＠三軒茶屋 世田谷パブリックシアター(2005/4/9-17 11ステージ)11,12トーク
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/frame.html
全席指定 当日前売とも 一般S席5800円 A席4800円 SePT倶楽部会員割引
＜S席のみ＞5300円 世田谷区民割引＜S席のみ＞5500円
＠福岡 北九州芸術劇場 3/24-27 4ステージ
＠長野 まつもと市民芸術館 4/23,24 2ステージ
原作：フランク・ヴェデキント（ルル二部作「地霊」「パンドラの箱」）
構成・演出：白井晃 脚本：能祖将夫
音楽・映像：nido（古谷建志、上杉俊佑、吉川寛、武田真治） 美術：松井るみ
振付：井手茂太［イデビアンクルー］
照明：高見和義 音響：井上正広 衣装：前田文子 ヘアメイク：林裕子
アクション：渥美博 演出助手：豊田めぐみ
プロダクションマネージャー：堀内真人 技術監督：眞野純 舞台監督：安田武司
宣伝美術：高橋雅之[タカハシデザイン堂] 宣伝写真：二石トモキ
制作：田上佐和子ほか プロデューサー：能祖将夫、津村卓
主催：（財）北九州市芸術文化振興財団 提携：世田谷パブリックシアター
企画・製作：北九州芸術劇場
出演：
秋山菜津子：ルル
増沢 望 ：アルヴァ(舞台演出家。新聞社社長シェーンの息子)
みのすけ［ナイロン100℃］：シュバルツ(カメラマン)、看守、マゲローニ(投資家)、
ヒルティ博士(ルルの客)
岸 博之 ：エスツェルニー(パラオの富豪)、看守、カスティ・ピアーニ(売春斡旋)
石橋 祐 ：ロドリーゴ(芸人)、クング・ポティ(ルルの客)
まるの保 ：フーゲンブルク(自称ルルのファン)、舞台監督、ボーイ
小田 豊 ：ゴル（編集長）、フェルディナント(使用人)、プントシュー(銀行家)、
フニダイ氏(ルルの客)
根岸季衣 ：ゲシュヴィッツ(詩人)
浅野和之 ：シゴルヒ(自称ルルの父)
古谷一行 ：シェーン(新聞社社長)、ジャック
2005/4/16(土)曇 2:01-5:05(1'34/休16/1'11) 1F前方 客席ほぼ満員（700人）
客層：中高年も多い老若男女。女性7割。濃いめの中年男性ちらほら。
客入れ：当日券詳細不明。定時開演なので遅刻注意(終演は掲示より10分前倒し。）
カーテンコール2回3分。折り込みパンフなし。いつもどおり不要チラシ置き場あり。
物販。パンフ(A4 30ページ 1000円) まとまりよく読み物と写真。
昨年のファウスト（ねこ未見）に続く、北九州芸術劇場プロデュース。
舞台。隅々インスタレーションしてアート感覚。ダークなナイトムードが全編。
中央ステージ、八百屋に前傾した奥行きたっぷりの白いマット。ルル写真を含む
パネルを壁とおろし、最小限の調度を持ち込んで場面展開。正面奥の壁全体を
スクリーン。ルルら粒子荒いモノクロ映像を投影。左右サブステージに英国
アンティークな調度類。無機質な空間に曲線が艶めき。さらに
照明が積極的に
空間造出。とりわけ、上下する蛍光灯列の醒めた感触◎。
お話。新雑誌グラビアの撮影モデル・ルル。年離れた夫である編集長はあれこれ
注文。カメラマンとの情事を感づいて憤死。二人の結婚生活。かごの鳥に収まら
ないルルに絶望したカメラマン自殺。ルルを引き取ったのは、彼女が思慕の念を
抱く、新聞社オーナー。彼もしかし、息子やら間男との関係を勘ぐり、ルルに自殺
を強要。抗うルルの銃弾で死亡。実刑判決を受けるルル。ルルを恋しく思う息子や
女支援者は脱出計画を決行。問題はあるものの成功。息子とねんごろ、一時は
株であぶく銭をつかむが破産。着の身着のままで息子やらとロンドンへ逃走。
生きるため街娼を始めた初日、ルルは切り裂きジャックに惨殺され、子宮を
奪われてしまう。
秋山菜津子、かっくよく美しい舞台女優ぶり。清新の気を吹き込む彼女、を取り
巻く劇空間と野郎どもはドライ＆ウェット、納豆包み揚げがごとし。癖になる味を
美味しく堪能ねこ。
空間演出、仕事三昧。シャープに闇に刺し、時にフラッシュする明かり。物憂げな
心象を伺わせるよな、ムーディな背景映像。会話劇の幕間に井手振付モブダンス。
崩さずにはおられない歪んだ動きに人物相関を含みいれて、ふふーん。ダンサー
に及ばないぎこちなさを逆手にとって成功の感あり。全体、スピーディで、ほころび
のない展開は、さすがお家芸。
クールでドライな空間に比して、役者芝居はちと湿り。つうか、わがままな野郎
どもはルルへの欲望露わに粘着気味。自滅同然の悲惨さより、男のいじましさ、
痛さより感じられて、うーむねこ。
ルルは現実的で前向き。シミュレーションゲームのヒロインよろしく、男との
出会いから経験値をつんでいく。そこに邪気はなく、悪女のイメージは薄い。
出会った男が悪いととれるキャラに、ふーんねこ。また、父親への思慕ともとれる
オーナーへの恋情も描き繊細。女としての陰影を深めて○。
役者。前述のように、秋山菜津子。エロに墜ちない中性的な美しさ、他者に染まら
ない芯の強さをみせて、魅了。みのすけ。誠心をよくとおるいい声にのせて○。
浅野和之。職人。岸博之。カクスコでは見られなかった、善悪対称な２役を好演。
古谷一行。押し出し強くも、新劇な形にはまった演技にはうーん。
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