＠下北沢 ザ・スズナリ(2008/11/5-9 7ステージ)
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全自由 一般前売3200円 一般当日3500円 学生前売2300円 学生当日2600円
金曜マチネ前売2000円 金曜マチネ当日2300円 ペア券5600円
＠大阪 ウイングフィールド 10/1-5 6ステージ
＠名古屋 七ツ寺共同スタジオ 10/22-26 7ステージ
草案：北村想 作・演出：はせひろいち 照明：福田恒子 音響：松野弘
舞台美術：ＪＪＣ工房 大道具：栗木己義 舞台監督：岡浩之 宣伝美術：奥村良文
制作：咲田とばこ、中杉真弓 (財)岐阜県教育文化財団助成事業、日本芸術文化
振興会舞台芸術振興事業 アフタートーク 11/8s 北村想×山下千景×はせひろいち
出演：
栗木己義 ：結城又三郎(休業中の探偵）
くまのてつこ：知妹（しらす 結城の同居人）
中杉真弓 ：立花朋美（ウェイトレス）
はしぐちしん(コンブリ団)：和蔵桂五（カフェのマスター）
鳥岡寿江 ：中西なつみ（カフェの客）
岩木淳子 ：香山カノコ（結城の元助手）
岡浩之 ：キムジェヨン（結城の元部下）
小山広明 ：星野亮平（現役の警部）
なかさこあきこ：宇海小夜子（結城の元妻）
荘加真美 ：笹本千鶴（結城の主治医）
咲田とばこ ：赤川はとこ（？）（謎の依頼人）
2008/11/7(金)晴 7:34-9:23PM(1'49)中段上手 客席3割(30人)
客層：平均30才代？な大人より客席。男性過半数。
客入れ：ベンチ1、ひな壇にパイプ椅子8列。5，6列の間に通路あり、出入りしやすい
配置。どうしたことか、空席ばかり。初日とも珍しいことと、はせさんも首をかしげ。
折り込みチラシそれなり、パンフ B5 3ページ。あいさつ、配役、スタッフ。次回
公演は上京未定とか。物販。台本1100円ほか。 カーテンコール1回。
北村想さん原案シリーズ第三弾。
舞台。奥に探偵事務所がある設定、ブラック＆ブラウンのシックな地下カフェ。
上手に低めのカウンター、黒い丸テーブル２と椅子各３、下手壁にカウンター席。
壁に埋め込みＣＤラック。大小控えめなペインティング５と、ちょっとセクシーな
女性ポスター１。その脇、正面上手よりに探偵事務所ドア、SLEEP or OUTとカードが
掛けられ。
お話。休業中の名探偵のもと、奇妙な依頼人がやってくる。探してほしいのは私、
賞味期限は半年。奇しくも余命半年を宣告されていた探偵は断るが、女性はそのまま
行方をくらましてしまう。探偵はある言葉から生涯最後の仕事に取り組むこととする
かつてのチームが招集され、推理と捜査が始まるが。
良い香りがする、心づくしの「弔い」劇。テレビのトラブルミステリーにできるんじゃ
ない？なネタを、一転固定の部屋で語り描く。といって時空は飛ばないんで、すらっ
と見易く構成され。
ミステリーな仕掛けは探偵の病と惨禍を被った過去。記憶に関わる脳機能が削がれる
障害につれ、隠された過去が炙り出されていく。論理パズルを解く、モザイクピース
をはめるよに真相にいたるもの。死に絡みシリアスな状況も知的ゲームを楽しむよう
気の利いた会話が往来、ライトタッチで展開。探偵もののうんちく、昭和へのオマー
ジュらとこどこ郷愁を誘い。ここらさじ加減にクレバーな作家の手腕活かされ、案配
上々。
眼目は意外性ある謎解きより、取り巻く周囲（そして作家と役者）それぞれが探偵に
よせる愛情。意識の死に至る探偵と周囲の忘れ得ぬ思いから、日常の殺人＝忘却の儚さ
残酷さ、抗う人の優しさを浮かばせる。すらっとドライな会話の裏打ちを察する程に
じんわりねこ。居心地がよさそな、緻密に造り込まれた美術が素敵。音楽は客入れ時
からスタンダードジャズ。ラストに、なき王女のためのパヴァーヌのジャズアレンジ
ライトタッチに漂う哀悼感がまたよし。
役者。咲田さん。ちょっと湿った存在感がしっとりとして素敵。
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