流山児★事務所「最後から二番目の邪魔物」
＠下北沢 ザ・スズナリ (2002/3/24-31 10ステージ) 27m アフタートーク
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全自由 前売り3500円 当日3800円 学生2500円 高校生以下2000円
＠名古屋 名古屋市東文化小劇場4/5-7 大阪 扇町ミュージアムスクエア4/10-11
作：佃 典彦[Ｂ級遊撃隊] 演出：天野天街[少年王者舘]
舞台美術：田岡一遠 音楽：珠水 照明：小木曽千倉 映像：大月未知也
音響：戸崎数子 振付：夕沈 舞台監督：岡島哲也 演出助手：畝部七歩
衣装：斉藤千晶 小道具：矢野裕美 宣伝美術：アマノテンガイ
制作：米山恭子
出演：
若杉宏二 ：ひきこもり男
水谷ノブ ：元妻の男 あるいは「デカＣ」 [少年王者舘]
栗原 茂 ：宗教団体の男 あるいは「デカＢ」
流山児祥 ：パジャマ男 あるいは「デカ長」
イワヲ ：数少ない友達の男 あるいは「デカＡ」
さとうこうじ：臨床心理士の男 あるいは「赤い男」
稲 増文 ：その見習いの男 あるいは「青い男」
甲津拓平 ：中北薬品の男 あるいは「歯医者Ａ」
谷 宗和 ：富士薬品の男 あるいは「歯医者Ｂ」
関根靖晃 ：常盤薬品の男 あるいは「歯医者Ｃ」
篠田エイジ ：冷蔵庫の男 あるいは「母」 [少年王者舘]
上田和弘 ：吊された男 あるいは「父」
蒲 公仁 ：竜巻親方 あるいは「デカＤ」
津村知与支、神田剛、河崎耕士、中谷政雄（東京のみ）：力士
2002/3/31(日)晴 2:07-3:53PM(1'43) 前方より 客席ほぼ満員(150人)
客層：30歳代と中年層、男女半々。お金持ちはあんまりいなそうな庶民的印象。
客入れ：ゆるゆるの整列誘導(番号付きもお客集まらず、三々五々）。荷物預かりは
内外ともあり。ベンチ１１列、15人掛けの標準。最前方には空きがあって見やすし。
いろいろ飛んでくるお楽しみもあり。折り込みパンフ。B5 4ページ。キャスト、３人
の挨拶。予定はチラシ参照。次回公演は、6月鐘下辰男新作＠本多劇場。
物販。ポスター500円、戯曲収録のテアトロ誌。
Ｂ級遊撃隊とtsumazuki no ishi カップリング公演「水槽の中のアルマジロ」を、
ドストエフスキー「地下室の手記」をべ一スに全面改訂した作品とか。ふーん。
舞台。狭くて散らかってるアパート一室。床に男物下着とか一面、上手シンクに
カップ麺の空容器積まれ、総じてだらしない。中央、角を手前にコタツ、上に
「土俵」ミニチュア（紙相撲用と後に判明）。天井から相撲土俵上に吊られてる
江戸紫の四角幕・四隅に房（緑、紫、白、赤）が異様。相撲といえば、壁に相撲協会
カレンダー、番付、力士写真一覧とかもあり。そういうマニア部屋？。奥、正面に
入口扉、右に冷蔵庫、左にトイレ〜押入〜クローゼット。
お話。中年男は「世間」からひきこもり。茫洋と暮らす中も生き甲斐、妄想の相撲
試合。そこで、自分は専門誌のうるさ型の編集長。妄想から覚めての暇つぶしは
望遠レンズカメラでの「世間」ののぞき。そんな「楽しい日々」にじゃまなのは
歯痛、唯一の世間並み現実ともいえる。耐えかねてかみ砕くは「セデス」。
さて、その日は朝からトラブル続き。離婚調停に、訪ねてくる妻の新しい男。ノルマ
不履行の沙汰なしに訪ねてくる新興宗教の男。覗かれて嬉しい、もっとと怒鳴り込ん
でくる、パジャマでやくざな中年男。富山の小うるさい薬売りトリオ。内偵の胡散
臭い臨床診療士。
もう、ほっといてくれよと男、引きこもりの上にも引きこもり重ね。それじゃ困るの
よと、男ども。もう息苦しい中で、この上に実はと正体ばらし。失踪した女を捜査する
警察、歯の治療、そして世界の破滅につながる事件を内偵してるという探偵二人組。
否が応でも、現実と人間にむかわざるを得なくなったひきこもり男。現実も非現実も
どうでもいい。じゃまなのは苦痛、生きていることだ。
生き地獄をどう描くかで面白い。お馬鹿な喧噪の内に修羅場模様。生きてるようで
死んでいるような主人公。苦痛だけ生きる証、その不滅さ故に自死しても終わらない
、とシニカル千万。感傷、哀惜に墜ちないドライでブラックな味わいが、らしくて、
ふふ〜んねこ。
演出。王者館作品とは違い、時間軸は単純（そうにみえる）。天野氏、がまんたまら
ないのか、歪ませ。おなじみの無限ループ反復シーンを挿入。脳内麻痺な非常感触
そこここ。王者舘(振付・夕沈）ダンスも全開。狭い舞台で12人群舞、むさ苦しい
面白さ発揮。むさいといえば、総員ふんどし力士姿での土俵入ダンス。夢に見そうな
、馬鹿迫力で圧倒。ともろもろの馬鹿面白さに愛情感じるねこ。ノイズィな青空画像
のフラッシュ挿入、舞う桜花に唐突暗転終了など、クールさにはいつもながら痺れる
ねこ。
役者。流山児・パジャマおじさん。ドーピングされたか、暴れまくり。無限ループの
きっつい演技してる役者への暖かい眼差し○。若杉・死に損ない男。死んだ魚のよう
な目、怠惰を体現するよな力の抜け加減◎。いい役者っスね。
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