＠渋谷 青山円形劇場（2005/5/20-29 13ステージ）
http://www.aoyama.org/
全指定 前売り4500円
＠大阪 MIDシアター 6/4-5 3ステージ
作：千葉雅子[猫のホテル] 演出：河原雅彦
美術：片平圭衣子 照明：倉本泰史[APS] 音響：山本能久[SEシステム]
衣装：伊藤梨絵 映像：ムーチョ村松、吉田りえ[トーキョースタイル]
舞台監督：高橋大輔+至福団 演出助手：福本朝子 小道具製作：百合山真人
殺陣・アクション指導：田尻茂一、川原正嗣、前田悟
宣伝美術：Coa Graphics（藤枝憲、高橋有紀子、河野舞）
制作：伊藤達哉、花本理恵、那須みちの プロデュース：菅野重郎
主催：社団法人日本劇団協議会、創作劇奨励公演 製作：アール・ユー・ピー
出演：
村岡希美[ナイロン100℃] ：根上かつこ（さすらいのすれ違い姉妹・妹）
千葉雅子：根上たつこ（その姉）
坂田 聡：谷村 寛（姉妹に翻弄される男）
河原雅彦：末次優二（謎の男）
粟根まこと[劇団☆新感線]：歌川英明（かつこに乱暴を働く男 初代ゲストレイパー）
松重 豊：五十嵐成道（たつこに恋する男 初代ゲストラバー）
がや四人衆
小林顕作[宇宙レコード]：1女囚・杉浦、2宮平昭良、3医学生・安田、4知花、
5サウナ客・アニータ、6チンピラ・鍋田 ほか
政岡泰志[動物電気] ：1女囚・入江、1村越所長、2新垣名人、
5サウナ客・麗蘭、6チンピラ・金村 ほか
伊達 暁[阿佐ヶ谷スパイダーズ]：1女囚・田辺、2比嘉邦夫、3キャディ・良子、
7そば屋の客・江藤、6チンピラ・笹川
信川清順[元HIGHLEG JESUS]：1里親・田川、3キャディ・光子、4明子、7桜木
中島徹、伊藤一将[メタリック農家]：祭りの高校生
池田成志(声の出演)：ナレーション
2005/5/21(土)晴 2:07-4:02PM(1'54) 上手中段より 客席9割(320人)
客層：20-30歳代中心、女性過半数。単独とグループ半々。
客入れ：当日券不明。客席7ブロック、5段に常設椅子。奥側1ブロックに空席多数
開演後5分間は入場不可、遅刻注意。諸注意は、廣川三憲のやたらいい声にて
あり。折り込みパンフ。B5 3ページ。劇団立ち上げに当たっての各挨拶。配役、
スタッフ、予定掲載。物販。公演関連なし。 カーテンコール1回1分。
河原氏発起、「放浪記」な人情劇のシリーズ化を目途にした新ユニット、とか。
座長・村岡嬢、座付き作家・千葉氏、同演出・河原氏、加え役者・坂田氏で風通し
の布陣。ワンパターンの物語を毎回のゲスト役者で彩る趣向のよう。
舞台。トレードマークな波頭意匠がそこここ。中央、縁が波模様の完全円形舞台。
三方から渋い板敷き傾斜路。奥側は潮かぶりの黒い板塀に、大きくのれん「身も心
も」と脇に通用門。両サイド上にスクリーン、男気と華ある映像を投影。
お話。愛のなれの果てで、姉妹は道を分かち。我が強すぎる姉は西、罪をかぶって
女囚に身を堕とした優しい妹は北。模範囚として出所する妹に現れる、目つきの
鋭いクールガイ。彼こそ、彼女を陵辱し、子までなさせた男。それも愛ある行為
だったと信じたい妹。一くさり後、胡散臭い、でも切れ者の保護司と共に、妹は
上京。
一方、姉は妹から逃れるように沖縄。のどかな島民、その微笑みに隠れた陰を見過
ごさない彼女は、攻めに転じて一騒動。その時出会ったのは脂がのった流れの
闇獣医。彼女と正反対に世渡り上手、でも孤独の影を負ってどこか共感。恋と呼ぶ
には恥ずかしながら、彷徨い求める望みをかくして、同道上京。愛を求めて、
彷徨う姉弟、男女はかくして出会うのだったが。
愛の悲劇遊戯。若くもない大人な悲恋物語にまじ取り組み、いい年して小童な
遊びを添え。お話は地味派手。細やかな人間ドラマの狭間に、秘密めいた背景を
覗かせて謎めき。日活不良映画など、Ｂ級の持ち味を程よく入れこみ、メリハリ。
暴力シーンはたっぷり芝居しつつ、しゃれと遊びで嫌味ならず寸止め。早変わりの
ガヤ四人衆が主役劣らず達者な演技、がやがやと賑わい添え。３等身なキャラでの
主役代行芝居など楽しい趣向。転換中も芝居継続、流れを止めない手際のよさは
特筆に値し。全体、ちょっと浮き足だったムードは好みが別れるとこ。でも、
じっくりドラマの主役陣の演技、万事快調の演出など娯楽作として上出来。微笑み
ねこ。
役者。濃い巧者の芝居が美味しい。濃厚も気安く、名店ランチな親しみやすさが
共通して○。とりわけ。村岡さんの地に足がついた理性的な演技。粟根さんのきれい
な立ち姿と動き。松重さんの味わいある男ぶり。が印象に残ったねこ。
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