ゴキブリコンビナート 第１４回公演「ちょっぴりスパイシー」
＠駒場東大前・こまばアゴラ劇場(2001/11/23-25 4ステージ)
http://www.seinendan.org/jpn/agora/index.html
全自由 前売2300円 当日2500円 絶対安全席2700円(前売)
Tシャツセット券 3800円
作･演出･美術･作曲：Dr．エクアドル 電飾製作：オメス吉祥寺
電飾操作：ボボジョ貴族 音響：マンコN．Y． 音響操作：小山直美
制作：安藤ヒヤシンス子、モジャ公、いとうちえ
出演：
ベッチョ哲也：ささの （C13地区労働者)
オメス吉祥寺：みのしま（同上）
マンコN．Y．：いで （同上）
病気マン ：すなが （同上）
メクラヘビ ：親方 （C13地区監督者）
セロトニン瘍子：富子 （落ち目のアイドル演歌歌手）
スピロ平太 ：マネージャー（そのマネージャー）
斉藤マリ［ロリータ男爵］：大親方（強面の女監督者）
紅茶花伝 ：響子（流れ着いた女。みのしま（だっけ？）の実娘）
Dr．エクアドル：禁治産者（身体が使い物にならない労働者）
POPY・アナル・ニュー黒磯［ピチチ］：禁治産者（同上）
畦地亮佑 ：禁治産者（同上）
千鳥 ：飯炊き女
ワッシャー木村 ：技術者
2001/11/25（日）晴 (1:50)2:20-5:10PM(1'50) 南西櫓より 客席満員(140人)
客層：20-30才代男性過半数、次は20才代女性。おじさんも結構。
客入れ：汚れ防止の新聞紙を全員に配布。動き（逃げ）やすいよう、また汚れる恐れ
があることから、荷物預かりが推奨され。預かり証はなし（見張りはあり）。
高見の見物・絶対安全席（ベンチ席）、リングサイド・自由席（スタンディング）
の順で入場。開演定刻５分前（事実上、開場開演同時）に整列、２Ｆ劇場へエレベー
タで移動。十字舞台装置の間、劇場四隅の櫓状絶対安全席・1.5m高・定員16名へ脚立
で上がり。自由席は装置と安全席間のＬ字部へ１５〜２０人ずつ入場。水など飛来物
から身を守るための雨合羽が配布され。客誘導はてきぱきと行われ（内心の困惑あれ
ど）混乱はなし。折り込みパンフ。A4 １ページに配役、キャスト。物販。Ｔシャツ
2000円。ビデオ ？円。次回公演。情報なし。
なま物の匂いやらが原因で、上演した劇場が軒並み出入り禁止になっているゴキコン
急遽空いたとかの、アゴラな今回。青年団（平田氏）としてどうだったか、ちょっと
野次馬な好奇心ねこ。
舞台。劇場空間をすべて使用した、十字通路のまんま土木現場。概ね３層構造。
１層、「外」とは安全フェンスで区切られたメインステージな現場。（通常出入口
から見て）十文字通路の上手、ベルトコンベアが土砂を真ん中に運び。それぞれの端
には泥水が溜まり、小池状。２，３層。キャットウォークな足場が縦横に組まれ。
十文字の下手最上階に監督用机、立つと天井に頭が当たる高さ。通路の外側中空に
ゴムバンドがおろされ、役者が中空に逆さにぶら下り、歌ったり。ほか、ミラー
ボールが天井、スピーカーや通路に七色の電飾が仕込まれ。
お話。全体は下記。どうしようもない落ちこぼれが集まる現場。虐げられる、内輪
もめ、裏切りも絶えない。劣悪な現場がなんのためのものか、疑心暗鬼に勘ぐるも
所詮猿知恵レベルで不明、振り回されるだけ。慰問にきた歌手富子との出会いから、
極端な結論へと。慰めの彼女は教祖様。宗教結社になけなしの答えを見出すのだが。
空間造形◎。泥沼万歳、バカ爆発な展開○。伝説の黄色舞技團？、かと思わせる客席
を取り込んだ装置。とっても、わくわくもの。自在、大胆な取組み、空間をもれなく
使った造形は意欲的で◎。単純馬鹿、欲望ひた走りな主人公達が考えもせずに、一喜
一憂。ことごとく裏切られて、泥沼に沈み込んでいく展開にもわくわく。脳天気で
ナイスな歌、沢山。見世物を見る、ちょっと残酷な快感がなんともいえないねこ。
ラストの飛躍は現実ばなれ、いわばデザートか。ばかっぽさ、不条理感を添えた配慮
、いい意味のいい加減さ○。
好き嫌いというか、身体的相性で感想違いそう。どうしても生臭い匂い、立ち見席で
肉体的に責められるとか。生理的に辛い面は確かにあれど、超してあまりある面白さ
あり。次回、とても期待ねこ。
役者。斉藤マリ。いつもの男勝りキャラ、違和感なく溶け込み。
主な話。土砂を上に上げる作業中の労働者達。いちいちバケツで小分けして運ぶより
ドラム缶に溜めて、一気に運ぼうとアイディア。頭いいなあと感心するも、重過ぎて
運べず、ぶちまけてしまう。親方は怒りまくり。馬鹿なのでなんども繰り返す労働者
達。演歌歌手・富子の話。日本のお母さんと言われる彼女のポスターを後生大事に
もつ男あり。これも貴重な恋人なんだ。歌。もーてて、もーてて、こまるんだー、
彼女いない歴３５年♪。慰問にくる噂にはしゃぐ、労働者達を戒める親方。
この現場、Ｃ１３地区は落ち零れの吹きだまり。怪我をしたり、頭がおかしくなった
奴等。簡単な作業しかできないやつの現場なんだ。身の程を知れ！。（下の現場では
身体障害者達がうめきながら、作業。）大親方も加わって（だったかな）怒号爆発。
富子が来るか、掛けようか。胴元役の２人が話を持ち掛け。おけらという男、
うっかり金歯があるといったばかりにその場で抜かれることに。何度も間違った歯を
抜かれ、戻されたりして、酷い扱い。俺はこれ、手作りのダッチワイフ人形・花子を
差し出し。マンコなんか、魚の内臓でリアルにしてるんだぜ。気持ち悪と、人形は
足蹴にされ。それより最近花子と寝ていないことを問い詰められて、白状する男。
これをみろ、と泥水から引き上げたのは半裸の若い女性（花子２号）。ほったらかし
？代替え？人間？。本物そっくりの人形に欲情爆発。男達は逆さにぶら下って、歌。
リアルな人形〜ファッキン（ハートマーク）♪。女の死体じゃないのか。
死体でもいい！。歌。腐った屍、ファッキン（ハートマーク）♪。なんだよ、マンコ
から血が出てるよ。生きてた。歌。生きててもいい、死体が動いた、普通の人間、
ファッキン（ハートマーク）♪。（以上すべて、わーはっははとはしゃぐパートを中心に
四人の役者が四方でいちいち逆さ吊りになり、上下にはしゃぎながら歌い。身体に
ついた泥水やら飛び散って、下のお客は大迷惑（ハートマーク））
争う内にマザコンな男は殴られても、目はラブリー。もっと殴ってよとせがみ、
嫌がられる。花子２号は、麻痺男に電気ショックを加えた「人間バイブ」で愛撫
責めされ（歌入り♪）、失神。花子２号を殺されたと勘違い、妻をなくした花子
所有男は怒りまくり。もう死体でもいいと、花子２号に覆い被さり、仲間にぼこぼこ
にされ。花子２号は気がついて、隙を突いて逃走。隠れる場所がなく、銅像ポーズ
で誤魔かす。探しまくる男達は花子２号をみても、銅像かあ と馬鹿なので見過ごし
もう疲れたなあ、おねむの時間です〜（歌♪）と、男達は雑魚寝。
花子２号ソロ。歌。生まれてから、いいことなんかない〜♪。自殺しようとする
花子２号を停める花子所有男。実は花子２号こと響子の父親はこの男。花子２号を
逃げす父親。朝。大親方(女)がやってくる。これから直接監督する、サボりは許さ
ない、これから三週間、一日２０時間労働だ、有無を言わせぬ指示。トイレが汚れ
てることに怒り再び。誰が使ったあ？。しかたなく挙手する男達に、舐めて掃除しろ
〜、早く仕事しろと命令。富子のポスターをみて破り捨て。だめだめな状況をみて、
こいつらは全員首と決定。しかし、親方が首はまずいと忠告。この酷い現場の実態が
外に漏れてしまうから。ひとまずはあきらめる大親方。
響子父。石をみて、この現場はおかしいと。印しをつけた石が戻ってきたという。
このコンベアの石は戻っているんじゃないのか、と疑惑。歌。娑婆に帰りたい♪。
便所掃除、整列、石運びを繰り返す男達。手足なしの男の仕事を考える大親方。
とりあえず気に入らないので、殴る蹴る。アイディア、男ダッチにする。大親方、
打って変って女らしい声。名前で呼んでと恋人気分。攻める男ダッチに痛い〜、
もっと優しく、女の子の体はウェハースみたいなもの(ハートマーク）。愛撫に
悶絶していると、男達に見つかってしまう。この現場はなんなんだと責められて、
大親方は気絶、「人間バイブ」を当てられて、気が狂ってしまう。
これで自由の身だ、と喜ぶ男達（歌♪）。客のいる間に乱入、三方の絶対安全席を
丸ごと９０度回転させ、見る方向を変えてしまう、乱暴狼藉。明日は富子の慰問。
まるで盆と正月がいっぺんに来たみたいだ。誰もおれたちのジャマをするものは
いない。翌日。富子が慰問、オンステージ。歌。飲んでください、ワカメ酒〜♪。
男達は狂喜乱舞。富子は現場の酷さ、欲望むき出しの男達をみて、気が動転。
こんな仕事したくないと半狂乱。マネージャが駆け寄り、怒り。アイドルともて
はやされたのも、顔が良かったため。それも事故で顔にあざをつくってからは、
人気は落ちる一方。でも這い上がるんだ、とマネージャーは富子を抱擁。やんやと
野次をいう男達にマネージャーは謝罪、明日からずっと来させると約束。ここで
修行をするんだ、唖然とする富子をおいて出ていってしまう。男達は逃げる富子に
追いすがる。ワカメ酒を飲ませてくれよー。
もう私を好きにして、と大の字になって富子自暴自棄。男達、もめる。もうどうでも
いいか、仕事もよくわからないし。富子、それを聞いて、こんな上水道聞いたことが
ないよと。男達ますます疑心暗鬼。ここはどこで何のための現場なのか。大親方に
聞くも、狂っていて使い物にならない。富子に馬鹿呼ばわりされる男達。もう、
どうだっていいんだよ、と富子に告げる男達。と、今まで黙っていた身体障害者達が
やけくそぶりを戒める。歌。人生の落伍者、明日が開ける♪。富子は障害者達も
加わり、「人間バイブ」を掛けられ、絶頂。これは体を傷つけることに意味があるの
では？。わかった、ここは人間バイブ養成所だ。体を痛めつけ始める男達。
俺なんか、腸がでてきちゃったよ〜。身障者達が突然死んでしまう、ゲル状の
吐しゃ物を吐きながら。人間バイブになっちゃだめだよ。震えはただの末期症状
だったんだ。親方、人間バイブ状態になって、吐しゃ物を吐いて突然死。震えて
死んじまう病気のここは隔離所か？。揉み消し工作？。そういえばと、投薬献体に
なっていたことを思い出す男達。ここに病原体がいるんだ。大親分か、富子か、
ともかく後からきた人間だ。障害者達が蘇る。震えも止まっている。なんだ、違うよ
、病気なんか思い込みだよ。ここは過酷さ耐えることができる、究極の生命体を作る
場所なんだ。そうかと、男達、うんこ（擬似）を食ったり、もう糞にまみれる。
ピーピー!、と生ネズミの悲鳴。ネズミを食うんだ（思い切れない役者のを奪って、
もう一人がまじ噛み切り）。違う。汚染させて、都民生活に悪影響を及ぼす悪の組織
の役にたつことだ。大親方がうわごと。心の声を聞くんだ、そうかあ、黒ミサかあ。
響子は、また現場に戻ってきてしまう。おりしも、黒ミサが始まろうとするところ。
祈りの声。マンコはゲロを吐くところではありません、人が生まれるところ、生まれ
てきてごめんなさい、おマンコ様に謝りましょう。まんぐり返しのポーズを取る
男達。アヌスに火をつけた蝋燭を差込み、立てる。富子が上方、教祖様。「聖水」を
股間から男達に注ぐ。響子はありさまに唖然。火を消してくれとせがむ男達。生理の
血を注ぐ富子。と、やってきたマネージャー、この光景を絶賛。もとめていたものは
これだ、富子。ああ、この女の艶っぽさ。これを世にと、一同を連れて外にでていっ
てしまう。
誰もいなくなった現場。飯炊き女は不思議顔。二週間ぶりにきたと言う彼女にベルト
コンベアを修理していた若い男が声を掛け。石が戻るようになっていたんですよ。
飯をもらい、あまりのまずさに吐き出してしまう。
ナレーション。富子の歌と踊りはトラック運転所の間で大ヒット。
宗谷岬。結集するトラック運転手達。しかし、直前でレコードは発売中止になったと
背広男。JASRACの彼がいうには、パクリ、だめです。歌い続けてくれ、と言い残して
トラック運転手達は帰ってしまう。残ったのは、富子とＣ１３現場の男達だけ。
男達、顔をつきあわせて。歌い続ける？、どうなのよ、うーん、ちょっぴりスパイシー。
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