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 月蝕歌劇団「寺山修司 過激なる疾走」

 @新宿 紀伊國屋ホール(2009/8/27-30 5ステージ)
 http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall2index.html
 全指定 前売S席5700円 A席5200円 B席4500円 当日S席6000円 A席5500円
 B席4600円  学生S席4900円 A席4400円 B席3700円

 脚本・演出:高取英 監修・音楽:J・A・シィザー
 協力:九條今日子 照明:小境春二 音響:松本昭(音スタ)、青蔭佳代(音スタ)
 舞台美術:北崎正人 宣伝美術:吉田光彦 劇団マーク:ひさうちみちお+吉田光彦(ロゴ)
 写真:濱ロ太 振付:三坂知絵子、しのはら実加 方言指導:阿部周平
 制作:月蝕歌劇団制作局、石橋真ほか
 出演:
 岡崎哲也 :修司(中年期)
 あおい未央:修司(青年期)
 城之碕リアン(笹生愛美改め):修司(少年期)、トマトケチャップ皇帝 他

 平良千春 :黒蜥蜴X 実は…
 合沢萌  :黒蜥蜴Z(明智)
 石本径代 :黒蜥蜴C(盲人書簡の母)
 三坂知絵子:小林少年

 しのはら実加:母
 藍山みなみ:A子
 木田沙織 :マサコ
 RIKU   :東武
 大島朋恵 :杉作、まこと(「大人狩り」)

 寺田万里子:黒蛾蝦A、化鳥(27木28金29土夜のみ)
 麻美   :黒蜥蜴E、三宮かずこ 他
 大塚加奈子:黒蜥蜴B、夏美 他
 トン子  :黒蜥蜴D 他

 高橋俊次 :若い劇作家、高校の友人
 木村あかり:塩谷、「大人狩り」の子供
 佐藤真澄 :寺山本家の妻、黒蜥蝿F他
 白永歩美 :詩を続む少女、「大人狩り」の子供
 國崎馨  :「大人狩り」の子供
 堂本麗  :「大人狩り」の子供
 武正景子 :にんじん
 國光もも :「大人狩り」の子供、金子、看護婦
 稀莉果  :「大人狩り」の子供

 醍醐えリこ:坂本のおばさん、黒蜥蜴G
 小園ひな :黒蜥蜴H他
 落合寛美 :犬神博士、まことの父、戦友
 水野祐樹 :学生 他
 原貴浩  :高校の友人、学生他
 浦杉純也 :犬神博士の助手、学生
 平牧 仁 :美少年、学生 他
 今井洋之 :高校の友人、学生、学生、戦友
 あや   :少女歌手
 熊谷清正 :田山、鏡売り、戦友

 一ノ瀬めぐみ(29日14:30・30日14:20のみ):化鳥
 スギウラユカ:ミシマ
 浅田啓治 :編集長、鏡売り、戦友
 河合朗弘 :鞍馬天狗、学生
 オンディーヌ美帆:シャンソン歌手(若い時)
 PANTA   :シャンソン歌手(中年)
 牧ロ元美 :父

 2009/8/30(日)曇 2:23-4:36PM(2'07)中段中央より 客席8割(350人)
 客層:中年層中心に男性7,8割。
 客入れ:珍しく座席ランク分けあり。AB席は最後尾5列でほとんど当日券に割り
 当て。呑気なお客が多いのか、間際入場が多くて開演8分押し。入場誘導は丁寧、
 荷物預かりも即諾。開場時に劇団員手作りの「おみくじ」手売り(200円)。凶で
 生写真プレ。10枚大人買い?する熱心な人あり。折り込みチラシ少々、ビニール袋
 入り。パンフ B5 2ページ。配役、スタッフ、予定。
 物販。パンフ 2000円。生写真貼り付けとか手作り。ほか、稽古場DVD、戯曲など。
 カーテンコール6分1回。高取英氏からあいさつ、7月に無くなった縁の評論家・平岡
 正明氏を偲び、「ネオファウスト地獄編」から2曲2場面上演。

 9年ぶりに観る月蝕歌劇団。なんと25周年記念とか。同名小説の舞台化な今回。

 舞台。天井から柱時計5が吊され。朱色の大鳥井とミニ版が中央。後方、中央に
 大階段、両袖側にも置き。舞台真ん中から客席3,4列までへそなサブステージ。

 お話。寺山修司の波瀾万丈の生涯。取り残された鬼ごっこで妄想を膨らませた少年期。
 戦死した父を思い、仕事で遠く離れた母を思慕。昭和の啄木を目指し、短歌に打ち
 込んだ学生時代。そして上京、詩劇から演劇で注目を集め、三島との交流、決別、
 そして2人の死。

 濃くも小気味よく描かれる寺山修司のすべて。少年期からその死後までスピーディで、
 自在な展開で一気呵成に語りあげ。とりわけ、母親との断ちがたい愛憎の念を、
 ドキュメントと舞台再現シーンから炙り出して見物。後半、ライバル三島由紀夫との
 芸術感や生き方の違いを、それぞれの「ファウスト」と悪魔物語になぞらえ描き。
 気が利いた演劇趣向で○。

 25周年といえ、役者は刷新を続け、初々しい少女メインなのは昔と変わらず。プロ
 グレな楽曲、ゴシックな衣裳、おどろおどろしいダンスも、妖しくエネルギッシュ。
 過激な疾走とは、実は高取英+シィザーのことなり。

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