二兎社「パパのデモクラシー」
＠森下・ベニサンピット(1995/10/30-11/15 17ステージ） 前売当日4000
作・演出：永井 愛
1995/10/31(火)7:00-9:35PM休憩15 晴 ４列目より 客席９割（１５０）
舞台。神社。畳敷きの居間（社務所）。両壁が斜になり中央に。上手奥におみく
じとか売るとこ。引き戸から境内の林が見える。下手に階段と頭上に、二階の物
干し場。中央にちゃぶ台。芝居は神社一家の朝食から始まる。
お話。戦後間もない'46。国家神道と祭り上げられた神社も急転直下。そこに食
糧難。いつも豆滓ご飯。神主（二瓶鮫一）はひさびさのお米を居候に食べられて
ため息。追い出そうかと思ったところに、罹災者が続々。それも民主主義を縦に
要求要求。もうどうしたらいいのやら、おなかもすいたよ・・・。
ホンとうまくできてる。ウェルメイドというのかしら。奇をてらわず、デモクラ
シーの御旗に翻弄される人たちを描く。結構深刻な話なのに、その場しのぎの奸
計巡らし困窮するのが、逆に笑いを誘っちゃう。テンポよくて、意外な展開も○
善悪の矛盾を抱えた人の両面を巧く浮かばせたとこ、◎。差別を戒めながら、や
ってることは差別そのものなんて、皮肉も効いてる。汚くても生き残るため、必
死な人たち。彼らを肯定する舞台には、感動ねこ。
全体、問いかけばかりって感じは、△。答えは観客それぞれにってこと？。
知恵の足りない、養子とは名ばかりの使用人・千代吉（山本龍二）がいい。狂奔
する周囲に、イノセントであった彼も疑問を抱き始める。目覚め、養父に対する
ラストは拍手。家庭の問題が二重三重に広がって、民主主義を問いかける深さあ
り。巧いなあ。当日券は平日のせいか、開場後でも余裕でした。
|