にんじんボーン「あ・の・こ・ろ」
＠下北沢・駅前劇場(1998/2/3-8 8ステージ） 全自由前売り3000 当日3500
作：細谷マリコ 演出：宮本勝行 出演：倉沢 満、蒲田 哲、宇奈月慎太
松浦珠樹、山口雅義、高木尚三、青木 豪、田中美穂、織田千夏（配役名は
織田さん意外、名字に全員「ノ」付、宮ノ本とか）
1998/2/6(金)快晴 7:05-8:45PM 最前列より 客席ほぼ満員（140人）
客層：20〜30才代中心。野郎が過半数と多め。客入れ：当日券開演１時間前から、
前売りと入場順の区別なし（お金でされてるから。偉い。）受付は、美人の細谷さ
ん。役者としても出てほしいもの。全椅子席。最前列でも、前に１ｍ空間でゆった
り。座布団１枚付きが親切。
２年半ぶり、待望の公演。その間につくってた映画も来週上映。
舞台。学校の体躯教師室。ありありな木造校舎してるリアルな美術◎。上手袖に入
口。手前にはんこ入れ？置いたキャビネット。傘入れには竹刀、バット無造作に。
中央、横に先生達の小さめ木造机が３＋１ヶ。節分なんで脇に鬼の面とメガホン。
奧に予定黒板と掲示板。校長先生バースディ、節分とか記載の遊び気分。下手、古
道具然としたソファとテーブル。壁に賞状２。奧にファイル（クロス装丁な）とな
んかロッカー、トロフィー、脇に給湯場。中央柱が出っ張り。下手袖、放送機材と
かある部屋設定。 床は洗い晒し、ワックスかけておらず。
お話。1975を回想する平凡なサラリーマン。勉強ばかりの高校生活＠茨城・土浦。
その日は、彼には一生思い出の大事件が起きたのだった。ぬれぎぬを巡る、教師と
生徒の（一方的）バトルロイヤル会話劇。
すばらしい、ねこの琴線にふれまくり。大人計画とにんじんボーンだけ観られれば
悔い無し（いや、ちょっとあるか、今回。）無知蒙昧、自己中心な酷い教師達に翻
弄される、冤罪優等生がちと大人に成長する、厳しくも心優しく切ない物語。人の
暗部をシビアに、外観は出鱈目な笑いといい話モードで描いてく。あざとさ、胡散
臭さなど、演劇な趣向たっぷりな演出がまず◎。好き。役者も好演。もうすこしと
は思うけど、○。
奥居さんがここにいればなあは、無い物ねだり。
絶対などない世界、利己的で虚偽もする△な人間をクール見つめる。その冷えた理
性がどたばたないい話の底に見え◎。正しいはずの生徒が理不尽な目に遭う。酷い
けど、正しさをまんま主張、人を盲信する生徒にむかつく教師に、ちと共感ねこ。
いろいろある大人からみたら、○は○だけど○じゃない。悲しいことだが。フォロ
ーある顛末や回顧など含め、信じられるお芝居と思うねこ。
役者。宇奈月（宮本）。余裕あり、隙間をアドリブと名演技で埋め、盛り立てる。
困った顔演技に笑う。山口。相変わらず声でかい、変幻自在、存在感も語らずとも
あり。おおぼけの中、刺すような一言が◎。全体、言わずの思いの交感までアンサ
ンブルができたら、もっと◎は今や高望みかしら。
|