ＰＡＲＣＯ・松竹提携 シアターナインス 5周年記念公演「夏ホテル」
＠渋谷 ＰＡＲＣＯ劇場（2001/4/30-5/27 35ステージ）
全指定 前売り当日とも9000円（当日券は抽選制）
作・演出：岩松 了 美術：島次郎 照明：小笠原純 衣装：黒須はな子
ヘアメイク：川村陽子 音響：藤田赤目 舞台監督：青木義博
マジックアドバイザー：HIRO SAKAI 制作：寺川知男［松竹パフォーマンス］、
佐藤玄［パルコ］ 企画：シアターナインス、パルコ
製作：パルコ、松竹パフォーマンス
出演：
松本幸四郎：ヒデ・ノグチ（マジシャン）
松 たか子：カオル（ノグチの助手）
松本紀保 ：トミ（同上）
串田和美 ：相良満（ノグチのマネージャー、同級生）
岩崎加根子：花塚雪江（老貴婦人。ノグチの追っかけファン）
岩松 了 ：鍋田鉄三（トミの愛人。妻子持ち）
ミヒャエル・シュトゥッキ：ハンス(ボーイ）
ハルツォーク優李亜：クララ（メイド）
マルゴ・ダンフィ：ボーマン（接客係）
2001/5/4(金祝)晴 2:07-4:47PM(75/休15/70) 中段より 客席超満員(470人）
客層：老若男女、幅広く。概ねアダルト層より。女性過半数。ブラボー、スタン
ディング男性客各１。岩松作品と思えなかったりして（つうか、ねたにされそう）
客入れ：当日券。開演2時間前〜70分前で抽選券を受け取り、1時間前から抽選。
漏れた場合はキャンセル待ちあり。抽選番号はたぶん制限なし。補助席に収まる
席数しか（２０位？）だしていない模様。
折り込みパンフなし。物販。パンフ（A4判1500円）マジック解説つき、シアター
ナインスの回顧あり。外でも着られるＴシャツ(2000円)、黒パーカー1(3000円)
携帯ストラップ2種（1500円、500円)、ポスター2種(1000円、500円)。
松本幸四郎、親子競演、というより岩松了作品出演なのが興味深い今回。
舞台。海外な、避暑地な、鄙びた、ホテル中庭。白壁に大きく張り出し窓ある
二階客室。上手よりにアーチの通路トンネル。上手端に木立、その下に曝された
ベンチ、の隙間から見える客室窓。広く石畳の中庭にシンプルな丸テーブルと
数脚椅子が点々。下手、緑のひさし下にホテル入口両開きドア。
お話。ドイツの湯治場、バーテンワイラー。マジック大会に出演のノグチは、
いらいら。替え玉なダミーが来られないというのだ。気分はマネージャーや助手、
おっかけの老婦人に伝染、困惑させたり。待つ間はストレスを積ませ、それぞれ
の心中の影を浮かばせるのだった。
通わぬ思いにシニカルな恋愛劇。幸四郎・ノグチを中心、穏やかに重なる波紋の
三角関係。恋愛と友愛の。見えるさざ波の嘘、水面下の秘めた真情、を覗き見せ
一挙一動に興味つきないねこ。イライラ姫・トミ、込み入った王子をまつシンデ
レラ・カオル、愛情母性転換・雪江とか。とりわけ、カオルのささやかな「復讐」
の健気さには泪誘われ。佇まい、仕草、日常会話から醸し、記す微妙さと、時に
エキセントリックな演技の同居はいつもながら面白し。今回ゆったり展開、過ご
してみちゃうと退屈で損、空気を読むようにみると○、と思うねこ。
役者。幸四郎。岩松了の台詞をしゃべってるのが、なんか面白し。微妙に板に
ついてない加減○。松本紀保。いらつきな、ちくちく念波を発して、岩松了作品
にちゃんと住み。松たか子。後半〜ラストの感情の爆発が切なくて○。岩松了。
自由に舞台に住んでる感じ○。
［月間一覧］
|