＠新宿 THEATER/TOPS(2008/1/4-7 7ステージ)
http://theatertops.at.infoseek.co.jp/
全指定 前売2800円 当日3000円 リピーター割引1800円
作・演出 山中隆次郎
舞台美術：福田暢秀（F.A.T STUDIO） 照明：伊藤孝（ART CORE design）
音響：中村嘉宏（At Sound） 舞台監督：西廣奏
宣伝美術：土谷朋子(cltron works）、仲麻香 制作：三好佐智子
企画・制作：有限会社quinada 助成：芸術文化振興基金
出演：
金子岳憲 ：ミッチ(ブラジル系多国籍企業ノイチ系ナンミン） [ハイバイ]
松浦和香子：ヘル子(ノイチに吸収された地元黒糖メーカ・社長令嬢)
日下部そう：猫村・オリベ・臥多緒がたお（正体不明） [ポかリン記憶舎]
多門勝 ：栗原（ノイチ系ナンミン） [THE
SHAMPOO HAT]
町田水城 ：堀田（ノイチ系ナンミン） [はえぎわ]
山田伊久磨：田中・アンドレ・散富列知江さんふれっちぇ（ノイチ・職員） [エッヘ]
山口奈緒子：須永・フロゥレス・乃痴彗のちえ（ノイチ・職員） [明日図鑑]
芦原健介 ：デス男(ノイチに吸収された地元黒糖メーカ・社長子息)[スロウライダー]
數間優一 ：淳（コンビニ店員 過重労働中）[スロウライダー]
石川ユリコ：サダコさん（ヴードゥー司祭）[拙者ムニエル]
田中慎一郎：松山くん（サダコさんの使徒）
山中隆次郎：審判 [スロウライダー]
2008/1/6（日）晴 3:07-5:05PM（1'58）最前方下手 客席ほぼ満員？（130人?）
客層：20-30歳代中心、コアな小劇場演劇ファンが多そう、男女半々。
客入れ：全指定席、ひな壇に14列。千鳥配置の配慮あり。折り込みチラシ結構、
輪ゴム止め。アンケート用鉛筆添付。 パンフ B5両面。配役、用語解説、スタッフ
予定。次回公演。8/30-9/7「トカゲを釣る」再演＠TOPS。 カーテンコール1回。
舞台。真っ白の小部屋、昔のシュールなＳＦ映画にでてきそう。正面奥に一面銀色の
すだれ、中央にアルミの枠組。１本の黒い房が下がり、展開に合わせ、枝分かれ
（分岐点のチャートらしいがわかりにくい）。後方にでこぼこした岩壁、両脇に
役者が待機、すだれ越しに登場。床は光沢あるリノリウム、両脇の壁に天上高さの
壁と同一面の扉。
お話。先進国凋落後、第三国が経済を牛耳っている近未来。経済特区の北九州の
とある町。ブラジル系企業・日系人エリートが覇権を握り、能力が劣る日本人労働者
はスラムに暮らしている。そんな彼らの地元民とよそ者の間では争いが絶えない。
企業買収された地元企業創始者の子息は工場の害毒のため、奇形＝堪らなくおかしな
顔となり、権威はあってもどうにもしまらない。普段はエレファントマンに顔を隠し
て生活している。その娘は恋人＠スラムにキスを望むが、爆笑に阻まれてしまう。
神頼みと、妖しい司教に尋ねるが、それぞれから見て恋人が蛇に変身、しかも何者か
に誘拐されてしまう。
その世界はオンラインゲームな設定、司教はプレイヤー＝スタンジョの正体を告げた
り、魔法を掛けるキャラ。現実を含めて娘に執着する男＝１３（日の金曜日）という
反動分子や、革命に鬱憤のはけ口を求める若者が、世界をかく乱し始める。恋人達は
望む姿で結ばれるのでしょうか、いやならないという物語。
仮想もまた現実、報わない人々に出口なしの無限地獄な群像劇。仮想に夢や逃避を
求めても、新たなしがらみに阻まれて叶わず。勝手に軽く狂って舞い上がるか、
虚無感に襲われて沈むか。そしてなんにせよ、自分の現実からは逃げられない。
個々人物のありさまと顛末を細かに追い、心情をくっきりと浮かばせて見応えあり。
荒んだ世界の中、男女の危うく切ない恋愛模様が浮かび上がる終盤がぐっとくるねこ
現実と夢幻が交錯し始め、重層する中盤まで好奇心にわくわく。ゲームと知られ、
説明口調に物語り、乱れる中盤は興味失せ気味。乱れるなら、ＰＫディックに仮想が
現実を浸食とか（若干あったけど）ほしいとこ。あくまでも現実を離れない物語で
あり、登場人物ってことはわかるけど。
役者。一癖ある劇団からの選抜メンバー。すれからした世界にとけこみ、存在感を
個々に発揮。松浦和香子。不思議少女の体も、やがて切なくてアナザーフェイス。
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