＠千石 三百人劇場(2006/7/21-8/3 16ステージ)
全指定 前売り当日共4000円 高校生以下2500円
作：畑澤聖悟[渡辺源四郎商店] 演出：黒岩亮[劇団青年座]
美術：柴田秀子[劇団青年座] 照明：古宮俊昭 衣裳：竹原典子 音響：藤平美保子
舞台監督：今村智宏[劇団青年座] 演出助手：河田園子[劇団昴]
宣伝美術：真家亜紀子 制作：劇団昴ザ・サード・ステージ 磯辺万沙子
公式 http://star.ap.teacup.com/3rd_stage/
出演：
倉橋家
遠藤英恵：倉橋櫻(43 生家を守る娘 未婚)
西本裕行：正ちゃん(15 老猫)
飯田和平：倉橋玄二郎(70 櫻の叔父)
江川泰子：倉橋はな(55 玄二郎の妻)
倉橋工務店
大林洋平：本郷博(33 1年目)
矢島祐果：山本玲子(28)
舘田裕之：十文字聡(26 博の先輩)
赤田家
遠藤純一：赤田まさを(39 櫻の縁談相手)
姉崎公美：赤田まきこ(65 まさをの母)
永井誠 ：赤田まこと(41 長男)
田村真紀：北島まき(34 長女)
平林弘太朗：北島幸太郎(34 まきの夫)
友人
星野 亘 ：黒田 仙(61 仲人。櫻の高校時代の部活顧問)
寺内よりえ：黒田頼恵(58 仙の妻)
磯辺万沙子：秋山政子(57 猫屋敷の主人)
望木祐子 ：梶山鉱子(43 櫻の高校時代の部活仲間)
竹村叔子 ：緑川真智子(43 櫻の高校時代の部活仲間)
上領幸子 ：林沙都子(22 櫻の元教え子)
金澤君光 ：林次郎(27 冠婚葬祭会社社員 沙都子の夫)
2006/7/29(土)曇 2:03-3:51PM(1'47)前方上手 客席7割(200?人)
客層：中年層過半数の大人客席。女性2人連れ多。
客入れ：1列目撤去、傾斜がついた客席は変わらず、見易し。物販の声かけ朗らか
にフレンドリー。物販の見本を壁に掲示。横に観劇感想を書き込む場所あり、好意
的な一言いくつか。折り込みチラシそれなり。
物販。パンフ(□20cm 32ページ 500円) 下町背景に作演役者紹介ページ、
坂手洋二、鐘下辰男の寄稿。台本1000円。メイキングDVD2200円。朗読CD800円。
ポスター100円。ポストカード500円。 カーテンコール1回1分。
タイトル俳句(山口誓子)は「昴」が主語、俳優が製作まで手がけるユニットに
献じられるに相応し。冬（昴）に春（猫の恋）を萌した内容が、劇作とあってて、
ふふーんねこ。
舞台。高いタッパ、天井に堂々とした登り張りの旧家・リビング。下手から玄関、
庭先をみこむ窓、手前にアップライトピアノ。正面開口左で事務所？、右で母屋。
上手壁内に壺４。渋色の柱に白漆喰、2カ所に風景画あり。中央はどっしりした
テーブルと籐椅子６。下手側に小テーブルとゆったり籐椅子２。
お話。旧家を守る中年未婚女性と老猫。当主たる父親は仕事に出たまま、事故故か
失踪して18年。姪の行く末を案ずる親戚は、なんとか今日の結納までこぎ着けて、
一安心。実は婿先も問題を抱えているが、それを知らぬが仏。あーだこーだと思惑
が行き交う中、思いも寄らぬ人が現れて…。
同時代な共感、思いも寄らぬ人情話にほろりねこ。晩婚の女性を中心に、いろんな
世代の今の問題あれこれ。中年層なら両親の扶養、家の相続、ボケや病気、はたまた
独り身の孤独と思い当たること。そいと世代によらぬ、夫婦の軋轢。畑澤作品として
、かつてない多人数も、それぞれがそれぞれの人生を抱えて息づく舞台は変わらず。
闊達な登場人物達の姿が楽しく、また時に切なく、共感多々なねこら大人客席。
ままならん現実に仕返しな思いも掛けぬ終盤。「思いも寄らぬ人」が痛快。浅田次郎
「うらぼんえ」の江戸前ジジイ（不遇の孫娘を助ける、優しい亡霊・祖父）を彷彿。
結局、自発して人生を見いだす主人公と、立ち消える「思いも寄らぬ人」が重ねる
ラスト。暖かく切ない人情話な余韻を残し、しみじみ沁みるねこ。
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