＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2007/4/5-15 13ステージ)
前売・予約2800円 当日3200円 学生割引2300円（要学生証提示）
喪服割引2300円（要喪服もしくは喪服に準ずる服装）
脚本・演出 下西啓正
舞台美術：袴田長武＋鴉屋 照明：吉村愛子[Fantasista?ish.]
音響効果：平井隆史[末広寿司] 演出助手：田中元一[田中兄弟]
舞台監督：青木規夫、松下清永＋鴉屋 衣装：中西瑞美
宣伝美術：サノアヤコ[劇団森] 制作：阿部昭義[R-Style Project]
出演：
・色麻しこま家
石橋志保 ：茄衣子（なえこ 長女 不眠） ＊中野成樹＋フランケンズ
五十嵐操 ：潮子 （しずこ 次女 冷静 家をでている)
伊東沙保 ：沙与 （さよ 三女 ハイツの大家 常時酩酊） ＊ひょっとこ乱舞
・色麻保存会
池田ヒロユキ：壁箕（だみ ハイツの管理人) ＊リュカ.
中川智明 ：込荷（こが 茄衣子に「政君」呼ばわりされる)
三橋良平 ：鑓六（やりむり 潮子にふられる）
・色麻ハイツ住人
鈴木享 ：馬久浬（まくり フリーター)
中島佳子 ：逐野 （おうの 引っ越してくる） ＊無機王
和田奈保子：彼乃子（ひのこ 専門学校生） ＊公転周期
・色麻ハイツに出入りする人々
竹岡真悟 ：筋蒲（すじうら 馬久浬の部屋に居候している）
秋吉孝倫 ：緒辺（おしべ 彼乃子の部屋に時々やってくる)
舘智子 ：蟻菩（ぎんぼ 壁箕目当てでやってくる近所の主婦） ＊タテヨコ企画
下西啓正 ：迫目（はさま 茄衣子のカウンセリングにやってくる医師)
2007/4/8(日)晴 7:34-9:12PM(1'38)中央後方より 客席7割(40人)
客層：20-30歳代中心、男女半々。中年層若干。マメ山田氏を見かけ。
客入れ：劇場表に向けて、墓石がごとく座る下半身像展示。胴体に献花活ける、
缶ビールを足下。整理券なし、次第埋まる客席。雛壇5，6列にベンチ、最後尾に
椅子。遅れて来た客用にあけるため、前方、端よりへの誘導有り。アンケートは
ボードと鉛筆付で親切。折り込みパンフそれなり。折り込みパンフB5 3ページ。
挨拶、配役、スタッフ、予定。次回公演。10-11月＠アトリエヘリコプター、
ギャラリー・ルデコ「陰漏かげろう」再演。物販。上演台本。
カーテンコール 正座して礼１回。
劇作家協会新人戯曲賞、かながわ戯曲賞ら受賞歴をもつ作家 主宰劇団。初見。
舞台。湘南、鎌倉にありそな白壁のモダンな洋館、その2階テラスをリアルに造り
込み。クランクを描く、真白の壁に引き上げ窓の列。菱形広場に避暑地の白いテー
ブルと椅子、ベンチ。正面奥、三階への階段下に物干し、下手端に洗濯機とバスケッ
ト、なにもない花壇。上手に管理人室の木製ドア、脇隅に段ボールら粗大ゴミ然。
お話。女性専用アパートは歴史的建築。地元有志(男性)保存会、その一人は住み込み
のヘルパーでサポート。代々住んできた元お金持ちの末裔、いまは見る影もない3人
姉妹。不倫＞不眠＞超ヒステリーの長女、昼酒連綿の三女の困った2人は残るが、
しっかり社会人な次女はその家を独立。2人に苦言を呈することやまず。住人と訪問
者もまた問題。住人は公然と男を連れ込み、時々痴情の縺れ。ヘルパーに岡惚れ？の
訪問女性は欲望を満たそうと、おっかなびっくり。
表で乱れ、陰でこそこそ すべてを晒してむしろ清々しい。美術の出来映えから推さ
れるよう、緻密で丁寧な現代口語会話劇。欲望に忠実なあまりの失態、狂態ら、
スキャンダラスな言動が次々。喜怒哀楽、明暗ら単純に割り切れない、がちゃがちゃ
したそれらこそ ナチュラル、正直に感じられて好感ねこ。筆致はクールも、批判
評価を向けることはなし。細やかな演技、たとえば沈黙、ため息、伏し目の奥に、
孤独と飢え、焦燥感ら共感できる感情を覗かせ。その視点はほのかに暖かく、これも
また好感ねこ。
[月間一覧］