＠三軒茶屋シアタートラム (1999/11/9-23 21ステージ）全指定前売り当日共5000
原作：江戸川乱歩「黒蜥蜴」 作・演出・美術・衣装・美粧：橋本治
照明：高見和義 音響：斎藤美佐男 美術補：徳舛浩美 演出助手：大熊康浩
衣装製作：宮本宣子 ウィッグ製作：服部真樹 舞台監督：伊達一成
製作：鈴木奈緒子 プロデューサー：神戸丈志
出演：篠井英介（黒蜥蜴） 鈴木規依示、田中謙次、前田一世、吉守京太（後見）
1999/11/14(日)晴れ 1:05-2:35PM(1'30) 中段より 客席満員（250人)
客層：老若の女性８割。お花ファンのおねえさん達が最多？。
客入れ：当日券。最後尾補助椅子一列＋本席若干。発券状況は不明。パンフ(1000)
モダンな装丁、黒木調の表紙も○。野田秀樹の出演者への寄稿掲載。
橋本治全面バックアップの意欲的公演。三島じゃなくて、乱歩の「黒蜥蜴」とか
こだわり、配慮いろいろ企画。
舞台。照明控えて。ろうそく明かりで闇を演出。舞台、真ん中の大きな□枠に
なにやら絵柄。後方の壁はレンガ状、「黒蜥蜴、参上」と朱記。
お話。三場とエピローグ。痴情のもつれから女を殺した青年を前に黒蜥蜴。助ける
代わりに、宝石商令嬢の誘拐を手伝うのだと命令。黒蜥蜴の狙いはダイヤモンド
そして・・・。
エイスケたっぷり。お芝居みた、エイスケみた印象。もっとな物足りなさがいい
感じ、再演に早くも期待ねこ。衣装、照明、音楽はきっちり統制。端正な中も情念
を炙り出そうなセンス○。場面毎衣装変え。ブルーブラックのドレスに黄色のイン
ナーが覗く一幕。背中を開けた純白ドレスに透明白ガウンを羽織るニ幕。赤と黒の
ドレスとヘアスタイルの三幕。最後のが締めつけられた有様に、黒蜥蜴の囚われ、
孤独感を感じさせて○。闇にビビット黄色、赤色照明。美しくも不安醸し。幕間の
ギリシャ古代音楽の暗がり感。ケダモノな場面を語るＢＧＭに、美しいマーラー
SYN5アダージョのアンビバレンツ。常磐津「忍夜恋曲者」はもろイメージかしら。
頭でなく生理で感じさせる傾向。匂いみたいな。お嬢じゃない、時に鉄火なおねえ
さんしてる、エイスケ黒蜥蜴。凛として艶がある。江戸びいきなところに好感ねこ
目線、声色が強力。やや脅迫めいて感じるほど。そこんとこは主人公の内面を
逆に伺わせ。孤独に打ち震える自分を忘れようと猟奇、陽気行為？とか。
空気を濃くし、引き込まれるほどの求心力がもっとほしい。できがいいだけに進化を
期待ねこ。５年後くらいに再演とか。
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