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 シリーウォーク・プロデュース KERA・MAP#004「ヤング・マーブル・ジャイアンツ」
  KERA・MAP連続公演2 吉祥寺シアターオープニングステージ第二弾

 @吉祥寺 吉祥寺シアター(2005/6/25-7/3 13ステージ)追加 6/30m
 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/index.html
 前指定 前売3900円 当日5900円(共に豪華パンフレット付き)
 バルコニーシート3000円(前売のみ)

 作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ[ナイロン100℃]
 舞台監督:福澤諭志+至福団 舞台美術:中根聡子
 音響:水越佳一[モックサウンド] 照明:関口裕二[balance,inc.DESIGN]
 衣装;渡辺まり 映像:上田大樹、冨田中理[INSTANT wife]
 振付:金崎敬江 振付助手:香川亮[air:man]
 ヘアメイク:武井優子 演出助手:相田剛志、端由紀子 
 大道具:C-COM舞台装置 小道具:高津映画装飾
 宣伝美術:草野リカ[Alon.] 制作:花澤理恵 企画・製作:(株)シリーウォーク
 主催:(財)武蔵野文化事業団 http://www.musashino-culture.or.jp/
 出演:
 宗清万里子:消崎由香(姉)
 野部友視 :消崎健太郎(弟)
 天野史朗 :修一(入院中の少年・香江兄)
 初音映莉子:夏川香江(健太郎から金をまき上がる)

 市川訓睦 [拙者ムニエル]:河野(生徒 柏木が気になる)、テレビ司会者
 鈴木里実 :柏木(生徒 教師に言い寄られる)
 近藤智行 :近藤(生徒)
 眼鏡太郎 [ナイロン100℃]:上杉(生徒)、トンボ(社員)
 植木夏十 [ナイロン100℃]:植木(生徒)、野々村の老いた母
 駒木根隆介:神田(生徒)
 鈴木菜穂子:中山(生徒)
 猪岐英人 [アーノルドシュワルツネッガー]:本八幡(教師)、喪服の男

 岩崎正寛 [演劇集団円] :清田(由香と不倫中)、テレビレポーター
 伊藤修子 [拙者ムニエル]:清田の息子、6年目の風俗嬢
 音室亜冊弓:清田の妻
 吉田真琴 :清田じゃない方の男の妻、テレビアシスタント(みどり)
 三嶋義信 :野々村(病床の社員)、キャンペーンボーイ

 皆戸麻衣 [ナイロン100℃]:キンギョ(社員 フナワと荷物を運び続ける)
 小林由梨 [B-amiru]:フナワ(社員)
 いせゆみこ:もう一人のキンギョ、黄魔女
 緒川桐子 :もう一人のフナワ、風俗嬢
 主浜はるみ:トカゲ(社員)

 関絵里子 [projectサマカトポロジー]:かつて若かった看護婦、茶魔女
 井本洋平 [pmen]:風俗店の店員、医師
 今井あかね:看護婦
 岡田昌也 :頭をケガした患者
 林雄一郎 :刑事

 荒木秀行 :キャンペーンボーイのリーダー、清水(風俗店の客)
 荒巻信紀 :喪服の男、キャンペーンボーイ
 金崎敬江 [birs's-eye view]:赤魔女、喪服の女
 小宮山実花 :喪服の女、情報通の女子生徒(チバ)
 永田杏奈 :二ヶ月前のユカ、喪服の女
 井澤正人 :喪服の若者、二ヶ月前の健太郎
 横塚進之介:謎の占い師、二ヶ月前の清田
 宮本彩香 :謎の占い師の案内嬢

 2005/7/2(土)晴 7:05-9:46PM(2'40) 中段より 客席超満員(250?人)
 客層:20-30才代中心、男女半々(男性過半数?)。中年層ちらほら。
 客入れ:アクセス。大塚家具脇の煉瓦道、飲屋街経由のが遠回りだけど、車が通らず
 散歩、食事がてらいけて○。中央線ガード下だと、新宿方向セブンイレブン左折すぐ。
 劇場前に20人超が座れる露天ベンチ席、入口脇にカフェレストランあり。近場に
 手頃な喫茶店が見当たらないので貴重。駐輪場まであるのに驚き。地元密着なり。
 
 当日券詳細不明。2Fバルコニー(12席ずつ)の後ろに立ち見20人超。平床2列、以降
 急勾配(シアタートラム並)の雛壇9?列に専用パイプ椅子。網目なんで長時間だと
 ちと疲れ。トイレや客席への積極的案内あり、荷物預かりは不明。

 折り込みチラシ、少な目。豆本パンフ(縦長カードサイズ厚14mm)がもれなくつき。
 挨拶。鈴木裕美、村上大樹ほか寄稿。KERA×本谷有希子、プロデューサー4人対談。
 役者ごとの写真、インタビュー、配役掲載。小粒も盛り沢山な内容なり。 ほか、
 戯曲、ビデオなど。 カーテンコール1回1分。
 
 無闇に多作、いずれも高水準と恐れ炒り豆なKERA最新作。30才未満の全オーディシ
 ョン役者(応募700人!)を集めての企画。無名役者故、当日券2千円高で前売り
 うらんかな売り文句も話題。無名つっても、小劇場じゃお馴染みの顔ちらほらと
 あり。

 会場、舞台。天井が高く、横幅も十分、でいて客席近接のいい案配の劇場。上記の
 よにシアタートラムと似た印象あり。中央奥から平台、手前左右にサブステージ。
 それぞれオレンジ、エンジ、ブルー。劇場の2,3階部のキャットウォーク、
 さらに天井と大小の階段、梯子で繋がれ。正面床は黒/グレー/白に淡く色分け。
 迫り機構が2,3組み込まれ、同時多発状態での転換に活躍。

 お話。交通事故で両親を亡くした姉弟、お金には困らない2人暮らし。姉は愛を
 確かめたくて、自ら片目をフォークでえぐった過去あり。業が深いとかというより
 、ただ試してみたかったと理由は単純。今は会社上司と不倫?、夢想がちな言動
 故か同僚の評価はまっぷたつ。一方、弟はリストカット常習。学校では同級生を
 脅してカツアゲ、恐れられ気味悪がられている存在。と問題ばかりの姉弟、その
 現実と追想、姉が弟に物語るホラ冒険話がもやもや、にやにやと錯綜したりして。

 久々、混沌ととっちらかしたシリアスコメディ。きっつい現実、絶望の中で病み
 つつ、強かに生きてる主人公姉弟達。そのしれっとした感覚をナンセンスとブラッ
 クな笑いに塗して描いてく。

 姉のつくり話が調子こいた出鱈目また虚実不明の面白さ。荷物運びをするOL達の
 時空を越えた冒険、疎外された年増看護婦の復讐、自分はといえば不倫の果ての
 泥沼万歳天国など。35名と多数の役者達は、寄り道ばかりのいくつかのホラ話に
 散開、複数の役をこなして個性をみせ。一部は女子も潔く意味無く脱衣して、男子
 サービス。

 冒頭と合間に総員ダンス、日常ぶり+マスゲームな統制でしゃきっと口直し。
 迫りの出捌け、三階層までの各舞台をまんべんなく使い。映像もあわせ、シーム
 レスに隙のない展開。ラストは総員が姉弟に扮し、舞台奥・開けられた劇場から
 続々外出。音楽は「どこまでも行こう@S41年ブリジストンタイヤCF」。辛い現実と
 夢(終わらない妄想か)のラストが○。

 役者。主人公姉弟役、宗清さん野部さんが手堅く。弟から金をだまし取る少女役・
 初音さんと、元締兄役天野さん。ハンサム顔で見せる悪意○。出鱈目教師役・
 猪岐さん。クールな狂いッぷり○。
 

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