ＭＯＤＥ＋世田谷パブリックシアター｢プラトーノフ｣
＠三軒茶屋・シアタートラム （1998/3/1-15 18ステージ） 全指定前売り当日4500
原作：チェーホフ 演出・構成：松本修 美術：島次郎
出演：金沢碧、有薗芳記、黒木美奈子、ラサール石井、山崎美貴、木場勝己、
小嶋尚樹、龍昇、朱源実、高乃麗、下総源太郎、たかはしちづ、中田春介
1998/3/8(日)晴れ 1:05-3:30PM（休憩10） 中段より 客席満員(250人）
客層：老若男女。いい感じな幅広さ。女性過半数。客入れ：係員が丁寧に。最後尾
には補助椅子一列。
ＭＯＤＥ、３年振り東京公演。前身の「ちかまつ芝居」時代からよく取り上げてい
たチェーホフで再開。「会社の人事」('89青山円形）って「プラトーノフ」＊がも
とだったんだ、とパンフみるねこ。（＊初期映画「時計仕掛けのピアノのための未
完成の戯曲」、先のＴＰＴ「ピアノ」の原型になった、チェーホフの初期作品との
こと。）
舞台。白木が一面のリビング。中央に巨大窓。電動ブラインド越しに見える中庭。
には白樺１本。背景は薄いブルー。長い長椅子がMODEらしい調度。明るく、さらり
とおしゃれで○。音楽はピアノ中心のジャズ。これもいい感じ。
お話。地方都市の旧家。議員の未亡人（金沢）と先妻の息子（有園）の家。リゾー
ト開発の不動産屋（龍昇、朱源実）、美術館館長とその息子（木場、小嶋）と恋人
（高乃麗）。らは、故議員・息子の婚約発表パーティに集っている。プラトーノフ
、美術館長の娘（山崎）の夫、教師は、世間への不満とかつての挫折の痛みをもっ
てる。それ故か、歯に衣着せぬ物言いな毒舌とだらしなさ。それに嫌悪感を抱く男
達、親近感を抱く友人達、そして女達は不良な中にある誠実さに惹かれはじめる。
未亡人、その息子の婚約者・実は昔の恋人、友人の恋人にモテモテなるも、妻への
誠意、自らの信条から揺れる、プラトーノフ。曖昧な関係ははやがて泥沼万歳な混
乱に。浮気な現場での一瞬の怒りから、息子の婚約者に射殺されてしまう。
ＭＯＤＥ！？、しっかりＭＯＤＥ。チェーホフ？、でもチェーホフ。メロドラマな
大芝居な物語、文章してる原作台詞をぽくなく挿入。なるも、こなれた現代口語の
台詞、役者がその人物してるさりげな演技、全編に入れられた軽い笑い、で今な世
界に。さすがＭＯＤＥな巧みさ。愛憎や不安抱えた人物が時代越えた、普遍キャラ
プラトーノフの不安、不満、自分探しなキャラは特にそう。ドラマチックな荒波な
展開に、脆弱さを人間くさく浮かばせて○。ラサールさんのお茶目なキャラ○。後
半の惨めさはユーモアさえ感じさせて、いい感じ。
役者。おなじみだった、熟年？役者がいないのは淋しい。でも、客演入れつつ美男
美女のＭＯＤＥは変わらず。嬉しいねこ。金沢さん。素敵なおばさましつつ、お茶
目で○。木場さん。切れると凄みの彼らしさ○、ユーモアも添えて巧し。
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