メジャーリーグ制作「おやすみ、母さん night,Mother」
＠三軒茶屋 シアタートラム(2001/10/12-21 14ステージ)
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
全指定 前売り5500円 当日5800円
作：マーシャ・ノーマン 訳：酒井洋子
演出：鈴木裕美［自転車キンクリーツカンパニー］美術：加藤ちか
照明：中川隆一 音響：友部秋一 衣裳：宮本宣子 ヘアメイク：高橋功亘
演出助手：島崎文 小道具：石井みほ 舞台監督：村田明
イラストレーション：進藤恵子 宣伝美術：鳥井和昌
企画：笹部博司 制作：佐藤マキ子 企画製作：メジャーリーグ
出演：
白石加代子：セルマ・ケイツ（母）
渡辺えり子：ジェシー・ケイツ（その娘）
2001/10/14（日）晴 2:03-3:53PM(1'50) 中段下手より 客席満員(250?人)
客層：女性７割。壮年層が過半数の大人客席。
客入れ：当日券あり、詳細不明。誘導はいつもながら万全。折り込みパンフなし。
物販。パンフ(B5 24ページ 700円）。作品、企画、役者のことにそれぞれ思うところ
の文章が充実。原作本(1600円）もあり。
1983年ピューリツァ賞作品とか。今回、快男児なベテラン女優二人での上演。
舞台。居心地良さそうな、小間物沢山の生活感あるダイニングキッチン。上手に
カーペット敷き。ソファとテーブル、ＴＶやらある居間。ソファの傍らには小間物
を置いたチェストがあり、便利工夫。下手にキッチン。市松タイル床に木製テー
ブル、椅子３。壁際にレンジ、シンク、冷蔵庫、食器棚。上の棚には皿がならび。
正面壁を越して廊下、ならびで寝室がある設定。
お話。娘は母親に、時限とともに今晩自殺すると宣言。自分の死後、母親が困らな
いように日常のこまごまを指示していく。母親はなぜ自殺するのか、どうしたら
止められるかと、探りをいれていく。娘が動き回るたび、後をつけて、あーだこー
だと喧しい。母親と子供のバトル、ともとれる会話は時に笑いを含みつつ、一気に
「幕切れ」まで突き進んでいく。
凍てつく夜に小さき炎の暖かみ、な愛を希う姿が胸迫る。かつて結び合って、今は
離れてる親子、そして二人と世間。解り合えないイライラ、じたばた、困惑が
傍目に可笑しい。救いのないお話なのに、ユーモアとペーソスがそこここに滲み出
て、滋味深い不思議。これが母娘関係だから特別なドラマ、人ごととは思えない
共鳴を呼び、尾を引き。堪らない観劇後感は、ちょっと近年ないものあり。演出は
融和、対決と変わる関係性をスポット＜＞全体照明を切り替え、リズミカルに表現。
解りやすく、効果的で○。
真摯に直球を投げ合う役者二人。互いを尊重してるのが役をこして見えるようで、
感動的。細やかな日常生活の所作は自然体。親子（母と娘、大人と子供）な葛藤
関係は駆けっこな激しい動き。深い理解をメリハリある演技でして、さすが。
渡辺さん。憑かれたような目、決然とした佇まいに悲しみをまとった姿が強印象。
白石さん。持ち前の支配的な声と視線、一転の親しみやすさが母親役にはまり◎。
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