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 ナイロン100℃ 25th session 10years anniversary「ハルディン・ホテル」

 @下北沢 本多劇場(2003/11/7-30 29ステージ)
 http://www.honda-geki.com/honda.html
 全指定 前売5000円 当日5500円 11/7プレビュー前売り4000円 当日4500円
  @大阪 近鉄小劇場 12/5-7 4ステージ
  @北九州芸術劇場 中劇場 12/13-14 2ステージ
  @滋賀 栗東芸術文化会館さきら 中ホール 12/17 1ステージ

 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
 舞台監督:福澤諭志+至福団 舞台美術:松井るみ[センターラインアソシエイツ]
 照明:関口裕二[balance, inc.DESIGN] 音響:水越佳一[モックサウンド]
 衣裳:ミシンロックス+コブラ会 映像:上田大樹[INSTANT wife]
 演出助手:山田美紀[至福団] 舞台監督助手:掛川裕行ほか3
 照明部:瀬戸あずさ他1 音響部:茶木陽子他1 衣装部:伊澤潤子[大人計画]他
 小道具製作:橋本加奈子[SING-KEN-KEN]他4 振付:長田奈麻
 ヘアメイク協力:武井優子 大道具製作:C-COMmオサフネ製作所
 大道具:唐崎修[smile stage] 小道具:高津映画装飾 特殊効果:特効
 宣伝美術:高橋歩[資生堂] 宣伝写真:中西隆良 制作:花澤理恵
 企画・製作:(株)シリーウォーク 後援:東京FM
 出演:役柄別途掲載
 犬山イヌコ:フタツモリ(ツアーコンダクター)
 大倉孝二:ゴミ
 三宅弘城:マルボシ
 松永玲子:セツコ
 長田奈麻:ミツワ
 村岡希美:ヒヅメ

 みのすけ :アズマ(ホテル従業員 チーフ)
 廣川三憲 :チン(ホテル従業員)
 喜安浩平 :ボウゾノ(ホテル従業員)
 小林高鹿[ペンギンプルペイルパイルズ]:ツネズミ(ホテル従業員)
 杉山 薫 :ソメヤ(ホテル従業員)

 新谷真弓:アイ
 藤田秀世:タカノ
 廻飛雄 :メグリ
 大山鎬則:モズ
 眼鏡太郎:シゲタ

 佐藤竜之慎:マダム
 皆戸麻衣:ゆう子
 柚木幹斗:電器屋
 吉増裕士:警官
 植木夏十:メイ(チンの娘)

 2003/11/15(土)曇 1:36-4:52PM(83/休14/95) 中段中央より 客席超満員(410人)
 客層:20-30才代中心に中年層もちらほら。女性6,7割。カップル、二人連れ多し。
 客入れ:当日券。前側通路に釣り椅子一列。前後通路、階段席はなし。開場10分後で
 2,3空席あり。開演定時6分過ぎから、映画「1980」予告編。9分過ぎ開演。
 休憩時間予定は10分。トイレが混むので、開演前に済ませて掲示あり。チラシ束は
 厚めも、輪ゴムでまとめてくれ、気が利いてて○。これで専用廃棄箱もあると◎。

 折り込みパンフ。A4 縦に4つ折り。配役、スタッフ、予定掲載。
 次回公演。3月にシリーウォーク プロデュース 千葉雅子演出「フリドリア日記」
 ブルースカイ演出「ウチハソバヤジャナイ」。
 物販。パンフ(A4で正方形 4mm?厚 1500円)オールカラー、きれいなデザイン。
 読み物も多し。10周年記念パンフの予約(12/5販売 2500円) DVD予約(5/15販売
 6500円) Tシャツ 5タイプ配色もの 1タイプ限定もの 2800円。

 健康→ナイロン100℃となって、もうそんな、あっという間の感がある10年目公演。

 舞台。高度成長期モダンな、ホテルロビー。真正面に回転ドア入口、左手に喫茶な
 テーブルと椅子、右手にフロント。前面にテーブルを挟んだロビー椅子、下手端に
 ソファセットと観葉植物。2階装置はブラインドを開閉してみせ。上手端エレベータ
 、下手階段も、ならでわまたは予想外の装置として使われ。
 
 お話。そのホテル開業の日の泊まり客には、10年後の無料招待券が配られた。10年目
 の今日、それを手にした人たちが再びやってくる。チーフは幸せそうに回想。ツアー
 の宿泊客、転身新進女優、駆け出しシナリオライター、そしておとぼけ従業員。みん
 な笑みを絶やさず、楽しい思い出。しかし、10年を行き来する物語は、チーフの無邪
 気な笑みからは遠く、不可思議かつ無惨なもので…。
 
 脳天気な笑いに彩られた、残酷な人間関係。シニカル・コメディさもあり。奇妙で
 陰惨な事件、突発するシュールやナンセンスの謎が連綿、つうか繋がらずに延々。
 揚げ足取り、連想ゲーム式に、脇道にいっちゃう無駄故にいつもながらの三時間。
 しかしながらに、無駄は精緻にこだわりに造り込まれ、個々におもしろく、退屈と
 は無縁の上出来。まったりと、ぽつぽつ沸き上がる笑いを楽しむねこ。
 
 チーフの明るい回想とは裏腹に、思い出は楽しくもなく、再会は懐かしくもない。
 愛情や信頼は裏切られ、自信は過信に転じて、最悪。思いこみと勘違いの回想は、
 恋や理念の妄想な一面にも似て、夢見てもいられない現実を露にしていく。そんな
 危うい物語を確固たるチームワークで作り上げてて、10年の成果をみる思いがする
 ねこ。無残な物語のラストに、湿ったほろりシーンが一瞬。妄想の裂け目にのぞく
 真情の切なさ、いじましさに、しみじみするねこ。

 役者。個々に突出しつつ、アンサンブル上出来の粒ぞろい。バカ、シリアスとも
 力強くやってくれる三宅さん。ちと凄みの艶っぽさが加わって、ほよーな新谷さん。
 がとりわけ印象に残ったねこ。

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