白石加代子「思い出の則天武后」
原作：深瀬サキ 構成/演出：野村耕介
1993/10/4 3:00-4:30PM 曇 客席９割
原作のよくわかんない生理。白石加代子ももひとつ食い足らない
会場。初見。熱海の高台。山をくり貫いてるのか。長いエスカレ−タを３つ。都営
新宿線くらいの。と小２つで展示室。途中、照明が七色変化の円形ホ−ルなどで、
トリップ。宗教がらみかなあ。広がる伊豆・下田の海原。ちと、曇ってたけどいい
気持ち。陶器が多い。樂 吉左衛門というひとの茶器が、艶めかしく怪しい。
ほしいな。
さて、舞台は能楽堂。国立よりでかいか（キャパ５００）。天井が高い、普通の倍
はある。ねこ席は、脇正面２列め。至近距離で観れました。ラッキ。
お話し。女優・武照子（たけてるこ）。自分を生み、死んだ母への思慕の念。
ねえ、母さん。わたしは則天武后（＝母親）になって、自分の子を殺すわ。そうす
れば母さんは、わたしに殺されることはないのよ。殺される日を夢見る武照子。
武照子によってよみがえる則天武后。洛陽にて。最初の夫、太宗皇帝の亡霊や息子
と思い出を語る。あの桃園での日々･･。息子は母親の行状を悲観、自ら命を絶つ。
また、武照子は母親を思いながら、ラジオドラマの稽古。マリリン・モンロ−、
マタハリ、和泉式部・・。そしてすべては思い出のなかに・・。
理解はできるけど、よ−わからない。母殺し・・は体がうけつけないよ。？な原作
役者。恐ろしくて切なげ、豪胆でお茶目な白石加代子。いつもの演技でお客をつか
みます。もう台詞の表現力が抜群。でも、則天武后と武照子の色分けがもひとつ。
原作か、演出か、私の思い過ごしか。う−ん。
会場のアコ−ステックが良いため、声がますます通る。本人も気持ち良いのでは。
音楽。パ−カッションと笛（一噌幸弘）。笛で電話の音をやったり技を見せます。
衣装。辻村ジュサブロ−。舞台、上下に着物をならべる演出。ちと、くもった色だ
けど。はでな宮廷衣装。
全体では期待はずれ。でも、好きだから次公演も観にいくのさ。
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