＠初台 新国立劇場 小劇場[THE PIT](2010/3/5-30 28ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 A席6300円 B席3150円 当日券 Z席1500円
作：別役実 演出：深津篤史[桃園会] 美術：池田ともゆき 照明：小笠原純
音響：上田好生 衣裳：宮本宣子 ヘアメイク：永嶋麻子 演出助手：川畑秀樹
舞台監督：加藤高 人形製作：高橋まい子 芸術監督：鵜山仁 主催：新国立劇場
出演:
稲垣吾郎 :男
大杉漣 ：病人
神野三鈴：病人の妻
羽場裕一：医者
奥菜恵 ：看護婦
足立智充：白衣の男1、リヤカーの男
阿川雄輔：白衣の男2
山西惇 ：通行人1
紀伊川淳[桃園会]：通行人2
2010/3/7(日)曇 1:05-3:55PM(1'07/休16/1'25)最前方上手 客席満員(340人)
客層：20-30才代女性中心に幅広く。女性7、8割。お友達連れ中心。
客入れ：当日券Z席は入口寄り設置 40席。ロビーにて別役実作品公演ポスター展
開催。結構壮観。折り込みチラシ少々。パンフなし。物販。パンフ B5 33ページ
800円。対談中心に充実。カーテンコール2回2分。役者達ニコニコ、床美術が大変
な中、ご苦労様。
原爆問題を扱った1962年初演作、戦後65年目の再演。
舞台。一面、色とりどりの古着。手前正面に斜におかれた病院ベット、点滴台。
お話。病院、病人と見舞う甥。病人は背中に負った原爆ケロイドを町で見せびらかし
、喝采を浴びたいと熱望している。甥は人々には憎しみも愛もなく優しいだけだと、
叔父がひっそりと生きるよう言い聞かせる。通わない二人を軸に、家族、友人らとの
やり取りを交え、理不尽な世界にある人々を描く。
血肉通う不条理劇、静かに感じ入るねこ。苦しみも喜びも活き活きと、ちょっと早い
日常のペースでかわされる会話でし。不条理と紋きりにならず、人が確かに息づく
舞台。障害のどうしようもない絶望、生きる人々の抱える不安を、一時も緩まぬ緊迫
に醸しながら冷め切らず。原作のユーモアを活かし、マッチ一本の暖かみを感じ
させ。閉塞を脱する力、望みを抱き、なんかほっとするねこ。
「言葉にならない不安」を持ち芸の薄気味悪さで現し、それもまた深津演出らしく。
古着の下を這いずる、スッポンと亡霊のように突然現れては消える、裸足で踏み
荒らすとか。一面の古着は人々の記憶か、まんま被災者のメタファーか。不明ながら
無言で迫る物量にうむむねこ。
役者。優しい人・甥役 稲垣吾郎。別役作品に違和感なく、しっとりと溶け込んで
いて、ほよよねこ。行き場のない熱情が哀しい人・叔父役 大杉漣。別役作品とは
思えない生々しさ、熱気に圧倒されるねこ。
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