LOVE THE WORLD 第3回公演「仮面劇 リラックス」
＠大阪南港「ふれあい港館」特設野外円形劇場「ラフレシア」
（2003/5/1-5 5ステージ）
全自由 前売当日共 一般2000円 学生1800円
作・演出：西田シャトナー
ステージング：いいむろなおき[いいむろなおきマイムカンパニー]
舞台美術：はしのちなつ[チプラスタヂオ] 音楽：秋山裕和[座☆Funny
World]
舞台監督：塚本修[CQ] 照明プラン：武吉浩二[CQ] 照明OP：池辺茜[CQ]
音響：長岡敏之[CQ] グラフィックデザイン：末満健一[ピースピット]
ダンス指導：希ノボリコ[劇団☆世界一団]
制作：辻本陽香[LOVE THE WORLD] 企画制作：LOVE THE WORLD
出演：
天野美帆：リラ
米澤梢 ：ハチスカ
古田公彦：アブムグリ
斉藤裕樹：リラの父(花屋）
木原勝利：果物屋・ラメーン
尾崎舞 ：ワッペン屋
松本絵理：ワッペン屋の子分、ハチスカの父
浅見辰男：警官、アブムグリの母
松岡紗織：仕立て屋の奥さん
重田 恵：看板屋の奥さん、国際執行官ホラーショウ
青木雅美：肉屋の息子、コンゴ
北本祐子：牧場主の娘
寺川昌宏：郵便屋
松本直子：校長先生
片岡百萬両：教頭先生
竹内真理子：スナギモ先生
細川智子：ガチブクロ先生
岡田充生：ニンニクチップ先生
佐藤笑美子：サアンダ先生
2003/5/5(月祝)晴 6:0?-8:19PM(2'10?) 入口側より 客席8割(110人)
客層：20-30歳代中心。男女半々。
客入れ：遅刻につき、客入れ不明。防寒用ビニールの配布なし。半袖の人も結構いた
けど、日が落ちた後半は寒そうな様子。折り込みパンフ。A5 3ページ。舞台写真、
配役、スタッフ掲載。物販。サントラCD 1800円。
更地も多い開発地・大阪南港。９劇団が連続して上演する野外劇場企画・第２弾。
遅刻ねこは冒頭未見、ということでのレポートを下記。
会場、舞台。半透過のプラスティック壁の完全円形劇場。屋根は客席頭上、真ん中は
青天井。地面中央、濃いさび色の□4.5m平床。四角の白線が内外に引かれ、部屋、家
、通路を表し。内側の白線上、□1mの布ボックスが中空に降ろされると室内の印。
また、水を充たした透明な球が四隅に吊されると、戸外・井戸（井戸端）の印。など
となり。開演は日の入り時刻直前。戸外に透けた会場は暁に薄く染まりながら、闇に
入り。物語の深化と同調するようで、とてもムーディな趣向なり。
お話。死刑執行が祝祭、そんな国。死刑執行人は国民のあこがれの職業。子供を最高
学府・死刑アカデミーに入れるのが親たちの目標。少女リラは早くから死刑に恋焦が
れていた。あろうことか、「死刑ごっこ」で幼なじみを殺してしまったほどに。
長じて、アカデミーに入学、貧民街出身の２人の仲間と意気投合、三羽烏。彼らの
天才的な才能には教師も一目置く。がその出生ゆえか快く思わない教師もいた。
三人は偶然発見した薬草により、教師を死刑囚の体質に変えて、罠にはめようと
企む。アカデミーの死刑執行実習。よりによって死刑囚役に志願したリラら3人を
親たちは訝り、安全性への疑問から中止を訴える。実績から訴えは退けられたが、
結果はリラ以外の二人が事故死と最悪。両親、マスコミはアカデミーの責任と真因を
激しく追求。仕組まれたとの疑惑がないとはいえない。渦中のリラは黙して語らず、
突然に群集や記者たちを次々と殺戮し始める。その数6000人とも。死刑が確定、
執行。しかし、リラはその心中を語りはしないのだった。
西田シャトナーの意欲的冒険。成功未満だけど、未完成の可能性に期待ねこ。集団
マイムのコロス、モノローグ、少人数の会話ら俳優の演技と、美術音楽照明の空間
造形を巧みにカップリング。言葉にとどまらず、種々ビジュアルイメージで物語る
手法。後半は無言の集団演技が連綿と続き、「死刑実習」以降は圧倒的。ラスト、
リラのエモーショナルな独舞もまた印象深いねこ。集団演技はまた、物語をコロスの
伝聞で進行させる形をとり。真相は置き去りにして、噂で造られていく「事実」が
今風で興味深いねこ。惑星ピスタチオ時代の「満月の都」の集団マイムと
「熱闘!!飛龍小学校」の噂モチーフを彷彿も、これは更なる進化形といえるかも。
若いパフォーマ達は旗揚げから進歩、大健闘。でも、演出の要求にまだまだ応えられ
たとはいえず。精進潔斎して、すごいの創ってほしいねこ。
役者。片岡百萬両さん。頭の回転速そうな、つっこみ○。天野美帆さん。伏し目がち
な瞳、たおやかな動き○。
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