白石加代子「百物語 第七夜」
＠神保町・岩波ホール
構成・演出：鴨下信一
1993/7/24(土)8:15-10:20 曇り 一列中央より
彼女の声で、会場の空気が変わる。ぞくぞく。この快感、恍惚感。
恐い話し、不思議な話しを選んだ朗読シリ−ズ。第七夜。今夜は本格的怪談。
歌舞伎の戯作でも知られた岡本綺堂を２作。武家屋敷の怪異を描いた短編
「父の怪談」と、影を踏まれることを恐れる娘のお話し「影を踏まれた女」。
後半は、橘外男「蒲団」。下半身が血みどろの美女の幽霊と、まつわる蒲団の
怪異ばなし。
怪談ですので、そのものずばりではありません。得体のしれない不思議さが、
余計恐い。でも、白石加代子の語り、表情を前に、目や耳を離すことが出来ない。
恐くて緊張するが、こんな面白く、おかしい体験はちょっとない。
いつものように、人物の演じわけが見事。特に、「蒲団」の商家の旦那、女将、
若旦那、娘まで、皆色がくっきり違う。すごい。引き込まれます。
衣装も楽しみのうち。和服のことは知らないのですが、品の良くて、凛とした
着こなし。たたずまいもかっこいい。
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