時間を忘れない。そんな
大人な女性達がすてき、と今回も思うねこ。
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