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 シリーウォーク・プロデュース KERA・MAP#003「砂の上の植物群」

 @新宿 シアターアプル(2005/5/1-14 16ステージ)
 http://www.theatre-apple.co.jp/
 全指定 前売8000円 当日8500円

 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
 舞台監督:福澤諭志+至福団 舞台美術:小松信雄
 音響:水越佳一[モックサウンド] 照明:関口裕二[balance,inc.DESIGN]
 映像:上田大樹[INSTANT wife] スタイリスト:藤井享子 ヘアメイク:武井優子
 プロローグ振付:新鋪美佳[ほうほう堂] 振付アシスタント:福留麻里[ほうほう堂]
 オリジナル音楽:三浦シュンイチ
 オープニング・テーマ:ケラ&ザ・シンセサイザーズ「ナイト・サーファーズ」
 映像イラスト:吉井花英 大道具:C-COM舞台装置、テルミック、くれよん
 小道具:高津映画装飾 演出助手:小池宏史 宣伝美術:高橋歩
 助成:日本芸術文化振興会 企画・製作:(株)シリーウォーク
 出演:
 常盤貴子 :ユカ/消崎由香(墜落した飛行機のスチュワーデス)
 筒井道隆 :コウジ/國本浩二(同上乗客 自称グラフィックデザイナー)
 西尾まり :レイコ/真柴玲子(同上乗客 ユカと中学同級)
 
 赤堀雅秋[THE SHAMPOO HAT]:アカイシ/赤石道男(同上乗客 レイコと旅行中だった)
 猫背椿[大人計画]:ナナ/来栖奈々(同上乗客 アカイシの恋人)

 温水洋一 :ヨドム(同上乗客 漫才コンビ・ボケ担当)、現地の男
 池谷のぶえ:ボウゾノ/坊園煙子(同上乗客 未亡人)
 喜安浩平 :ノノムラ/野々村一(同上乗客 サラリーマン)
 山本浩司 :ケンタロウ/木場健太郎(同上乗客 サラリーマン)

 つぐみ  :マリィ
 渡辺いっけい :ミマツ(事故にあった人達を助ける、現地日本人)

 2005/5/4(水)晴 7:05-10:21PM(1'46/休15/1'12)最前方より 客席満員(710人)
 客層:20-30歳代中心、コアな演劇ファン、あとぼっさりした男子。
 客入れ:当日券詳細不明。隅に補助椅子(20以上?)、階段通路席(20以上?)。通路側
 はまだ余裕あり、祝日で敬遠したのか。休憩時間10分、トイレは映画館のほうも
 解放。折り込みパンフ。B5 3ページ。配役、スタッフ、予定掲載。6/25-7/3@
 吉祥寺シアター KERA MAP#4。8/5-28@本多劇場 劇団健康「トーキョーあたり」
 本チラシもある折り込みはゴム止めで親切。 物販。パンフ(A4 68ページ2000円)
 きれいな写真、ライター寄稿、対談、あがた森魚の謎のロケットにインスパイア
 された物語収録。脚本1500円。 カーテンコール3分3回。
 
  ケラ最新作、お好みメンバーのスペシャル版にて。
 舞台。家屋瓦礫、海を望む広場に戦前SFなロケット墜落。爆撃爆発の跡地のコンク
 リート住宅。上手にバルコニー、下手は階段から2階部屋、は回転展開で出現。
 見事な仕掛けにほよよねこ。

 お話。旅客機墜落、悪いことに戦地の海。僅かな生き残りは現地邦人に匿われ、
 廃墟に隠れ住まい。救援はくる様子もなく、つのる焦燥と疲労。憎しみといらだち
 はくすぶり続け、時折発火を繰り返していく。淡々といやらしく、笑えもしないの
 におかしみを帯びながら。

 戦時下+惨禍直後の時節はまりすぎで、いやーん。ハードな「シリアスコメディ」
 は堕ちまくりの生き地獄。飛行機、人間、日本と世界、そいから未来が袋小路に
 はまり込んでく様を、子細執拗に描いててものすごい。見えないけどそこにある
 戦争、加えて先だっての大事故のしゃれになんない現実。墜落SFロケット〜21世紀
 という夢見た未来の凋落つう現在。そんなことが頭をよぎって、笑える!笑える?
 両面な微妙さがなんとも…。

 それぞれ顛末、落とし前を一応つけつつ、先につなげていく終わらない語り口。
 劇終に締めるより、信じられる現実味にいやーんと思いつ、頷くねこ。等々、面白
 怖い舞台に超長時間も引きつけられたねこ。

 二面性をグレーに持ち合わせた曲者キャラぞろい。笑いに心ほどきながら、血は
 凍る「4℃」な微妙感触。敵と味方、愛と憎しみ、狂気と正気、嘘と本当… 揺れ
 動く様をスリリングに、また儚く描いて、素敵。できる役者、肝がすわった新人は
 見事こなしてて、拍手ねこ。とりわけは。赤堀雅秋さんの嫌らしいゲス野郎ぶり。
 池谷のぶえさんの理屈じゃない飛躍の面白さ。渡辺いっけいさんの理性と欲望の
 微妙な匙加減。常盤貴子さんの毅然とした力強さ。筒井道隆さんの不気味やら
 癒されたりやらの身に付いた自然体の不思議。など。

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