猫のホテル「いたしかゆし」
＠下北沢 ザ・スズナリ (2000/5/24-28 7ステージ）
全自由 前売2,600円 当日2,900円
作・演出：千葉雅子 照明：吉村俊弘 音響：田上篤志 舞台美術：奥薗久
舞台：川上大二郎 小道具：野末晃子ほか 舞台監督：宇野圭一＋至福団
宣伝美術：犬川ヒロ 制作：那須みちのほか
出演：
中村まこと ：正木ともや（さすらいの善行者、つうか）
市川しんぺー：十二号（囚人）、竹脇（内海音楽館店員）、佐野（しつこい人）
森田ガンツ ：細谷（看守）、須賀（内海音楽館店員）、神崎（ボランティア）
池田鉄洋 ：大木（所長）、内海（音楽館店主）、堺屋（もと船乗り）
佐藤真弓 ：ようこ（歌手）、かずこ（秀人の母）、れいこ（ボランティア）ほか
いけだしん ：山辺（疎外される人）、角田（？）、松井（水産試験所所員）
村上航 ：三上（看守）、塩津（CO2）、末松（秀人の父）
岩本靖輝 ：高田、高崎、名和
菅原永二 ：鳩山、三吉、たつや
戸村麻衣子：川瀬
光瀬指絵 ：さやか
千葉雅子 ：せつこ
今林久弥[双数姉妹]；秀人（子供）ほか
2000/5/27(土)小雨 7:40-9:00PM(1'20) 前方から 客席超満員(160人)
客層：２０才代中心にとりどり。女性過半数。グループ客多し。
客入れ：劇場標準な荷物預かりあり。場内誘導とくになし。前方ベンチ、最前列
に当日券・座布団席１列追加。ややきつし。折り込みパンフ。配役、スタッフ、
予定、俳優名鑑（連載）。物販なし。
舞台。矩形の小窓が一面格子状なグレー壁。下手奥は小部屋状、手前側に
抜け穴な壁通路。上手手前は玄関みたいにして。
お話。正木まさや、は困ってる人のためにと善行放浪。刑務所、障害者を雇って
いる楽器店、喫茶店のマスター、動物愛護活動家。それというのも、超エリートの
兄（市川）のことがいつも意識されるから。でも、理想と現実が当然に違うもの。
いたわりたい人々は虐げられ、無自覚を装った悪意は当たり前。良きことを行おう
とする人達の間も、醜い実体。再会した兄は痴漢未遂の下司に成り下がり、年増女
と愛欲三昧。そんな兄のこともあって、仲間に疎外されまくりのまさや。
一方、兄の悪友・生存がため、人肉食した元船乗りは、罪の意識フラッシュバック。
そんな兄と女、弟と仲間の泥沼、生き地獄をみて、癒される元船乗り。と、もう先は
なさげに、終わってる人達のシニカルストーリー。
なっちゃいない面白さ。ダメ人間ばっか、ばか哀しいを徹頭徹尾、てんこ盛り。
とにもかくにも、猫ホテらしい。悪びれてなりきれない、善人ぶっても隠せないエゴと
差別意識が噴出。市井なピカレスクものとして、いやーんな感じを一層増し。
平等な仲間集会、わざとらしいほど疎外される男と、お約束に優しい周囲とか。
生活に必要がない、高テンション愛憎劇な彼らにしても、一層のやりたい放題。
素材（役者）主義はよけれど、もうすこしお話の練り込みを希望。動機とか、兄弟の
確執とか、よくわかんないんだもの。絶望と救済を描く深いテーマを、浅〜く、
下世話、即物的に描く語り口が魅力的なだけ、もったいないとおもうねこ。
役者。さっぱりしたものが食べたくなるよな、ソース味。中村、ガンツ。大人しめで
いまいち。もっとしてくれよん。池田。そこそこ怪しく、腹八分目ねこ。いけだしん。
だめだめな感じを醸し○。今林。そつなく、子供キャラの嫌らしさとばからしさ○。
佐藤真弓。つぼを抑えて芝居してる芝居、持ち味いかして○。
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