＠小田向原 アトリエ春風舎(2009/12/3-13 13ステージ)
全自由(整理番号付) 予約・前売2700円 当日3000円 ペアチケット5200円
学生・シニア2500円（予約・前売のみ） love邦子割(向田邦子著作の書籍提示)
2500円
作・演出：吉田小夏 舞台監督：喜久田吉蔵 舞台美術：中村友美
舞台美術アドバイザー：濱崎賢二 照明：伊藤泰行 音響：泉田雄太
衣装アドバイザー：木下祐子 宣伝美術：空 宣伝写真：高階次郎 制作：増坂由夏
芸術監督：平田オリザ 企画制作：青年団／（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催：（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
出演：
天明留理子*：和子(長女)
髙橋智子* ：迪子(みつこ 次女)、節子(迪子の娘)
福寿奈央 ：邦子(三女)
羽場睦子 ：せい(母)、りつ(西沢の母)
藤川修二 ：敏雄(父)、島村(豆腐屋)
足立誠* ：西沢(和子の恋人)
荒井志郎 ：高原(迪子の夫)、江藤(編集者) （*=青年団）
2009/12/10(木)曇 7:33-9:06PM(1'33)後方中央 客席8割(30人)
客層：20-30才代最多、中年層結構、男性過半数。
客入れ：開演定時20分前開場。ひな壇に千鳥配置の椅子4列。見易い中央に誘導。
劇中の煙草は模擬煙草であること、気になる人は後方席を設ける旨アナウンス。
折り込みチラシ少々、パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ。次回公演
5/10-16＠アトリエ春風舎。 物販。台本など。カーテンコール1回。
職人肌の巧者・吉田小夏新作。
舞台。島舞台、正面後方から橋がかりで闇に溶け。周囲に竹林？、竹6本、白砂利を
根本に点在。島の中央に丸いちゃぶ台、周囲に本とか毛布とか。
お話。女性作家の隠された恋の逢瀬、彼女の両親と家族、妹夫婦の日々。女性作家の
恋人は年上、怪我がもとで妻子に棄てられた男。放送作家の自分にとってよき聴取者
であり、彼の感想は貴重な糧だ。甲斐甲斐しく世話を焼くが、関係は家族には伏せて
居る。それは厳格な昭和の父故。彼に母親と姉妹達は服従するが、心の自由。それが
辛さを増したりもする。嫁いだ次女、行き遅れた三女は問題を抱えていて、これも
言い出せずに居たりする。
かちっと確かに、しっとりと柔らかく、人と時代の思いを描く。大人と子供、高度
成長期とその後を自在に行き来し、人物と時々のドラマを鮮やかに浮かばせる。
端正で丁寧、心の込められた会話の行き交いにほっこりするねこ。全体、1時間半と
短くも大河ドラマな包括感、人物すべてに行き渡った物語の充足感をもって堪能。
向田邦子と昭和のオマージュとか。闇に消える桟橋が能舞台のようで、送別の辞
とも思われ、滋味にしみじみするねこ。
役者。アンサンブル好調。健康的な聡明さある姉、天明留理子。渋くてどこか子供で
優しく哀しい恋人、足立誠。がとりわけ印象。
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