＠目白 シアター風姿花伝（2023/06/30ー07/09 14ステージ)
全自由 一般4000円、学生3000円 平日昼3500円
原作：有島武郎「或る女」 上演台本・構成・演出：鐘下辰男
演出助手：笑子 舞台監督：松井啓悟 照明：露崎嘉一、野田彩乃
音響プラン：井上正弘(新音) 音響：日影可奈子
当日制作：渡辺望 制作・宣伝美術：岩野未知 製作：有限会社ガジラ
出演：
守屋百子 ：早月葉子（親佐の長女）
小林芽 ：早月愛子（親佐の次女）、田川夫人（絵島丸乗客。葉子の世話を頼まれ）
亀山ゆうみ：五十川（親佐友人）、親佐（女権拡張運動家）、女将
大嶽典子 ：叔母・つや
田島智也 ：叔父・興録
吉村京太 ：木部孤?（作家。葉子の前夫）、正井（倉地友人）
勝沼優 ：古藤義一（木村友人）
三浦拓真 ：岡一（留学生青年）
岡田隆成 ：木村貞一（米国在住の実業家）
桃可 ：少女
湖西みなみ：内田の妻
千葉哲也 ：内田（キリスト教伝道者）、倉地三吉（絵島丸事務長。葉子と同棲）
2023/07/08(土)曇 6:34-9:41PM(70/休16/100)前方中央 客席8割(45人？)
客層：20-30才代中心に2世代、女性過半数。
客入れ：感染対策。検温なし手指消毒任意。開場時5，6人。桃可さんの少女が上手奥
階段に板付き、微動だにせず。当日パンフ A4 1枚。クッション追加椅子6列。
冷房は適時入れて、暑さ対策あり。カーテンコール1回。
久々に観るガジラ。初期メンバー・千葉哲也さんが参加。
舞台。闇に赤い照明、胸騒ぎのビジュアル。正面奥に小机、壁に倉地三吉の妻子
写真。上手手前にも小机と壁に姿見鏡、下手壁に古風な電話機。床、手前に洋間と
和室設定の2箇所。中央奥にピットへの出入口。開閉音が劇的大音響。
お話。美貌の才女・早月葉子。作家の部孤?と19で結婚も2ヶ月で離婚、自由奔放な
女との風評が出回る。そんな彼女がシアトル在住の実業家・木村貞一と結婚がため
渡米することになる。女権拡張運動家の母親の差配だが、葉子自身も理想を抱いても
男社会ではままならず、生来の美貌を活かす所存であった。が、船内でであった、
野性的な魅力をもつ事務長・倉地に心惹かれてしまい…。
抱えすぎる女・葉子のストレスフルなありさまを、劇的な演出、強力な役者を得て
やるせなく描く。言動過激だけど内心普通、強いけど弱いという矛盾を、少女
（葉子の少女時代役、少女性）の常駐、母親、岡らの幻視視線より桑立たせ。
内田／倉地と葉子にフォーカスしてく脚本も呑み込みやすくて強力。守屋百子・葉子
の身を削るよな演技に圧倒感／憐憫の情ない交ぜの堪らなさ。知的な野獣、の匂いが
変わらず、ぐっとくる千葉哲也。2人とも煙草芝居がカッコ良くて、いまや絶滅危惧種
かという。
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