＠高円寺 座・高円寺1(2015/8/14-23 11ステージ)
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全指定 一般4000円 初日割引3500円 25歳以下3200円 高校生以下1000円
作：W.シェイクスピア 構成・脚本：西沢栄治（JAM SESSION）
音楽・演奏：坂本弘道 脚本・演出：流山児祥 振付：北村真実（mami dance space）
殺陣：岡本隆（獣護鬼） 美術：V.銀太（グローシャ）
照明：沖野隆一（RYU CONNECTION） 音響：島猛（ステージオフィス）
衣装：竹内陽子 映像：浜嶋将裕（少年王者舘） 舞台監督：高橋淳一
演出助手：小形知巳 撮影：横田敦史 制作：米山恭子、龍昇
主催：有限会社流山児オフィス（流山児★事務所）
助成：文化庁文化芸術振興費補助金（トップレベルの舞台芸術創造事業）後援:杉並区
出演：
若杉宏二：マクベス
伊藤弘子：マクベス夫人
石橋祐 ：バックォー、医者
森諒介 ：フリーアンス
栗原茂 ：ダンカン、暗殺者2
今村洋一：マルカム
谷宗和 ：ドナルベイン、暗殺者3
伊達暁[阿佐ヶ谷スパイダーズ]：マクダフ
植野葉子[tpt]：マクダフ夫人
山丸莉菜：マクダフの息子
小川輝晃：ロス
清水圭吾[文学座]：アンガス
武田智弘：レノックス
森田祐吏：メンティス
辻京太 ：ケイスネス
上田和弘：シートン
近童弐吉：暗殺者1
藤田佳昭：モンバン、兵士1、使者1、バオダイの領主
柏倉太郎：モンバン、兵士2、使者2、死刑執行人
渡辺修[さらんぱさらん商会]：モンバン、兵士3、使者3、死刑執行人
井村タカオ[オペラシアターこんにゃく座]：魔女1
海津義孝 ：魔女2
眞藤ヒロシ：魔女3
神在ひろみ：魔女4、侍女1
洪明花[ユニークポイント]：魔女5、侍女2
佐原由美 ：魔女6、侍女3
荒木理恵 ：魔女7
竹本優希 ：魔女8
星美咲 ：魔女9
橋口佳奈 ：魔女10
めぐろあや[楽塾]：魔女11
阪口美由紀[楽塾]：魔女12
高野あつこ[楽塾]：魔女13
内藤美津枝[楽塾]：魔女14
みながわななえ[楽塾]：魔女15
河内千春[楽塾]：魔女16
廣田裕美 ：魔女17､マララ
有希九美 ：ヘカテ､老女
演奏：
坂本弘道[Cell0,etc]、斉藤哲也[Key,etc]、諏訪創[Dolcaina etc]
2015/08/19(水)曇 7:06-9:18PM(2'10)前方中央 客席ほぼ満員(180人）
客層：20-30才代と中年層。男女半々。
客入れ：三方囲み、正面Ｅ列最前雛壇5列、サイド3列。舞台が床面高さと低く
見やすし。折り込みチラシ厚め。パンフ A4オールカラー5ページ。30年全221作品
一覧掲載。物販。未確認。カーテンコール1回1分。
30周年記念公演ファイナル。91年再演から3回目のマクベスは俊英・西沢栄治との
タッグでアジアがコンセプト。
舞台。削がれてシンプル。白の一面、真四角の平台中央に丸い井戸。後方階段を
上がって、幕が掛かったステージ。どこか神殿彷彿。天井近くにバルコニーまで
空間活用。
お話。武将マクベス。魔女にそそのかされて、王と盟友の武将を殺し、王位を我が
ものに。しかし、王の遺児に討たれてしまう。
高揚感溢れるポップな舞台、しかし決して軽くはない。大人数のモブ、女性達が
わんさか、シニア劇団楽塾まで多彩に出演。枯れたヨーロッパではないアジアの
ムードを醸し。劇中歌もふんだんに、暗く湿りがちな原作を上昇気流に乗せて、
熱く心地良く魅せ。権力闘争の源である欲望と恐れ、終の虚しさを劇団はえぬきの
若杉宏二、伊藤弘子の好演で、存分に見せつけ。現代化の要素もちりばめ、日常感覚
で体感できるものとして判りやすいマクベスとし。
客演もまた存分。伊達暁、植野葉子の際立つ存在感。井村タカオの朗々とした歌唱が
素敵。久々にみた海津義孝の変わらずの演技を嬉しくみるねこ。
アフタートーク 9:23-9:50PM(27)6割居残り
松岡和子、流山児祥、西沢栄治
松岡（台本そのまんまは初めて） 流山児だから変えても仕方がないかと思って
いた。日常的に体に入っていて感激した。
西沢 しゃべりやすいし、恥ずかしくない。
松岡 正攻法ながらびっくりする場面、工夫がある。魔女が沢山、ヴェルディの
オペラもそうだが、歌での音量の都合もあるが通じる。
流山児 マクベスと夫人は劇団に30年いる二人。その記念でもある。劇団の感じが
ある芝居になった。劇団以外もずっとつき合ってきた人ばかり。
流山児（マクベスと相性がいい）初演と再演は大会場だったこともあり、男っぽく
スペクタクルにつくった。今度は井戸から生まれるところだから大分変わった。
松岡 ユーリタウンの上演をしてきて劇場がわかって全部使っている感じ。
流山児 全部やっている。原作にないところも、妄想で。それを西沢が実体化して
くれた。ここは戦場。子供はみなマクベス夫人から生まれる。最初はマクダフ夫人
のレイプシーンからやろうと思ったが止められて、戦場で女達から生まれると
した。
流山児（マララは最初から？）マクダフ夫人がレイプされている間にマララが語ると
いう恐ろしいシーンを考えていたが没に。
松岡 魔女をどうするかがマクベス上演の鍵。ショッピングバックレディー（ホーム
レス）達が死んで固まってマクベスになる。
流山児（ダンカンの長男、次男を最後に外すのはなぜ）最終的に長男は権力は
いらない。コンビニ袋を被った息子も同じ。松岡 権力者が誰でも殺す恐ろしさ。
話を聞きたくない奴は消してしまう。流山児言葉で翻弄される凄さ。南北もそう。
二人の作家が同時代だった凄さ。
松岡 初演で魔女達が三本の剣でマクベスを翻弄する演出がよかった。今回もその
場面があって嬉しかった。魔女＝言葉としている作品。
流山児（何で男性が魔女を演じているのか）ちんぽを切って女になった。
その場面はカットしたが。
松岡 そことマクダフ夫人の妊娠がつながっていく。
流山児 女はタフ、男がダメだから。今とつながっていく。
西沢 今年はマクベスイヤー。
松岡 これまでの4年に一度のブームはなくなった。時代の空気と今があって上演
されるのだと思う。いままでで一番記憶に残っているのは19？年に都内で
ハムレットが11本行われたこと。
松岡 暗殺者の書き方。監獄から出してやるとマクベスにいわれてやったに
違いない。
流山児 熱をもった男達がばかをやって芝居を最近見かけない。シェイクスピアは
人物が太いのがいい。
西沢 マクベス夫人は「私」ではなく「私たち」といっているのがいい。
松岡 聞いていると二人のことだとわかる。
流山児 過去の上演。ルヴォーやメンデスはいまや大御所。
松岡 自分は相変わらずだけど（いやいや）。
松岡 （今どのの作品を翻訳されているか）尺には尺。初期の作品はなんでおばかな
ことをと、同じ作家かと思うほど。蜷川さんへの翻訳提供について。
流山児 西沢の構成は面白い。鼠小僧を任せたが、ばっさりとやってくれた。
西沢 自分の構成プランがすっかり帰られてしまうが。
流山児 演出家のプロパーは日本では少ない。作家と演出を兼ねていて、自分自身と
ずっとやっていてつまらなくなる。
松岡 流山児は自分自分と言っているようで、そうではないところが凄い。
流山児 今後はなるだけ海外で公演したい。
西沢 これから四谷怪談とマクベスを上演する（お詣りにいかないと）
松岡 もう少しでシェイクスピア全作品翻訳が完了すること。
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