双数姉妹「オキュパイ-THEATER/TOPSを占拠せよ!-」
＠新宿 THEATER/TOPS（2003/5/22-6/1 12ステージ）
http://theatertops.tripod.co.jp/
全指定 前売3200円 当日3500円
脚本・演出：小池竹見
舞台監督：村岡晋 舞台美術：小池竹見 照明：斎藤真一郎[
A.P.S.]
音響：島貫聡 衣装：コブラ会 舞台装置：コイケ左官工房 宣伝美術：高橋歩
宣伝写真：引地信彦 演出助手：小林英朗 制作：津田はつ恵[duel sisters]
出演：
井上貴子 ：イノウエ（クツワダの妻の役の女優）
阿部宗孝 ：アベ（タナベ役の男優）
小野啓明 ：オノ（セツコの兄役の男優）
大倉マヤ ：看護婦役の女優
小林 至 ：コバヤシ（ヨシムラ役の男優）
今林久弥 ：イマバヤシ（クツワダ役の男優）
五味祐司 ：ゴミ（ウラガ（クツワダの弟子）役の男優）
吉田麻起子：ヨシダ（セツコ（タナベの恋人）役の若手女優）
佐藤拓之 ：タクォ（武装集団のリーダー）
中村 靖 ：セデォ（浅黒い男）
近藤英輝 ：トミャ（ウラナリ顔の男）
古山憲太郎[モダンスイマーズ]：ケニャ（水牛みたいな男）
吉冨光宏 ：ホシトミ（入団希望者）
小池竹見 ：コイケ（演出家）
野口かおる：コケナワ（遅れてくる客）
亀岡孝洋[カムカムミニキーナ］：カメオカ（かぶりつきの客）
伊藤伸太朗[チャリT企画]：イトウ（演劇マニア）
2003/6/1(日)晴 3:11-4:56PM(1'45) 後方より 客席満員（140人）
客層：20(-30)才代中心、女性8割。お友達連れ多し。
客入れ：当日券不明、通路席客数人あり（後で空いてる席に案内され）。ベンチ2列
、パイプ椅子9列がびっしり配置。列により足が伸ばせない、TOPSのＭＡＸ状態。
製作の挨拶も台本に書いてあり、なるほどねこ。客席誘導は随時的確にあり。空き席
の詰めはなし。折り込みパンフ。B5 3ページ。キャスト、スタッフ、予定掲載。
次回公演10月＠TOPS。野口かおるは客演３つもあり、人気者なり。あいさつに替えた
小池さん実兄＠音信不通の尋ね人探し同梱。本編への影響しているうんぬんとあり。
物販。劇団初の台本販売。Ａ４版 横書き体裁 600円。劇中の武装集団会話の
日本語訳掲載、なろほろねこ。
久々にみたねこ。役者・小池竹見は山の手事情社以来(10?年)と忘れるくらい久々。
舞台。沙幕カーテンが対角２方向で奈落楽屋。あけると舞台、病室装置。別途上手
１、下手２。入り口開口が真正面、脇の備え付け梯子は楽屋装置と共通。下手壁替わ
りにカーテン。あけて搬入ドアも使用。
お話。シアタートップス。劇団ソウスウシマイ「ニッコウ」上演中に、武装集団と
いっても4人が乱入、占拠宣言。カズノコがため、日本国に虐げられ続けてきた。
島の存在を周知させ、権利を獲得するためが蜂起。政府との交渉の道具としての
観客人質、うんぬん。演劇ってのはこうするのもだとリーダー、自分たちだけが
わかる言葉で暗転指示後、上演指示。武装集団に客席、舞台で監視されながら、
芝居は継続。病室。誤って肥料を点眼、目をつぶした漫画家。鼓膜を破った男と喉を
つぶした男、の日光東照宮・三猿状態の三人。コミュニケーションの手段を欠いた
彼ら。しかし、不通は病気以前に根をもっていて…、な悲痛な内容。
これって、メタ演劇？、参加型演劇ってあまり好きじゃないと、頭が立った「観客」
は本気にせず。政府は要求をのまず、マニアな観客の一人が生け贄となることに。
これには、頭が立った観客も事態飲み込め。戦きつつ、一部役者はなんとかしよう
と決意。アドリブで武装集団の一人をだまし、拘束成功。それもつかの間、武装集団
リーダーにばれて、怒りをかい。怒りというより、騙す彼ら日本人への憤り。それ
でも、誰をどうするでなく、台本をチェックされながら芝居は継続。ラストシーン
直前、機動隊突入でおしまい。しばらく後、目を患っていた男の包帯がとれる日。
みえる光景は1年後。その日逝った自分へ手向けの花を捧げる劇団員達の姿。
私達と世界の有り様、を浮かばせるメタっぽい趣向。観客と舞台・双数姉妹、演じら
れる観客と舞台・ソウスウシマイ、その中で演じられるソウスウシマイらの劇場を
制する武装集団と仮想国日本。とか幾重か。共通するのは限られた視野の楽天ぶり
と悲しさ、。武装集団に占拠されても現実感なし観客。芝居をなぜか継続させる武装
集団と従う役者。いずれも、相対する相手（政府と集団）が見えず、追い詰められ。
芝居の中、視聴覚を奪われた登場人物は、自己中心的にならざるをえず自滅。
そして、これらをみる現実の観客はせっぱ詰まったその場の様に笑い。それは自身
の楽天への無自覚の自笑ともなり。そんなシニカルな企みあり？と勘ぐりねこ。
そんな印象も見た目は嫌みならず。緊迫と狂騒の狭間にお遊びとお間抜けを案配
よく、悪戯に沈ませず。客席、搬入口も使ったライブ感ある演出、シャープな照明、
できる役者 と揃って楽しめたねこ。
役者。五味祐司。やっぱり、彼は欠かせない。今林久弥。五味さんといい取り合わ
せ。舞台を締めてくれる。佐藤拓之。「セックスシンボル」。野口かおる。美味し
い。小池竹見。情けな顔○。
［月間一覧］
|