榴華殿(RUKADEN)「疵(きず)」
＠王子・王子神社境内 特設野外劇場 (1998/7/17-23 7ステージ)
全自由前売り3000当日3500
作・演出：川松理有
出演：古本恭一、森田小夜子、佐々木螢、三村晃弘、
平出龍男、大路幸成り、佐野陽一、横山よしひろ、伊藤美奈、高井純子、深津優希
山田玲奈、高木華恵、太田健介、小島雅史、大川太一 演奏：石田忠史、
山崎千鶴子、大瀧公明、室館彩、尾崎知子
1998/7/18(土)晴れ 7:00-9:35PM 後方より 客席ほぼ満員(100人)
客層：20歳代中心に老若男女。女性過半数。
客入れ：テントで屋根をつけた客席。ござ敷にエアクッション配布。１，２列が段
付きでやや見やすいかな。夏場故、若干数蚊が飛んでくることあり、弱い人は注意
会場。北とぴあと反対側。人工渓谷のうっそうとした森に連なった神社境内。吹き
すぎる涼風に、そよぐ木々のはずれ音が心地よい夕べなり。
舞台。木々に囲まれた広場。中央に竹でくんだ社、つるされた吹き流し（というのか
七夕飾りのような）。上手に楽隊のテント、下手にサブステージ。テント前の板
敷きがお屋敷屋内な設定。
お話。群雄割拠な国土のとある国。若き王・与羽よはね（平出）は后・毬（佐々木）
を迎え、お屋敷は喜びの中。しかし、領民は疫病や災害、対処のいきにえの因習
に苦しんでいた。そんな折、亜檜あろ（古本）は殺された村人への復讐心から、神
の子と奉られる山犬を手にかけてしまう。忌み嫌われる彼の胸にはいつの間にか、
犬型の奇怪な傷跡が。救世主を探す、外つ国の予言者・毛仙もうせん（三村）は
それを見いだし、彼こそ神の化身ともちあげるが。
嫉妬、欲、保身など人がもつ弱さ故の悲劇。無垢な主人公の転石な運命にそれらを
浮かばせてく。勧善懲悪と割り切れない登場人物達、悪事に組みするものも否定し
ない優しい視点あり。もっとピカレスクな描写の強度を増したほうが、テーマを
浮かばせて○と思うとこもあり。
本火、本水、祭事なパレード、広場を駆け抜ける人と、野外を活かした演出あれど
もひとつ食い足りないねこ。心理の綾を描く展開がほとんど舞台前面に集中、室内
劇しちゃってる場面が多いこと。２日目のせいか、ちと演技がもどかしいとこ。
照明はただの外灯？、もう少し見せる工夫がほしいとこ、とか。ラストのカタルシスは
野外劇らしいけど、全体もっと大胆さがほしかったねこ。
役者。主人公役、古本さん。親しみも感じさせる演技が役にあって○。予言者の
傀儡と思いきや役、森田さん。愛憎の激しさをかいま見せる、小さな体に大きな
存在感○。予言者役、三村さん。適度な重々しさ、○。
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