＠初台 新国立劇場 小劇場(2006/5/22-6/11 20ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 A席5250円 B席3150円 Z席1500円 当日学生50％割引
作・演出：永井愛[二兎社]
美術：大田創 照明：中川隆一 音響：市来邦比古 衣裳：竹原典子
ヘアメイク：西川直子 演出助手：鈴木ひがし 舞台監督：澁谷壽久
出演：
吉田栄作 ：夏原一平（NGOリーダー)
月影 瞳 ：佐野千秋（NGOメンバー。一平の婚約者)
小島 聖 ：池森新子（NGOメンバー）
粟野史浩[文学座] ：大槻純也（NGOメンバー。新子に思いを寄せる）
大沢 健 ：若島大吾（NGOメンバー）
泉 陽二 ：巣山礼史（NGOメンバー）
山中 崇[東京ナイス]：青木宙太（NGOメンバー）
日沖和嘉子：田中あこ（NGOメンバー）
丸山 桂 ：古賀寛美（NGOメンバー）
でんでん：城島忠義（NGOに元工場を貸すおじさん）
2006/5/27(土)小雨 1:05-3:47PM(63/休15/82) 最前列 客席満員(320人)
客層：老若男女、大人よりに幅広く。男女半々。
客入れ：当日券、Ｚ席は18×2。雛壇に椅子席16列。ロビーにてイラクの子供たち
の絵を展示。折り込みチラシそれなり。折り込みパンフ いつものPLAYBILL形式。
物販。パンフ(B5 800円 29ページ)山田洋次ほか寄稿。子供たちの絵とチョコ
レート販売。 カーテンコール2分2回。
当代を代表する劇作・演出家 永井愛新作。
舞台。倉庫然とした鉄の空間、リアルに造り込まれた元工場。上手中程に大きな木の
円卓、後方壁に「イラク攻撃絶対反対！」の黄色い横断幕。ＮＧＯ（非政府組織）の
シンボルマーク、ウィンクしたピースマーク。上手端に机、茶器、壁にスケジュール
ボード。場面ごとの内容となっていて感心（最前列の客しか読めないのに…）。
下手奥にガラス戸で囲われた事務所。手前にソファ。
お話。海外の人道支援を行うＮＧＯ。小規模も志高く活動。一流商社勤めのノウハウ
を活かす、リーダ夏原と佐野は婚約中。ちと感情に走りがちな大槻と付き合いながら
夏原を秘かに恋する池森。ほか、フリーター、サラリーマンらととりどりも、一つ
目的に結託。そんな彼らも、視点の相違、周囲の不理解、さらに人間関係のもつれ
から解散寸前に追い込まれてしまう。 イラク戦争直前(2003年3月)から3年間の、
今に続く活動と悲喜こもごもの軌跡。
小さくも確かな力強さに感涙。傷つきながらも、良き明日のために望みを捨てない
若者達を真正面から描く。深刻な絶望に陥らず、忍耐と機転を利かせ、少しずつ前に
進む「やわらかい」行動力。微力ながらも確かなその力に、希望を抱き、応援小旗を
振る作家に頷くねこ。右寄りまっしぐらの昨今に暗い気持ちも、ちと和らぎ。
若者達の直球勝負なせいか、設定展開や人物造形はいつもよりすっきり。とはいえ、
イラク戦争らへの論点をきっちり押さえつつ、集団と個人の関係、男女の機微を交差
させ、見応え十二分。骨太でいて細心な、ウェルメイドプレイを堪能するねこ。
役者。リーダー役・吉田さん。格好の良さではない信じられる情熱ぶり。憧れに似た
思いを感じるねこ。揺れる女心・小島さん。女優を感じさせる奮闘ぶり。鉄工所の
おやじ役・でんでん。NGOにとっての国民大多数を象徴する役柄。生活感たっぷりと
味のある演技でして○。
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